鈴木健のレビュー一覧

  • なめらかな社会とその敵 ──PICSY・分人民主主義・構成的社会契約論

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    この本については、実現できるかという観点ではなく、いかに今の政治、社会、経済、生活のオルタナティブに対する示唆を与えてくれるかという観点で評価したい。一部でも現実に投射させられてしまう魅力に満ちた本。

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    2025年08月22日
  • なめらかな社会とその敵 ──PICSY・分人民主主義・構成的社会契約論

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    300年後の社会を構想した本。
    「この複雑な世界を,複雑なまま生きることはできないのだろうか」という冒頭の文章に心動かされ手に取った。

    数式的な部分の理解は飛ばしてしまったが、要旨は以外2点だと受け取った。
    1.インターネットとコンピュータの発達により、複雑なものを複雑なまま受け取ることが可能になる(物理世界と認知の間の万能のミドルウェアとして情報技術)
    2.フラットでもステップでもない、内と外が連続的につながっている状態(=なめらか)を志向する

    現在のインターネットの状態と比べると理想を描きすぎていると感じる点は否めないものの、想定問答に対する反論や現状考慮できていない点に対する真摯さは

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    2025年08月11日
  • なめらかな社会とその敵 ──PICSY・分人民主主義・構成的社会契約論

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    人工物としての社会制度があり、そこに所有の概念がついてまわる。人々は、潜在意識下であるものに対して所有の概念を持つ。身体的システム、人間と環境、たとえば市場のような社会制度を概念化。権力とは、権力があると人々が信じることから生まれる自然発生的なものであると。そこから、個人、自由意志があるわけだが、行動に責任を取らせるような形を与える。ここで問題が生じたのは、原発事故である。誰の責任なのか、複雑性に支えられた社会は、筆者が主張する、膜という内と外の概念、核という小自由度による大自由度の制御、それを支える複雑な反応を持つネットワーク、これがインターネットである。これがなめらかな社会を形成する。

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    2024年11月03日
  • なめらかな社会とその敵 ──PICSY・分人民主主義・構成的社会契約論

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    複雑な世界を複雑なまま生きることはいかにして可能か、という観点から、新しい貨幣・投票・社会制度の提案がされた本。
    「自由とは、与えられた選択肢の中から選択することが可能であることでは決してなく、複雑なまま生きることが可能であることをいう」という文章が印象に残った。

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    2024年08月23日
  • なめらかな社会とその敵 ──PICSY・分人民主主義・構成的社会契約論

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    > 本書が挑戦するのは、膜と核という2つの社会現象がインターネットによって打ち破られるのか、もし可能だとして一体どのような方法で可能なのかという問題である。(1.2. 膜と核)

    科学的なメタファーで社会を分析するやり方自体はおもしろかったものの、シグモイド関数などはモデルではなくメタファーとして紹介されており、再現性を持った問題の解決方法には達していないという印象を受けた。
    数式や行列計算も多く出てくるが、現象よりも数式が先立っているように読めてしまい、理解が難しかった。

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    2025年06月08日
  • なめらかな社会とその敵 ──PICSY・分人民主主義・構成的社会契約論

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    開始: 2024/7/1
    終了: 2024/7/29

    感想
    つながり。新世紀エヴァンゲリオンに描かれる人類保管計画。なぜ最後に頓挫するのか。人は痛みを覚えても、確固たる他者と向き合いたいから。

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    2024年07月29日
  • なめらかな社会とその敵 ──PICSY・分人民主主義・構成的社会契約論

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    残念ながら、本著で説明する新たな貨幣モデルも選挙モデルも、その数理的論拠を理解する余裕も無ければ、魅力を感じるには至らない。個人による発行株を通貨として取引するPICSYと呼ぶ投資貨幣。従来の通貨は決済貨幣として両立させるその仕組みは面白そうではある。

    そうした社会改善のアイデアとは別に箴言のように本質をつく思想が本著に底流する。例えば、オートポイエーシス理論。細胞、神経系、生物体などが、自分で自分自身をつくりだすというサイクルを反復することで、自律的に秩序が生成されるようなプロセス。

    生命が持つ目的志向的な性質の無限退行問題。生命にはどんな目的があるのか、それを考えると別の目的のための手

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    2023年03月24日
  • なめらかな社会とその敵 ──PICSY・分人民主主義・構成的社会契約論

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    複雑な世界を単純化せずに、複雑なまま生きることを可能にするために、情報技術やそれに基づく発想は何ができるかという問いを立てた上で、それにできる限り具体的なもので応えるという試みの記録と言えるだろうか。実際、具体的な提案が存在する貨幣や投票システムについてに比べると、そうしたものを欠いた後半の記述は明らかにテンションが落ちる。その貨幣なども、それ自体についての解説は興味深いのだが、それをどうやって普及させるかという点については、いいアイデアがないようだ。正直、こんなものを普及させるくらいなら、革命でも起こす方が簡単じゃないのか、などと思わないでもない。無論、この手に突っ込みは筆者の想定内のようで

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    2022年11月14日