川上純子のレビュー一覧
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つぎの一〇年において、これらの問題は日本にどのような結果をもたらすだろうか? 現実的にみて、日本が現在直面している問題は、一八五三年の唐突な鎖国政策の廃止や、一九四五年八月の敗戦による打撃に比べれば大したものではない。これらのトラウマから日本がみごとに回復したことを思えば、今日、もう一度日本が時代に合わなくなった価値観を捨て、意味のあるものだけを維持し、新しい時代状況に合わせて新しい価値観を取り入れること、つまり基本的価値観を選択的に再評価することは可能だという希望を私は持っている。
――本書の出版が2019年。さて10年後、本書で取り上げられた、日本、アメリカ、世界の問題はどうなっているのか。答え合わせが楽しみなような、怖いような。 -
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ネタバレジェームス・ダイソン著
技術的な記載も多く、読みごたえが有る。株を購入しようと思ったが現在公開していない模様。ナイキの本でも感じたが、とにかく実名で人をけなしている。
・子供が皆創造的な仕事についている事は誇り
・子供時代に父親を失っている英国首相は86% 米国大統領12人
・英国は製造業に対する尊敬が無い マレーシア、シンガポールに工場を移した
・最初に起こした会社は、株主に解任された 発明したものへの権利、株を持たずに失敗
・サイクロン掃除機は527個の失敗の末に作られた
紙パック無しに既存の掃除器メーカがロビー活動
裁判で紙パック無しを宣伝で謡えなくされた。
・アムウエイと共同で製品開発をしたが、コピー製品を勝手に発売してしまう。訴訟期間5年を掛けて勝訴
・コードレス掃除機 猿真似メーカが成功したことを確認してから模造品を出してきた
・ドライヤーを開発する為、男性社員を含め全員が長髪にして試験に協力
・日本法人は、若い人に任せたかったがエージェンシーが探し切れず。スコットランド人を据えた。
・ヨーロッパのロビー活動は正当な競争を除外する害でしかない
・自動車も本気で開発、EV化に向かう事がはっきりしたので断念。開発費が足りない
・コロナ禍での人工呼吸器製造PJTに参加 多大の寄付も実施した。BBCが売名行為との中傷記事を掲載 その後正式謝罪 潔い。
・農地開発にも力を注いでいる
・ダイソンインステイキュート学校を設立 奨学金で借金を負わない。週3日研究PJTに加わり、2日は勉強
ダイソンに入社する事を縛るものでは無い
寮ではなく住処。
・大会を開催し、優勝者の6割がアイデイアを商品化し成功。
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ネタバレ読み終わってから知ったけど、「銃・病原菌・鉄」の著者なんだ!!
この本はいくつかの国の危機(日本も開国と敗戦の時で取り上げられている)について、12の視点で分析したもの。
歴史、心理、政治、経済、気候などなどを複合的に学べる一冊。
そして、国や組織、個人が危機に陥った時に頭を落ち着かせて、状況を把握し、危機の原因を分析し、対応法を考えられるようになる助けにもなるかもしれない。
そして、日本への厳しい指摘はできるだけ多くの日本人に読んでほしいし、受け止めなきゃと思う。
因みに、分析軸は下記。
1.危機に陥っていることを認める
2.責任を受け入れる。被害者意識や自己憐憫、他者を責めることを避ける
3.囲いをつくる/選択的変化
4.他国からの支援
5.他国を手本として利用する
6.ナショナル・アイデンティティ
7.公正な自己評価
8.過去の国家的危機の経験
9.国家的失敗に対する忍耐
10.状況に応じた国としての柔軟性
11.国家の基本的価値
12.地政学的制約がないこと -
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ネタバレ注)感想は上巻と同じです
