横田順彌のレビュー一覧
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早稲田出身者を核にして集まったバンカラ集団『天狗倶楽部』を中心に据えて交遊録を纏めると、これほどまでに明治の著名人に裾野が広がるとは! と驚く一冊。
明治期に活躍した文学・芸術関係者は元より、実業家にスポーツ関係者、果ては冒険家と、「友達のルートを辿るとこことあそこに接点が!」、「この二人にはこんなエピソードが!!」とページをめくる度に詰め込まれている情報量の多さに溺れそうになりますが、読んでてとにかく面白かった!
著者の縦横無尽の調査研究による結果、縦割りジャンルの壁を越えて知識が紐付けられて見えてくるいろいろなモノ、いやぁ素晴らしい明治の研究本でした。
解説も横田先生の本をこれから掘りたい -
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横田順彌氏の明治ものをいくつか読んでみて、ノンフィクションも読んでみようと手にとった。昨年のNHK大河ドラマに登場した天狗倶楽部を研究した本。第一部は銘銘伝の形で中心メンバーを紹介している。私は、バンカラという言葉の意味を改めて認識した。、スポーツ愛好だけでなく、その後の酒盛りがものすごく、酒の上の失敗談も多く書かれていて、途中から、誰の話でもいいやと流し読みになってしまった。野球にも相撲にも興味のない私が読むべき本ではなかっのかもしれない。第二部は当時の雑誌で紹介された天狗倶楽部の活躍を、そのまま紹介。水戸から直江津までの日本横断と、野球、相撲の戦績の紹介。日本横断の方が面白かった。明治の文
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明治・大正期に一世風靡したスポーツ社交団体「天狗倶楽部」の
あらましと人物、交友関係、そして珍談・奇談を紹介。
第一章 この人々も小説家だ 第二章 痛快男子 押川春浪
第三章 ある少女小説作家の快挙! 第四章 消えた純文学作家
第五章 吉岡・窪田の共著『運動界之裏面』
第六章 漱石のユーモア 第七章 クスリはホシの『三十年後』
第八章 落っこち居士の軍人作家 第九章 杉山茂丸と頭山満
第十章 未醒と白羊の友情 第十一章 無銭冒険家列伝
第十二章 飛田穂洲の意地
各章毎に、おもな人物相関図と注有り。
天狗倶楽部主メンバー一覧有り。
明治・大正期は、時代の寵児が多く輩出した時代。
その中で -
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本作では、『幻綺行』に登場した雨宮志保と石峰省吾の二人も中村春吉の道連れとなり活躍する。時は日露戦争の終わった明治40(1907)年、日露戦争中アフリカ、北欧を旅していた一行は4月ベルリンに到着した。大使館勤務の陸軍中佐から、「露西亜の近衛軍団兵士が考古学者を伴い東蒙古に学術探検に派遣されるのだが、どうも怪しい、露西亜が何を画策しているのか調査してほしい」との依頼を受ける。引き受けた彼らは、シベリアを超え大興安嶺へと向かうこととなったが、果たしてロシアの目的は何なのか。また、向かう先には現地人が立ち入ってはならないと言う聖なる山があり、そこには黄金神像と白い巨大な守護神がいるとの言い伝えがあ
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西郷隆盛は生きていた!しかしシベリアの奥深くに囚われの身となっている。その報告を受けた明治天皇は西郷救出の勅命を下す。この極秘の任務を全うし得る人物として白羽の矢が立ったのが中村春吉だった。果たして彼は、無事西郷を救出できるのか。
木の間に脚を挟まれ動けなくなっていた虎を助けたところ、その恩返しか春吉から離れなくなってしまった「猛号」や、ひょんなことから出会った日本人などと行動を共にして、春吉は西郷が囚われているとされる監獄に向かう。”幽霊監獄”とか”骸骨監獄”といった、いかにもの名称も正に冒険小説。
どうやって警戒厳しい監獄に侵入し、警備をくぐり抜け西郷を救出するのか、いろいろな機 -
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横田順彌が無類の古書マニアというのは知らなかった。昭和のハチャメチャ・パロディSF作家というイメージしかなかったので。
横田順彌が平成になってから文芸誌に掲載していた古書ミステリ系の連作短編を、横田順彌の没後、日下三蔵が纏めて書籍化したのが本書。
作家志望のフリーライターの青年と、脱サラして街の古本屋の店主、その娘による、古書にまつわる不思議な出来事は、SF、ホラー、ミステリ、パロディ等色んな要素を盛り込んだ内容でいわゆる横順ワールド満載な作品。
時代設定もタイトルにも平成となってはいるが、キャラクターの思考も会話も、昭和の建てつけ。今読むと昭和レトロを彷彿させる。しかし古書業界や古書店の営業