G・フローベールのレビュー一覧

  • ボヴァリー夫人

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    フローベールは前から読みたかった作家の1人だ。

    リアリズム文学と言われるこの作品は悲劇のような気もするが退屈な感じもした。
    人生というものは退屈だ。
    退屈に甘んじることができない人生もまた退屈で平凡なのかもしれない。
    そこにリアルがある。
    それこそが人生の味わいだと思う。
    そこを書いているこの作品はやはり面白い。

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    2023年11月28日
  • ボヴァリー夫人

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    田舎の退屈さに倦む恋多きエンマの破滅への道。つけ入るロドルフ、レオンはやがては退いてしまう。狡猾なルルーに莫大な借金を負わされ服毒する。献身的な夫シャルルが哀れ。推敲を重ねた文体からの翻訳が馴染まないのか読み終えるのに随分かかったが満足。2023.3.21

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    2023年03月21日
  • 三つの物語

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    光文社古典新訳文庫のフランス文学は、衝撃の『目玉の話』以来。
    3作ともキリスト教にまつわる話。
    「聖ジュリアン伝」は、トルストイの民話のような味わい。
    「ヘロディアス」は、半ばくらいで『サロメの話?』と気付いた。だが、洗礼者ヨハネの首を欲っしたのが、サロメではなく、母親のヘロディアスだった、という設定が、実にさりげなく説明されている点、解説を読むまで気が付かなかった。マルタ島にあるカラヴァッジォの大作『洗礼者聖ヨハネの斬首』を思い出した。

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    2022年11月16日
  • サラムボー 上

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    フローベールは好きな作家だが、描写の仕方のとある部分だけが好きなんであって、本質を自分は理解できてないんだなーと痛感した。
    世界観は好きなんですが、SFファンタジー同様、知識、理解力が乏しいため、読み取れない。。。読んでも想像ができない。。。

    つくづく、自分は勢いのあるノリで書いたような本しか読めないのかなー、と悩んでしまう。

    下巻はもう少し時間を置く。スランプは続く。

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    2021年07月19日
  • 三つの物語

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    いずれも端麗で細緻な文体でありながら、3つそれぞれが違う雰囲気:
    「素朴なひと」は淡い色合いの水彩で描いた風景画、青く広い空と小さな家の周りの木立…。
    「聖ジュリアン伝」は重厚で暗く濃い色のタペストリー、緑の色合いが鬱蒼とした感じの。もとはステンドグラスに発想を得たみたいだけど。
    「ヘロディアス」はギュスターヴモローの絵のような細密画(サロメの題材に引きずられて…)だけど、もっと金色やパキッとした色合いの。

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    2021年05月27日
  • ボヴァリー夫人

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    途中棄権。ストーリーの流れよりもその場その場の情景描写が緻密すぎて、読んでいて少し疲れました。さっと脳に入ってこない。翻訳だから仕方ない部分もあるし、もちろんこれがこの作品の凄さの一つなんだろうけど。話がずっと足踏みしてなかなか進まない印象。あまり物語に入り込めませんでした。

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    2021年02月27日
  • ボヴァリー夫人

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    翻訳が馴染まないと思って読んでいた。解説に、著者と同じ読点を使ったと書いてあり納得。原文の雰囲気を取るか、日本語にした時の自然さを取るかは難しいところだ。ボヴァリー夫人も、もう少し落ち着いた口調の方が合うのではとか、物語以外のことをたくさん考えてしまった。海外文学は翻訳で登場人物のパーソナリティも全てが変わる。他の翻訳も読んでみたいと思った。

    鹿島茂の本に、ボヴァリー夫人は3人いる、と書いてあった。そういえば、初めの方に何人もボヴァリー夫人がいて混乱した。シャルルの母、最初の妻、後の妻だ。この3人が凡庸なシャルルを成功させようとする物語という見方もあるという論に、本作の深さを感じた。

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    2020年04月26日
  • ボヴァリー夫人

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    何はともあれ読み切った。
    何だこの小説、不愉快なやつばっか出てくるな。
    不倫をする人の自分勝手な理論が目白押しである。
    貞淑との間で迷ったりするけど、それも含めて自分に酔っていて楽しそうだ。

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    2020年04月18日
  • 三つの物語

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    「素朴なひと」ジョルジュサンドに「冷徹」と思われていて「あたしだってやるのよ」ということを見せつけるために書いた作品。ある女性の一生。カナダの映画監督アトムエゴヤンの作品を思い出した。「聖ジュリアン伝」フローベールの生地ルーアン大聖堂の34枚のステンドグラスに描かれた彼の一生。「ヘロディアス」エルサレムの地にてキリストがいた頃の話。どれも良かった。久々に本と仲良く解り合えた感覚だった。訳がいいんだと思う。この訳者は読む人の気持ちがよくわかっている人なんだと思うが、作者の言葉選びの素晴らしさに惚れた。

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    2019年06月08日
  • ボヴァリー夫人

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    情熱的な恋を夢みるボヴァリー夫人(エンマ)の物語です。夫シャルルは優しくて一途で、エンマも彼のことを好きになれたら普通の幸せを手に入れることができたのだろうと思います。
    けれども現実はそうはいかず、エンマは浮気をし、莫大な借金を抱え、服毒自殺をしてしまいます。エンマは幸せを追い求め続けていましたが、決して幸せだとは思えませんでした。彼女にとっての幸せとは何だったのか、よくわかりませんでした。

