渡辺政隆のレビュー一覧

  • 種の起源(上)

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    学術用語が多く、また現代の学説と異なる点もそれなりにあるので、ある程度の生物学・遺伝学の知識を持った状態で読むべき本だと感じた。

    しかし、ダーウィンの生物学への非常なる熱意が伝わってくる。
    遺伝子の存在も、遺伝方法も分かっていなかった時代に、自然観察のみでここまで考察した事実には驚嘆するしかない。たくさんの協力者がいたとはいえ、膨大な実験と観察を凝縮した論証と、その結晶たる進化論。
    創造論が主流であった時代に大きな一石を投じる著書であったことは想像に難くない。

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    2025年06月22日
  • 種の起源(下)

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    難しい表現があり理解しづらい部分は多々あるが、進化論の原理が知れるのは面白かった
    メンデルの遺伝学など、この本が出版された以降の世界では進化論を更に補強する科学がたくさんあることに驚かされる
    また、遺伝や大陸変動など分かっていないことをきっぱり述べるのはダーウィンの性格も起因してるからか科学に対して正直だなと思う

    当時の宗教との対立もまた時代を感じさせる内容であった
    複数の側面から物を見るべきなので創造説の本も読んでみたい

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    2025年02月19日
  • 種の起源(上)

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    農業高校を卒業したくせに今まであまり生物関連の本を読んでこなかった。そんな自分に喝を入れるため『種の起源』に挑戦したが、結果は最高の読書体験でした。
    地球環境に適応し、柔軟に種を分岐させてきたすべての生物の地道な足跡を、強い愛情と探究心を持ってダーウィンは追求する。
    ミミズと土についての著作も読みたい。
    予想外な点
    ・創造説に対しての気配り
    ・読みやすい
    ・優生思想や競争心を煽ることは書いてない。

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    2023年09月10日
  • 種の起源(上)

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    この本は、誰もが知っているダーウィンの「種の起源」ですが、実際に読んでみると、とてもよく研究された本で、めちゃくちゃすごい本だと思いました。
    世の中が「この世は神が作ったという」創造説を信じている中で、生物進化論を科学的に証明した本書は、まさに時代を大きく変えた歴史的な本だとと思いました。
    ぜひぜひ読んでみて下さい!

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    2023年01月20日
  • 種の起源(下)

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    下巻では、生物の緻密な観察に加えて、主に地質学などの地理的条件を交えて「自然選択説」に関する論証を重ねている。

    有名なガラパゴス諸島の生物についての考察がメインであると勝手に想像していましたが、実際は少しだけ登場するだけだったので驚きました。

    「自然選択説」は誤った解釈に用いられることが多いですが、ダーウィンが本当に伝えたかったのは「全ての生物は共通の祖先を持ち、環境に応じて姿形を変えながら少しづつ変化を遂げてきた」ということを理解しました。現代の「生物学」の幕開けを感じる大作でした。

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    2022年03月15日
  • 種の起源(上)

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    現在の生物学の土台を創り上げた言わずと知れた名著。生命の創造説が主流の時代の中、長年に渡って生物の観察を続け、論証を重ねる事で導き出した「自然淘汰説」。この学説は、現在でも様々な分野に大きな影響を与えている。

    生物進化に関する本を複数読んできて、恥ずかしながら本書を読んだ事が無かったので読みました。遺伝子に関する知見がない中で、ここまで壮大な生物進化に関する学説を唱える事が出来た彼の偉大さを改めて実感しました。

    続けて下巻を読みます。

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    2022年02月23日
  • 種の起源(下)

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    Unlimitedで読んだ上巻がよかったので下巻を自費で購入。

    地質学まで踏み込んで、進化の途中段階が見つからないのはなぜか、を解説。さらに、古い地層には原始的な種が見つかり、基本的に原生の種は出てこない。

    とにかく驚くのは、メンデルの遺伝の法則も、大陸移動説も知られていない時代に、かなり核心をつく考察を行っていること。

    なぜそれができたのかは、自然についてじっくりと向き合ってきたからだろう。20代のうち6年も費やしたビーグル号の航海も大きく影響したはずだ。

    進化論に異論は多いが、彼らがダーウィンほどに自然と向き合っているのかは疑問に思う。

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    2021年09月21日
  • 種の起源(上)