ジャレドさん、銃病原菌鉄に続いて2冊目。
この本では、いつくかの国に訪れた危機と、その危機にどのようにして対応したのかが描かれている。
まず、はじめに思ったのは、知らないってことは恐ろしいな、と。この本に書いてあることが、真実なのかどうか、私には確認する術がないけど、それでも、歴史について知ることは自分の考え方に幅をもたらしてくれるような気がする。
例えば、フィンランドの話し。ソ連との関係性について、その内情を知らない人から見たら、なんでそこまでソ連の機嫌を伺うような振る舞いをするのか、理解ができないことだろう。でも、それまでのソ連との関係からフィンランドの人々がどのように考えるに至ったのかを知れば、理解できるようになる。
日本についても、明治維新後の日本については、危機への対応が良かったことが書かれているが、第二次世界大戦や昨今の日本には対応の不味い点が指摘されている。特に戦後のドイツとの比較で、戦争時の過ちに対して正確な自己評価が不足している、と指摘する。ドイツは過ちを詫び、自国内でその過ちについて、きちんと教育しているが、日本ではいまだに戦時の教育ではそうした負の部分が正確に伝えられていない。わたし自身、どちらかというとこの作者の指摘通り、日本がそこまでひどいことをしていないのではないか、という幻想を抱くことがあったように思う。
歴史に学ぶことの重要性を考えさせられる本でした。 -
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ネタバレジャレドさん、銃病原菌鉄に続いて2冊目。
この本では、いつくかの国に訪れた危機と、その危機にどのようにして対応したのかが描かれている。
まず、はじめに思ったのは、知らないってことは恐ろしいな、と。この本に書いてあることが、真実なのかどうか、私には確認する術がないけど、それでも、歴史について知ることは自分の考え方に幅をもたらしてくれるような気がする。
例えば、フィンランドの話し。ソ連との関係性について、その内情を知らない人から見たら、なんでそこまでソ連の機嫌を伺うような振る舞いをするのか、理解ができないことだろう。でも、それまでのソ連との関係からフィンランドの人々がどのように考えるに至ったのかを知れば、理解できるようになる。
日本についても、明治維新後の日本については、危機への対応が良かったことが書かれているが、第二次世界大戦や昨今の日本には対応の不味い点が指摘されている。特に戦後のドイツとの比較で、戦争時の過ちに対して正確な自己評価が不足している、と指摘する。ドイツは過ちを詫び、自国内でその過ちについて、きちんと教育しているが、日本ではいまだに戦時の教育ではそうした負の部分が正確に伝えられていない。わたし自身、どちらかというとこの作者の指摘通り、日本がそこまでひどいことをしていないのではないか、という幻想を抱くことがあったように思う。
歴史に学ぶことの重要性を考えさせられる本でした。 -
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日本を含む7つの国家について、そのターニングポイントとなる歴史と特徴を、個人の危機とそれへの対応に照らし合わせて理解する。
読み始めは、なぜ個人と照らし合わせる必要があるのかやや理解不能だった。
だけど、読み進む内に理解できる。個人に生い立ち・経験等に裏打ちされた人格があるように、国家にも性格があるのだ。
それはブラックジョークやヘイトスピーチに見られるような国籍ステレオタイプ、みたいな単純なことではなくて、その国の立脚する環境(例えばどこと国境が隣接しているか)や、その国が誇らしく・或いは苦々しく思い出し、しかも広く国民が共有する歴史(特に、危機についての)によって、否応なしに刻み込まれてきたもの。
そして、これこそが本書の存在意義だと思うが、渦中にいると置かれた危機環境には気付きにくい!
