渡辺政隆のレビュー一覧

  • 種の起源(上)
    言わずと知れた古典。その構成は、第一部(1~5章)で自然淘汰説(自然選択説)を説明し、第二部(6~9章)でその難点を取り上げ、第三部(10~14章)で生物学諸分野の知見が自然淘汰による枝分かれ的進化によって理解できることを示している。

    私がこの本を読んだ目的は二つあり、一つ目はダーウィンの入念な論...続きを読む
  • 種の起源(下)
    上下巻合わせて約15時間かけて読み終えた。用意周到で徹底的な論証を追うのはここまで大変なものなのかと肌で感じることができた。この経験は分厚い本を読むかどうかの一つの判断として役に立つだろう。
  • ウイルス・ハンター アメリカCDCの挑戦と死闘
    コロナ禍の前、エボラ等の時代の話。
    アメリカの組織の話ですが、アメリカの政府・学術組織などの前提知識は不要かと。活動の実態など、色々と面白かったです。
  • 種の起源(上)
    言わずと知れた名著だが、一般読者向けとあって非常に読みやすい。

    生物学の小難しい話もあるが、実験に基づいた例証が魅力的で、まるでグローバルヒストリーの本を読んでいるようにワクワクした。
  • 種の起源(下)
    下巻では地理的条件などさらに議論の範囲が広がっている。
    あくまでエビデンスを身上とし、そのため不確定なところでは断定を避けている。
    そのためか、ページ数のわりに主張に精彩を欠くように感じてしまう。
    それは現代からみるとそうだ、というだけなのかもしれないが。
    なんにせよ冗長ではありつつ読みやすいので、...続きを読む
  • 種の起源(上)
    訳者の力によるところも大きいと思うが、その重厚な佇まいに反して読みやすく理解しやすい。
    現代では当然のものとして受容されている「進化論」。形質の獲得が自然淘汰・性淘汰に依るものだという主張は、これほどまでに丁寧になされていたのかと驚く。それほどまでにセンセーショナルな主張だったのだろう。
  • 種の起源(上)
    19世紀に書かれたとは思えないほど、動植物についてよく調査・研究され、論理的にまとめられている。正確な論述は、ダーウィンがいかに厳格な人間であったかを伺わせる。生物学の基礎をなす極めて重要な古典だと思う。
    「どの生物種でも、生き残れる以上の数の子供が生まれてくる。しかもその結果として、生存闘争が繰...続きを読む
  • 種の起源(下)
    上巻に続き、とても深い研究書である。150年前に書かれたとは思えないほど、進化論について緻密な研究に基づく詳細な記述がある。驚きの一冊。
    「自然は、個々の生物自身の利益になりそうなことならば、膨大な時間をかけてゆっくりとたゆむことなく生物の体のつくり全体に働きかける。そして、どれか一つの種に由来す...続きを読む
  • 種の起源(上)
    読むのに苦労した。言葉のレベルはそれほど難しくなく、一般書としては楽しめる。だが、しっかりと言葉の咀嚼をしないと理解できない。古典に触れられて良かった。
  • 種の起源(上)
    いつかは読まねばと思いつつ先延ばしにしていた本.科学者としてのダーウィンにあらためて敬服できる.ダーウィンの最後の著「ミミズと土」を以前読んだが,種の起源においても,「仮説・思考」「実際の動植物の観察」「他者の文献調査」が入り乱れた後,最終的な結論が筋道だってしめされている.

    一般向けの書として,...続きを読む
  • 種の起源(上)
    読み終わるまでに結構な時間が掛かってしまったけれど、買ってみて良かったと思える。ダーウィンがいかに偉大であるかが理解できる。

    メンデルによる遺伝の法則の発表より前の著作。自然淘汰説は10年以上温め続けていた持論…遺伝の法則よりもずっと前からこの説を胸の内に秘めていたということ。
    進化論の礎を築き、...続きを読む
  • 種の起源(下)
    下巻もやっとこさ読み終わった。上巻に引き続きダーウィンの偉大さに感嘆する内容だった。くどいと感じるほどに自説や対立仮説に疑問を投げかけ検証しているため、若干の読みづらさはあるけれども。

    実際に読んでみるまでは、種の起源は自然淘汰説により人の起源が猿人類であることを唱える本であると思い込んでいた。
    ...続きを読む
  • 種の起源(下)
    「成長」して「繁殖」すること、繁殖とさして違わない意味での「遺伝」、生物を取り巻く条件の間接的および直接的な作用と用不用による「変異性」、「生存闘争」を引き起こし、その結果として「自然淘汰」を作用させ、「形質の分岐」と改良面で劣る種類の「絶滅」を強いる高い「増加率」。自然の闘争から、飢餓と死から、わ...続きを読む
  • ロウソクの科学
    なんだかんだ読む機会がなかったのでこの機会に。

    と思ったものの、講義の実空間と書籍で読む科学講義とでは隔世の感が拭えないようにも感ぜられる。
    解説やあとがきの補足情報は、いっそうリアルな場での科学教育の躍動が垣間見えるものの
    一部の挿絵を糧にして字面を追う中ではどうにも、こういった書物への態度とし...続きを読む
  • ロウソクの科学
    ロウソクを題材にして化学や物理の基礎を解説している。解説や実験の内容自体は教養的で良いと思うが、単に活字を読むのは退屈だったため、マンガや動画の形式の方が向いているかもしれない。
    退屈な理由は2つ。1つ目は内容自体への興味が湧きづらい点。基礎的な話はわかりやすくて良いが、すでに知っている点も多くて発...続きを読む
  • 種の起源(上)
    ダーウィン世界各地で虫の採取や魚の捕獲、動物の観察をしすぎ(笑)って思った。実験をしっかりしているのが特徴だなと感じた。
  • ウイルス・ハンター アメリカCDCの挑戦と死闘
    リチャード・プレストンの『ホット・ゾーン』で、エボラとの戦いが描かれましたが、その時にエボラと戦ったのは、USAMRIIDと言われるアメリカ陸軍感染症医学研究所でした。

    USAMRIIDは、軍の施設なので、基本的には生物兵器などに関する研究を行っていて、一般国民の公衆衛生にかかわることにはタッチし...続きを読む
  • 種の起源(下)
    個々の種は一つの地域だけで生み出され、その後そこから過去と現在の条件のもとでその移動能力と生存能力の及ぶ限り遠くまで移動した。

    かつては連続的だった多くの種の分布が地理的な変化や気候の変化によって分断されるという出来事が地質時代に間違いなく起こっている。

    創造の中心は一つか複数か

    決して交雑を...続きを読む
  • 種の起源(下)
    上巻、下巻を通じて、ダーウィンの観察眼の鋭さと、用意周到な論理にただただ感心させられた。とにかく事実をしっかりととらえて、緻密に自説を論じていく。これが、数百年たった現代でも、生物学の必読書として読み続けられている理由なのだろう。また、分からないことは分からないという潔さのに、ダーウィンの偉大さをよ...続きを読む
  • 種の起源(上)
    正直、読みにくかった。
    ただ、これが進化学の先駆けであり、150年も前に書かれたものなのかと考えたとき、なんとも感慨深い気分にさせられた。
    理解できたかどうかは別として―。