渡辺政隆のレビュー一覧
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Unlimitedで読んだ上巻がよかったので下巻を自費で購入。
地質学まで踏み込んで、進化の途中段階が見つからないのはなぜか、を解説。さらに、古い地層には原始的な種が見つかり、基本的に原生の種は出てこない。
とにかく驚くのは、メンデルの遺伝の法則も、大陸移動説も知られていない時代に、かなり核心をつく考察を行っていること。
なぜそれができたのかは、自然についてじっくりと向き合ってきたからだろう。20代のうち6年も費やしたビーグル号の航海も大きく影響したはずだ。
進化論に異論は多いが、彼らがダーウィンほどに自然と向き合っているのかは疑問に思う。 -
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言わずと知れているが、未だ必ずしも正しく理解されていないところがある、ダーウィンの主著。
本書は、ダーウィン自身が述べるように、その全体が大きな1つの論証となっている。
すなわち、生物の起源を説明する理論として、自然淘汰説がいかに正しく、他方で創造説がいかに誤っているかを、膨大な論拠をもって論じている。
自説への反論をも「難題」として詳しく検証し、分からないことは分からないと明言する姿勢は、極めて潔く、「科学的」である。
全体を通して、創造説と闘いながら、生物の起源に見事なロジックで迫っていく、ダーウィンの強い意気込みが感じられる。
下巻末の「解説」では、ダーウィン以降の生物学の発展に触 -
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上下巻、あわせて1ヶ月以上、毎日読み続けて遂に読み終えた。内容・分量ともにお手軽な本ではない。でも面白く読める。
実験で証明できる訳ではない生物の起源。それを論証に論証を重ねて示していくという生物学のスタイルは、とても新鮮に思えた。今の世はちょっと実証主義に偏りすぎているように感じていたこともある。
進化論は過去・現在・未来の認識を変えてくれる。壮大なスケールの生態系の一部である我々、に気づかせてくれる。ビジネスパーソンは全員必読、というある推薦文を見て読み始めたのだが、その理由も自分なりに理解できた。
まだ遺伝の法則も分かっていなかった時代のダーウィンの成果。このバトンを受け継ぎ、DN -
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チャールズ・ダーウィン『種の起源』と
川端康成の『山の音』を平行して読み上げました。
『種の起源』は言わずと知れた近代生物学の礎となった大著、
方や。あの山本健吉をして「戦後日本文学の最高峰」と言わしめた名品です。
実を申し上げますと、『種の起源』は学生時代から何度か挑戦し、
いつもその難解さに断念していました。
それが、光文社古典新訳文庫版でやっと読み終えることができました。
原書を読んだことがないのでよくわかりませんが、
翻訳家によりますとダーウィンさんは悪文で有名なんだそうです。
だから、英国国教会が「あなたを誤解し、最初の我々の反応が誤りだったために
まだ他の人々があなたを誤解してい -
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ようやく読み終わった。3週間もかかってしまった。
種の起源は、以前から読みたいな~とは思いつつ、素通りしていた本。ようやく手に取り、時間はかかったけど、読破して、若干気持ちがいい。
ダーウィンについては、「進化論を唱えた人」ぐらいのイメージしかなかった。そして、批判されまくっている(キリスト教だけではなく、学者にも)人というぐらいのものだった。
読み始めて最初の3分の2ぐらいは、正直とても退屈だった。っていうか、わたしの知識不足?よくわからなかったり、同じことがクドクド書いてあるように感じたり。そういうわけで途中で眠ってしまったり、だるくてやめてしまったりして3週間もかかってしまったのだ -
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言わずと知れた古典の代表、ダーウィンの「種の起源」です。
全ての生物は今の形、性質を与えられたという創造論を科学的に否定した最初の人がダーウィンです。
生物は自然淘汰と呼ばれるメカニズムによって、今の「種」に分化、進化してきました。
進化論は今や当たり前となっていますが、知っているだけで理解していなかったということが、読んでみてよくわかります。
何億年も前には、単純な生物が生息していて、それがだんだん進化して魚になったり、鳥になったり、哺乳類になったり、人になったりしたんでしょ。
人類の祖先は猿だったんでしょ。
といったことは漠然と知っていても、どういったメカニズムなのか、つま -
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殺虫剤、除草剤の毒性、それによる健康被害、自然破壊の実態が突きつけられ、恐ろしいとしか言いようがありませんでした。
何とかして悲惨な現実を世に知らしめ、現状を打開しなければならないという、レイチェル・カーソンの強い信念が文章に溢れていました。かなり前に読んだ「センス・オブ・ワンダー」と共に、心に残りました。
がんに侵されている中での執筆であり、本書出版から1年7か月後に亡くなったことを、解説文を読んで知りました。執筆に心血を注いでいた著者のことを思うと、胸が熱くなり頭が下がります。
自然界の中で、人間は限りなく謙虚でなければならないと、思うことしきりです。 -
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レイチェル・カーソンの『沈黙の春』は、農薬の大量散布による自然や生態系の破壊と健康被害に警鐘を鳴らし、自然保護活動やエコロジー思想に大きな影響を与えたとして非常に有名であるが、新訳が出たことから実際に読んでみることとした。
本書刊行の時代の1950年代から60年代というと、科学/化学の力に魅了されていた時代であり、農薬による害虫駆除が大々的に行われたのもそうしたことからだったのだろう。本書では、鳥や魚その他の動植物に対する被害や、水や土壌の汚染に関する実相が次々と明らかにされていく。そして、農薬会社や行政、あるいは研究費の助成等で企業と利害関係のある研究者などが、農薬がそれらの被害の原因 -
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ダーウィンとは、あの進化論のダーウィンである。彼が家族の協力を得ながら40年もミミズの研究をしていたとは、恥ずかしながら知らなかった。ダーウィン最後の著書がこの本。
この本によって、ミミズは単なる釣り餌ではない、大地を耕して潤してくれる存在であると、世に知らしめたのだ。
いまだに分からないことも多いミミズだが、ミミズがいなければ、作物は育たない。畑に薬を撒いて除草すると、ミミズも死んでしまい、豊かな畑にはならない。とても大事な存在なのだ。
ダーウィンが実験に使っていたミミズは日本のものより大きいらしいが、巣穴の入り口は葉っぱなどで塞ぎ、寒さをしのいだり、食べ物にしたりする話やローマ時代の遺跡が