言わずと知れた古典の代表、ダーウィンの「種の起源」です。
全ての生物は今の形、性質を与えられたという創造論を科学的に否定した最初の人がダーウィンです。
生物は自然淘汰と呼ばれるメカニズムによって、今の「種」に分化、進化してきました。
進化論は今や当たり前となっていますが、知っているだけで理解
...続きを読むしていなかったということが、読んでみてよくわかります。
何億年も前には、単純な生物が生息していて、それがだんだん進化して魚になったり、鳥になったり、哺乳類になったり、人になったりしたんでしょ。
人類の祖先は猿だったんでしょ。
といったことは漠然と知っていても、どういったメカニズムなのか、つまり、自然淘汰というものが何なのかは意外と知られていないと思います。
たとえば、果物が甘い理由。
これは、果物が甘ければ、鳥が食べる。
食べた鳥は種まで消化できずに、糞として、遥か遠方まで種を運ぶことができる。
だから、果物は甘い。
僕はこのように理解していました。
これは、正解のようで、正解ではありません。
鳥が食べてくれるように、果物は甘くなったのではなく、自然淘汰によって甘い果物が生存競争に勝ったため、多くの果物が甘くなったという方が正しいと言えるでしょう。
訳者は、「ダーウィンの種の起源を読まずに、人生を語るべきではない」と言っています。
これはまた大袈裟だなと初めは感じましたが、読んでみれば訳者の意見に共感できます。
種の起源を読むと、全ての生物が自然淘汰によって今の種に進化してきたのであり、全ての生物の繋がりというものを強く感じることができます。