なめらかな社会とその敵 ──PICSY・分人民主主義・構成的社会契約論

なめらかな社会とその敵 ──PICSY・分人民主主義・構成的社会契約論

1,430円 (税込)

7pt

3.9

来たるべき300年後の社会を実行可能な形で構想した画期的試論、ついに文庫化! この複雑な世界を複雑なまま生きることはいかにして可能か――。これが本書の中心にある問いだ。生命の起源から説き起こし、膜と核の問題が社会制度と地続きであることが、最初に示される。社会の〈なめらかさ〉とは、膜の機能を弱め、諸物が連続的なつながりをなすネットワークへと開いていくことにほかならない。それは、情報技術の支援の下、貨幣・投票・法・軍事というコアシステムの変革によって実現される。近代のメジャーバージョンアップだ。巻末には、原著刊行後に顕在化した問題を俯瞰する新論考を付し、本書の現代性と可能性をあらためて照射する。

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なめらかな社会とその敵 ──PICSY・分人民主主義・構成的社会契約論 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    この本については、実現できるかという観点ではなく、いかに今の政治、社会、経済、生活のオルタナティブに対する示唆を与えてくれるかという観点で評価したい。一部でも現実に投射させられてしまう魅力に満ちた本。

    0
    2025年08月22日

    Posted by ブクログ

    300年後の社会を構想した本。
    「この複雑な世界を,複雑なまま生きることはできないのだろうか」という冒頭の文章に心動かされ手に取った。

    数式的な部分の理解は飛ばしてしまったが、要旨は以外2点だと受け取った。
    1.インターネットとコンピュータの発達により、複雑なものを複雑なまま受け取ることが可能にな

    0
    2025年08月11日

    Posted by ブクログ

    人工物としての社会制度があり、そこに所有の概念がついてまわる。人々は、潜在意識下であるものに対して所有の概念を持つ。身体的システム、人間と環境、たとえば市場のような社会制度を概念化。権力とは、権力があると人々が信じることから生まれる自然発生的なものであると。そこから、個人、自由意志があるわけだが、行

    0
    2024年11月03日

    Posted by ブクログ

    複雑な世界を複雑なまま生きることはいかにして可能か、という観点から、新しい貨幣・投票・社会制度の提案がされた本。
    「自由とは、与えられた選択肢の中から選択することが可能であることでは決してなく、複雑なまま生きることが可能であることをいう」という文章が印象に残った。

    0
    2024年08月23日

    Posted by ブクログ

    > 本書が挑戦するのは、膜と核という2つの社会現象がインターネットによって打ち破られるのか、もし可能だとして一体どのような方法で可能なのかという問題である。(1.2. 膜と核)

    科学的なメタファーで社会を分析するやり方自体はおもしろかったものの、シグモイド関数などはモデルではなくメタファーと

    0
    2025年06月08日

    Posted by ブクログ

    開始: 2024/7/1
    終了: 2024/7/29

    感想
    つながり。新世紀エヴァンゲリオンに描かれる人類保管計画。なぜ最後に頓挫するのか。人は痛みを覚えても、確固たる他者と向き合いたいから。

    0
    2024年07月29日

    Posted by ブクログ

    残念ながら、本著で説明する新たな貨幣モデルも選挙モデルも、その数理的論拠を理解する余裕も無ければ、魅力を感じるには至らない。個人による発行株を通貨として取引するPICSYと呼ぶ投資貨幣。従来の通貨は決済貨幣として両立させるその仕組みは面白そうではある。

    そうした社会改善のアイデアとは別に箴言のよう

    0
    2023年03月24日

    Posted by ブクログ

    複雑な世界を単純化せずに、複雑なまま生きることを可能にするために、情報技術やそれに基づく発想は何ができるかという問いを立てた上で、それにできる限り具体的なもので応えるという試みの記録と言えるだろうか。実際、具体的な提案が存在する貨幣や投票システムについてに比べると、そうしたものを欠いた後半の記述は明

    0
    2022年11月14日

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