鈴木健のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
300年後の社会を構想した本。
「この複雑な世界を,複雑なまま生きることはできないのだろうか」という冒頭の文章に心動かされ手に取った。
数式的な部分の理解は飛ばしてしまったが、要旨は以外2点だと受け取った。
1.インターネットとコンピュータの発達により、複雑なものを複雑なまま受け取ることが可能になる(物理世界と認知の間の万能のミドルウェアとして情報技術)
2.フラットでもステップでもない、内と外が連続的につながっている状態(=なめらか)を志向する
現在のインターネットの状態と比べると理想を描きすぎていると感じる点は否めないものの、想定問答に対する反論や現状考慮できていない点に対する真摯さは -
Posted by ブクログ
人工物としての社会制度があり、そこに所有の概念がついてまわる。人々は、潜在意識下であるものに対して所有の概念を持つ。身体的システム、人間と環境、たとえば市場のような社会制度を概念化。権力とは、権力があると人々が信じることから生まれる自然発生的なものであると。そこから、個人、自由意志があるわけだが、行動に責任を取らせるような形を与える。ここで問題が生じたのは、原発事故である。誰の責任なのか、複雑性に支えられた社会は、筆者が主張する、膜という内と外の概念、核という小自由度による大自由度の制御、それを支える複雑な反応を持つネットワーク、これがインターネットである。これがなめらかな社会を形成する。
ミ -
Posted by ブクログ
複雑な世界を単純化せずに、複雑なまま生きることを可能にするために、情報技術やそれに基づく発想は何ができるかという問いを立てた上で、それにできる限り具体的なもので応えるという試みの記録と言えるだろうか。実際、具体的な提案が存在する貨幣や投票システムについてに比べると、そうしたものを欠いた後半の記述は明らかにテンションが落ちる。その貨幣なども、それ自体についての解説は興味深いのだが、それをどうやって普及させるかという点については、いいアイデアがないようだ。正直、こんなものを普及させるくらいなら、革命でも起こす方が簡単じゃないのか、などと思わないでもない。無論、この手に突っ込みは筆者の想定内のようで