    また、解説を読んで、フローベールが「自由間接話法」を用いて「神の視点」を排除したと知りました。この“表象の革命に値する(p656)”話法には、感心しました。

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    2017年07月08日
  • ボヴァリー夫人

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    ネタバレ

    退屈な夫の生活に嫌気がさし、不倫を重ねて、身を滅ぼす夫人の話。死ぬまでに読むべき1000冊の本のリストにあって、友人が話題にしていたので読んでみました。

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    2016年05月03日
  • ボヴァリー夫人

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    2部までは読むのが少々しんどかったが、3部はすらすら読めた。主人公のエマも勿論愚かだけど、夫も不倫相手も出入りの商人も隣人も俗物ばかり。最後は低俗な薬剤師オメーと俗悪な商人ルウルーだけが幸運に見舞われ、残りの人々は哀しい結末を迎える。これが人生か!となんとも遣る瀬無い。

    エマが無駄遣いに歯止めが効かなくなるのはあり得る事だと思うが、愛人に去られた後何ヶ月も寝込むというのが解せない。男目線でそうあってくれたら可愛いのかもしれないが、普通の女は1週間もしたら過去は水に流して未来に目を向けるのではないか?

    確かにこの時代の主婦は仕事もないが、家事や育児すら自分でやらず、夫の仕事も発展がないとなる

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    2016年02月27日
  • ボヴァリー夫人

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    ボヴァリー夫人がもしもほんの少しだけ物事の見方を変えていたら、ずっと幸せだったのに。
    彼女は誰も自分のことを心からは愛してくれないと思っていたけれども、本当は間近にいたのに。
    ロドルフの様な男の人って本当にいるだろう。
    勉強になった…

    2015/6/3

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    2015年06月03日
  • ボヴァリー夫人

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    なに不自由ない生活を送ってきた一人の女が不倫の恋に身を焦がしやがて破滅していく様を、淡々と、そして詳細に描写していく。
    ボヴァリー夫人は、バカな女といえばまあバカな女ではある。物語にあるような恋愛に憧れ、身の丈に合わない不倫をし、分不相応な享楽を得て、結局は恋人には棄てられ全てを失い死ぬ。誰かに騙されたわけでもそういう運命であったわけでもない。自らそうした破滅に向かっていく。それはあまりにも不用意で擁護の使用がないほど愚かな姿。
    でも、それはまた、どこにでもいる平凡な女の姿(男でもいい)でもある。多少なりとも空想的であったり、無い物ねだりをしたり、後先を考えずに行動したり、それらは決して特異な

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    2014年08月20日
  • ボヴァリー夫人

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    ネタバレ

    海外の名作です~。
    かなーり長い名作でしたぁ。
    でもね、長いわりに飽きるってことはなかったなぁ~。

    ストーリーは
    田舎の医師ボヴァリーの後妻になったエマの不倫や借金地獄、そして自殺。を描いた長編小説。

    うーん、エマっていう女性は、私からみるとわがままで自分のことしか考えられず、気分屋だし、夢見る夢子ちゃん。
    私としてはそんなに好感持てなかったんだけど、でもね、読んでるうちにエマの心が分からないでもないのよ。旦那に退屈して、毎日の生活に退屈して、不倫に走っちゃう。でもって、入りこみすぎて相手に逃げられちゃう。なんか、どこかで聞いたような。。。。。
    家族、家庭を壊してまでやってないいけないでし

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    2015年03月08日
  • ボヴァリー夫人

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    一度読んだくらいでは、作品のごくごく表層のそれもわずか一握りにもみたないほどしか良さをわからないのでしょう。
    細部を丁寧に拾っていくには、あと幾たびかの読書が必要。

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    2012年11月20日
  • ボヴァリー夫人

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    妄想力だけはたくましい夫人が徐々にキチガイじみてくる話です。
    頭から膿汁を垂れた盲の乞食が恋する乙女的な歌を歌ってるシーンがよかった。きっと象徴的な出来事なんだと思います。
    しかし重要なのはおそらく細部で、金の縁取りのあるハンカチとか、夫人がかがむと床にスカートの裾が広がるとか、そういうところなんだろうな、とは思います。服や装飾品に関する描写がやたら多かったけど、あまりピンときませんでした。

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    2012年10月25日
  • ボヴァリー夫人

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    大分前に買ってあったのですが読み出すまでに時間がかかりました。

    それにしても昔の(ちょっと良いところの)ご婦人というのはそりゃあ暇だったんだろうなあ…と思いました。それこそ貧乏人だったら考える暇も退屈している時間も無く生活に追われますがある程度の余裕があって特にすることもない人生。ボヴァリー夫人の生き方は決してほめられたものではないですがそんな時代に閉じ込められてしまった彼女には同情します。
    が、一番可哀そうなのは旦那さんですよね。何のかんの言って。

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    2011年09月26日
  • ボヴァリー夫人

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    田舎医者ボヴァリーの妻エマが、単調な日常に退屈し、生来の空想癖から虚栄と不倫に身を滅ぼす悲劇を描くリアリズム文学の傑作

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    2011年09月22日
  • 紋切型辞典

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    「ぼく自身のつくりあげた言葉はひとつも見当たらず、だれでも一度これを読んだなら、そこに書いてある通りをうっかり口にするのではないかと心配になる」ような辞典、とフローベール自身が称したそうだ。フランスにある森羅万象について、俗説や偏見や紋切型表現を集めた本。
     揶揄と諷刺を目的とした辞典といえばビアスの「悪魔の辞典」だが、あちらが攻撃的な文章ににやりとさせられる、けれんみあふれる読み物とするなら、この「紋切型辞典」にはそういったけれんが皆無である。はっきり言えば、読んでもあんまり面白くない。諷刺が直接的ではないので、さらっと読んでもよく伝わってこないのだ。攻撃対象への悪意と侮蔑が、二重三重に屈折

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    2011年01月20日