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    専門家のための学術的なものでなく一般向けであるとのことである。
    以前から読みたかったのだが、それを知って読むことにした。丁寧で細かく分かりやすい。文章の後に気がついたことがあったら、注意書き、説明も怠らない。現代では知られていることのまとめ書きになるわけである。
    適応しつつ対処していくことにつきるということだろうと思うのである。
    読み終わった後も確認したくなったときのために手元に置いておこうと思う。終わりの“本書を読むために”もとても興味深いことが記してある。

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    2021年01月31日
  • 種の起源(上)

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    私的ベスト5のうちの1冊。チャールズダーウィンの人間性に触れる事ができる名著だと思います。訳者の渡辺正隆さんの補足がわかりやすく、岩波文庫版より字も大きく読み易いです。

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    2021年01月04日
  • 種の起源(下)

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    言わずと知れているが、未だ必ずしも正しく理解されていないところがある、ダーウィンの主著。

    本書は、ダーウィン自身が述べるように、その全体が大きな1つの論証となっている。
    すなわち、生物の起源を説明する理論として、自然淘汰説がいかに正しく、他方で創造説がいかに誤っているかを、膨大な論拠をもって論じている。
    自説への反論をも「難題」として詳しく検証し、分からないことは分からないと明言する姿勢は、極めて潔く、「科学的」である。

    全体を通して、創造説と闘いながら、生物の起源に見事なロジックで迫っていく、ダーウィンの強い意気込みが感じられる。

    下巻末の「解説」では、ダーウィン以降の生物学の発展に触

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    2016年05月11日
  • 種の起源(上)

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    上下巻、あわせて1ヶ月以上、毎日読み続けて遂に読み終えた。内容・分量ともにお手軽な本ではない。でも面白く読める。

    実験で証明できる訳ではない生物の起源。それを論証に論証を重ねて示していくという生物学のスタイルは、とても新鮮に思えた。今の世はちょっと実証主義に偏りすぎているように感じていたこともある。

    進化論は過去・現在・未来の認識を変えてくれる。壮大なスケールの生態系の一部である我々、に気づかせてくれる。ビジネスパーソンは全員必読、というある推薦文を見て読み始めたのだが、その理由も自分なりに理解できた。

    まだ遺伝の法則も分かっていなかった時代のダーウィンの成果。このバトンを受け継ぎ、DN

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    2016年04月15日
  • 種の起源(下)

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    チャールズ・ダーウィン『種の起源』と
    川端康成の『山の音』を平行して読み上げました。
    『種の起源』は言わずと知れた近代生物学の礎となった大著、
    方や。あの山本健吉をして「戦後日本文学の最高峰」と言わしめた名品です。

    実を申し上げますと、『種の起源』は学生時代から何度か挑戦し、
    いつもその難解さに断念していました。
    それが、光文社古典新訳文庫版でやっと読み終えることができました。
    原書を読んだことがないのでよくわかりませんが、
    翻訳家によりますとダーウィンさんは悪文で有名なんだそうです。
    だから、英国国教会が「あなたを誤解し、最初の我々の反応が誤りだったために
    まだ他の人々があなたを誤解してい

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    2015年07月25日
  • 種の起源(上)

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    ようやく読み終わった。3週間もかかってしまった。

    種の起源は、以前から読みたいな~とは思いつつ、素通りしていた本。ようやく手に取り、時間はかかったけど、読破して、若干気持ちがいい。

    ダーウィンについては、「進化論を唱えた人」ぐらいのイメージしかなかった。そして、批判されまくっている(キリスト教だけではなく、学者にも)人というぐらいのものだった。

    読み始めて最初の3分の2ぐらいは、正直とても退屈だった。っていうか、わたしの知識不足?よくわからなかったり、同じことがクドクド書いてあるように感じたり。そういうわけで途中で眠ってしまったり、だるくてやめてしまったりして3週間もかかってしまったのだ

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    2011年07月11日
  • 種の起源(上)

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    言わずと知れた古典の代表、ダーウィンの「種の起源」です。

