またジャンル分けに困る感じの本だな…
水曜日のダウンタウン、「ほんとにここのスタッフ性格悪いよね」(褒め言葉)という主人の言葉もあり、どういう人がどういう風にものごとを考えて作っているのか、ものすごく興味があった。読んでみたら、割と思った通りの人物像だったから意外性はなかった。よくも悪くも、普通の人の範疇なんだと思う。悪意という部分にこだわることで色を出しているけど、そこにこだわるという姿勢は至ってまじめで、サラリーマン的。
器用貧乏だったり、仕事を仕上げるときに100%思い通りになるよう全部自分でやりたい派だったりと共通するマインドもあったので、仕事に関しては大いに頷けるところもあった。
ただ、若さというか、抑えがたい青臭さがどうしても感じられる。それもまだ彼の年齢を考えれば納得するんだけど、脂がのりきって円熟味が出てくるのはこれから。あと5年といわず、もう少し頑張ったらいいのになぁという点がちょっと残念…保険を張っているように感じてしまうので。
とはいえ、その5年で引き続き悪意とこだわりに満ち満ちた番組を産み出していってくれたらと思う。
--
『水曜日のダウンタウン』『クイズ☆タレント名鑑』など、数々のバラエティ番組を手がけるTBSプロデューサーによる初の著書。
人気番組が生まれる背景、芸人の凄さのヒミツから、「ナレーション原稿もすべて自分で書く」こだわりの演出に宿る信念、
藤井ワールドの特徴でもある〝悪意〟の正体まで……。テレビ界、最注目プロデューサーがその「手のうち」を
余すことなく語った、ファンならずとも必読の一冊!
「本当に好きなことでしかその人の最大のパワーは出ないし、本当にやりたいことで突破していかなければ、
そこに未来はありません」。
□第1章 番組作りのこだわり
自分の「好き」と「面白い」を突き詰める/ダメならダメなりの見せ方を/悪意の正体/説明過多は醒める/
人一倍高い反省力と心配力 etc…
□第2章 藤井健太郎 全仕事
限度ヲ知レ/クイズ☆タレント名鑑/テベ・コンヒーロ/水曜日のダウンタウン/芸人キャノンボール2016 etc…
□第3章 テレビマンの青春
入社試験で一度は落ちているTBS/お笑いのノウハウを学んだ『リンカーン』/松本人志の圧倒的な打率/
溜めこんだ無駄が活きてくる etc…
□第4章 サラリーマンこそフルスイング
原動力は「見栄」/面白いモノに価値がないと思われるのはマズイ/会議ネタは少なめに/
「やらせ」をするのは平和な番組 etc…