田中元子のレビュー一覧
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前半では、自分が所有する場所を公共的な場所として提供する。あるいは自分自身が公共の場で公共的な活動をする。このようなことをマイパブリックと称して、著者自身の活動や他の人の活動などをとても楽しそうに描きます。
後半では、ベンチもない殺風景な街を嘆き、建物の一階こそオープンにして道ゆく人と何らかのコミュニケーションを行い、更には街を行き交う人のコミュニケーションを誘発するグランドレベルこそが街を活性化させると提唱します。建物の一階の人はそこが事務所であれカフェであれマイパブリックを持って貰えると楽しい街になりそうですが、70年前に制定された食品衛生法が足かせになることもあるようです。
そういえば、 -
Posted by ブクログ
《撮り溜めた何万枚もの写真を並べてみると、グランドレベルに共通する、3つの特徴が浮かび上がってくる。ひとつ目は、風景として美しいということだ。(…)ふたつ目は、ずっといたくなる感覚に包まれるということだ。(…)
3つ目は、多様なひとの存在が許されている空気感で満ちているということ。つまり、多様なひとの多様なふるまいが、ぱっと目の前を見ただけで、さまざまに広がっている。多様性がまちの風景になっている状態は、その社会が見えないところでも許容性が高くないと生まれないものであり、そのよろこびは誰でも直感的に感じられるものだと思う。》
《「パブリック」とは、知らない第三者と接触する可能性があり、多様な -
Posted by ブクログ
事務所に個人バーを作り友人らにお酒を振る舞い始めたことをきっかけに、街中へ小さな移動式屋台で繰り出してコーヒーを振る舞い始める。
この「振る舞う」という感覚が素敵。
なにか特別なことじゃなくても、自分が出来ることや興味のあることでいい。「共有」や「提供」ではない。あくまでみんなに気前よく振る舞う。おいしくカレーが出来たから誰かに食べてもらいたくて隣の人の部屋のベルを鳴らす感じだろう。
役に立つかどうか、収益を挙げられるかどうかではなく、何を他者に振る舞いたいのかというパーソナルな感覚。わくわくする感覚だと思う。
ベンチについての話題が多く取り扱われているが、東京にベンチが無い、それは人を -
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「タダでいいじゃない」
好きなことをやるんだもん、なんでもかんでも無理にお金に換算しなくていいんじゃない?
振る舞いの楽しさに目覚めたら著者の言葉や姿勢に、すごく気持ちが軽くなった。
時間もスキルも人間関係も、"マネタイズ"しなくちゃと焦ってた。「できないんじゃなくて、しないのよ」と言えればかっこいいけれど、わたしはそうじゃない。できないのに「しないといけない」と思ってた、そして追い詰められていた。
好きなことが好きじゃなくなるところだった。自分がやりたいのに「採算がとれない問題」に悩んでた。お金にならなくてもいいじゃない、好きなことがとことんできるよう働けばいい -
Posted by ブクログ
マイパブリックとグランドレベル。どちらも素敵な考え方だと思った。振る舞うこと。損得勘定なしで自分が気持ちいいからすること。なにかモノを振る舞うわけではないけれど、普段の生活の中で、なるべく気持ちよく思ってもらえるように行動することを心がけようと、この本を読んで、決めた。
今まであまり考えなかった街のこと、1階に面してる場所のこと、気にするようになった。自分の住んでる場所のグランドレベルはどうなのかなあって。わたしの小さな家も、街の景色がよくなるお手伝いがしたいから、何かできないかな。
新しい考え方に出会えたから、この本を読んで、手に取って、ほんとによかった。