井上忠司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレルーズ・ベネディクトの「菊と刀」にでてくる「恥の文化」をさらに展開させていることは評価できると思います。
クセがなく非常に読みやすくて、論理の展開も丁寧だと思います。
西洋の「近代的自我」の思想にふれていらい、我が国では「世間の目」を故意に拒否しようとする風潮が、徐々にあらわれてきたように思われる。そのさい「強い自我(エゴイズムのことではないここではしなやかな自律性みたいな意味か)」が育たないままに「世間」の人たちの「まなざし」のみを拒否しようとするならば、人びとの前には、大きな陥穽がまっていることだろう。他者に見られない限り、なにをやってもよい自由という陥穽が、である。(p.238)
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