日々わたしたちは、あまりに頻繁に危機感を煽られ続けている。
常に日本は変革が急務だし、深刻な問題に囲まれてて、でも他の国家も同様にいくつもの大きな問題を抱え変革を迫られているように見える。コロナ前は全人類共通の危機への実感が希薄だったし、それじゃわたしたち日本人の状況はどの程度ヤバいのかなんて認識する機会もなかったと思う。
本書の客観的事実や比較によって、日本がまさに危機、ヤバい状況らしいことが認識できる。対応すべき方向性も示唆される。
良薬口に苦い、グローバル版『シン・ニホン』といった印象。 -
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下巻は、過去のドイツとオーストラリア、現在の日本、米国、世界について書かれている。
ドイツと日本の第二次世界大戦の反省の仕方について比較されているが、なぜドイツが反省できたかについて書かれていない。第一次世界大戦ではドイツは反省できなかったので、そこが重要だと思うのに。
第二次世界大戦ではユダヤ人虐殺という明らかに悪者にできる対象がいたこと(悪いのは国としてはドイツだが、ナチスが悪で自分はそうではない、ナチスのやったことを明示して後世に活かす、と考えることができる)、フリッツ・バウアー(ドイツ系ユダヤ人の法律家)「ドイツ人はみずからを裁くべし」で「ごくふつうのドイツ人も追求の対象」にし、国民にふつうのドイツ人も自分の信条で犯罪を犯したことを白日のもとに晒したことが大きかったと思う。
一方の日本は、宣戦布告をしなかったのは非常によろしくないが、ほかは他国もやっていることをやったという認識であったろうと思う。一般国民からしたら、戦争に負けたから裁かれた、もしくは軍部に従っただけというところに落ち着いてしまう。
また、軍部から差別・虐殺された大集団はなく、戦後にバウアーのように軍部や末端まで裁こうとするものがなかった。
中国、韓国への謝罪として、田中角栄や昭和天皇、村山富市、橋本龍太郎など繰り返し行ってきたが、「反省していない」といわれると、なにをしたらいいのかと思う。著者がいうように、ひざまづいて許しを請えば納得してもらえるのか。草の根での対話をしていかないとわからないと感じた。
教育・展示については、被害者側としての教育・展示だけでなく、加害者としての教育・展示をしていく必要はあると思った。
オーストラリアについては、想像以上の白人至上主義から、思わぬ理由で路線変更されていったことをしり、とても興味深かった。
米国については、トランプ政権や2020年の大統領選挙で感じたことが書かれていた。
教師の待遇と教育水準については、他国ながら危機感を覚えた。
世界をまちうけるものとしては、背筋が凍るようなシナリオが提示されていて、見た目の穏やかさを真に受けてはいけないと感じた。だからといって、なにかできるかというと難しいが。
歴史書を書くことについて、「今日ほど字の読める人が多い時代はない」というのは確かにそう。「歴史から学びやすい時代である」ことを活かさなくていはいけない。 -
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「国家的危機の帰結にかかわる要因」の12項目を、第1次世界大戦や第2次世界大戦当時のフィンランド、明治維新の日本などに当てはめて、どう対処していったかを検証している。
フィンランドの例を読んでいてとても辛かった。他国の支援がない中で、多大な犠牲を発生させながらも、よく生き残ったと思う。
危機を世論が認識して合意するということが大事であるが、とても難しい。
現在の日本が、まだ直面はしていない国家存亡の危機に際したとき、あるいはその気配を感じたときに、どうなるかは心配でいっぱい。
世論が自分ごととして考え、行動できるか、政府や首長が世論をまとめられるか。少なくともそのとき、対立を煽って人気だけ得ようとしているリーダーがいないようにしておかないといけない。 -
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危機に対してどう対処したのか?を上巻では個人、国としてはフィンランド、日本、チリ、インドネシアを挙げて物語としている。
気になったのは、やはり「日本」で、鎖国からペリー来航による危機に当時の日本人たちがどう対処したのか。そして、そこから領土拡大に向けてとった舵取り…
脅威に対して、各国に優秀な人材を送り込まれて学んだリーダーたちだったか、そう言う経験をしなかったリーダーたちだったか。
「公正な自国評価を行うための知識や能力に違い」とな。
外圧に対しての対処は良かったが、たかだか20年くらいで領土拡大の流れになって、第二次世界大戦の敗戦まで…
歴史物は、書いた人の主観が強く出るから読後感は色々有りそうだけど、近代日本史に興味がなかった自分としてはなかなか面白く読めた。
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原題は「Turning Points for Nations in Crisis」。大きな転換点としての「危機」(危ないことによるきっかけ、機会)に対して、近代国家がどのような決断をし対処してきたか、著者が長期に渡って住んだり現地語による直接的な体験を通ずるなりして理解の深い世界の七か国(フィンランド、日本、チリ、インドネシア、ドイツ、オーストラリア、アメリカ)での事例をあげて比較論的に叙述している。
上巻は個人的な危機を叙述した第1章から始まり、国家的危機としては第2章から順にフィンランド、明治日本、チリ、インドネシアの例を挙げる。危機の要因としてもいくつかあり、他国からの圧力(フィンランド、明治日本)、国内政治の激変(チリ、インドネシア)、ゆっくり進行した変化による危機(ドイツ、オーストラリア)などのタイプがある。