    全ての生物は今の形、性質を与えられたという創造論を科学的に否定した最初の人がダーウィンです。

    生物は自然淘汰と呼ばれるメカニズムによって、今の「種」に分化、進化してきました。


    進化論は今や当たり前となっていますが、知っているだけで理解していなかったということが、読んでみてよくわかります。


    何億年も前には、単純な生物が生息していて、それがだんだん進化して魚になったり、鳥になったり、哺乳類になったり、人になったりしたんでしょ。

    人類の祖先は猿だったんでしょ。

    といったことは漠然と知っていても、どういったメカニズムなのか、つま

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    2010年05月20日
  • 沈黙の春

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    殺虫剤、除草剤の毒性、それによる健康被害、自然破壊の実態が突きつけられ、恐ろしいとしか言いようがありませんでした。

    何とかして悲惨な現実を世に知らしめ、現状を打開しなければならないという、レイチェル・カーソンの強い信念が文章に溢れていました。かなり前に読んだ「センス・オブ・ワンダー」と共に、心に残りました。

    がんに侵されている中での執筆であり、本書出版から1年7か月後に亡くなったことを、解説文を読んで知りました。執筆に心血を注いでいた著者のことを思うと、胸が熱くなり頭が下がります。

    自然界の中で、人間は限りなく謙虚でなければならないと、思うことしきりです。

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    2025年06月15日
  • 種の起源(上)

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    原文に近い翻訳なので言い回しが難解でなかなか頭に入ってこなかったが、200年以上前に標本を研究して、遺伝子レベルの研究が可能な現代にも通ずるロジックなのが素晴らしい。自分で研究した結果より、いろんな人の研究を重ねて新しい見せ方をした結果、爆発的なヒットになったというのが、新サービス検討にも通ずる精神かと。
    不妊の中性個体と自然淘汰の話が面白かった。自然淘汰は「三体」にも繋がる。

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    2025年02月08日
  • 種の起源(上)

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    生物学の知識がない自分にとっては生き物の名前さえ画像を調べながら読んでいたが、特に奴隷アリの話は面白かった
    自然淘汰という膨大な時間が起こした変異を仮説として立て、立証していくストーリーは読みやすい

    ところどころ結論が遠かったり冗長さは感じたが知識なさゆえか翻訳かは分からないが、とりあえず(下)も読んでみる

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    2025年02月05日
  • 沈黙の春

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     レイチェル・カーソンの『沈黙の春』は、農薬の大量散布による自然や生態系の破壊と健康被害に警鐘を鳴らし、自然保護活動やエコロジー思想に大きな影響を与えたとして非常に有名であるが、新訳が出たことから実際に読んでみることとした。

     本書刊行の時代の1950年代から60年代というと、科学/化学の力に魅了されていた時代であり、農薬による害虫駆除が大々的に行われたのもそうしたことからだったのだろう。本書では、鳥や魚その他の動植物に対する被害や、水や土壌の汚染に関する実相が次々と明らかにされていく。そして、農薬会社や行政、あるいは研究費の助成等で企業と利害関係のある研究者などが、農薬がそれらの被害の原因

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    2024年09月18日
  • ミミズによる腐植土の形成

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    ダーウィンとは、あの進化論のダーウィンである。彼が家族の協力を得ながら40年もミミズの研究をしていたとは、恥ずかしながら知らなかった。ダーウィン最後の著書がこの本。
    この本によって、ミミズは単なる釣り餌ではない、大地を耕して潤してくれる存在であると、世に知らしめたのだ。
    いまだに分からないことも多いミミズだが、ミミズがいなければ、作物は育たない。畑に薬を撒いて除草すると、ミミズも死んでしまい、豊かな畑にはならない。とても大事な存在なのだ。
    ダーウィンが実験に使っていたミミズは日本のものより大きいらしいが、巣穴の入り口は葉っぱなどで塞ぎ、寒さをしのいだり、食べ物にしたりする話やローマ時代の遺跡が

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    2024年06月22日
  • ロウソクの科学

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    齋藤孝だったかの本で科学の入門書とあり読んだ。
    光文社シリーズだけあって訳のおかげかとても優しい語り口。理系なので何の話をしているかはだいたいわかるが、挿絵はあるものの全てではないので、こういうのは動画や実演にはかなわないと思った。

    科学者というと偏屈で子ども向け講義をするようなイメージがなかったが、あとがきを読むとファラデーがこの講義をするに至った背景もわかり興味深い。

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    2024年04月28日