20110213「電子書籍奮戦記」荻野正昭
昨年から出版されている数々の電子書籍関連本(以下、電書本)のなかでは正直期待していない一冊だった。
だいたい、創業社長の著作というものはほとんどご自慢のご賢察を連ねるものだから。
本作も最近のブームをみてほら見たことかと荻野氏の自慢話がなされると思いつつ
...続きを読む読み進めたものの、正直ごめんなさいを言うしか無い。
昨年からの電書ブームで上っ面の業界ネタ、技術ネタに終始する他の電書本とは違い、本書ではおそらく電子書籍・電子出版ビジネスを既存の出版ビジネスや書籍流通ビジネスの置き換え、売上減の補填のためというようなしみったれた考えではなく、新しいビジネスとして一から電子書籍・電子出版ビジネスを捉え、考え続けてきた唯一の日本人の思いが描かれている。
大きな出版社相手のビジネスではなく、一出版社、一編集者としての思い、それがなかなか結実しないもどかしさ、そんな十数年間乗り越えてきたMr.電子書籍の言葉はいちいち簡潔で重い。
日本の国内事情にあった電子書籍・電子出版ビジネスをこれから創り上げていくにあたっては、こういう「タレント」を活かしきるプロデューサーが必要なんだろうな。
ボクも浅はかな考えをかなり正されました…(^^;)ハハハ。