村上宣寛のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
「性格はどこまで遺伝で決まるか」「自由意志は存在するか」「記憶力は鍛えられるか」「暴力的映像は暴力を引き起こすか」―これらの問題に意味のある答えを出すには、哲学や日常的実感では力不足。
科学としてのアプローチが必要なのだ。
インチキ、俗説、疑似科学を退けて本物の心理学のあり方を提示しつつ、今、心理学がどこまで到達しているのかを平易に紹介。
心理学、最初の一冊。
[ 目次 ]
第1章 心理学とは
第2章 人柄は遺伝で決まるか
第3章 人間は賢いか
第4章 意識の謎
第5章 記憶は確かか
第6章 人と人の間で
第7章 異常な世界へ
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆ -
Posted by ブクログ
心理学は科学であり高度な統計的解析による根拠が必要である、を前提に信憑性のあるなしを断じます。
対象は「遺伝」「動物の認知能力」「自由意志」「記憶」「人間関係」「臨床心理学」です。
遺伝の影響力の大きさや、幼児でも記憶がしっかりある点など、そうだったのか!な発見が多かったですね。
トラウマは抑圧されないので、胡散臭いカウンセラーや宗教に飛び込む前に「記憶」の章を、うつ病の方は病院行く前に「臨床心理学」の章を読まれる事を強く勧めます。
著者を含め、学者が言ってるからと鵜呑みにせず根拠を確認する癖が大事という戒めになりました。
心理学の本なのに著者の性格の悪さが所々顔を出しているのは皮肉ですね(笑 -
Posted by ブクログ
内容は、本や論文はどこまで正しいかという副題の通り。
ダイエット、健康、仕事など現代の関心の高いテーマについて様々な本や論文を分析する。
著者の本は、以前に心理テストの信憑性について論じた本を読んだことがある。この本もその系統で、世の中には信憑性の無い理論や似非科学が蔓延しているかをメタ分析を使って紹介する。
例えば巷にはダイエット本が溢れているが、その中でも近年一般化したのが炭水化物ダイエットで、自分の周りでも多くの人が実践している。原始時代の食生活に範をとって、ダイエットの効果を説明をする本もあるが、論理が破綻しているので、内容を鵜呑みにするのは間違いの元となる。やや過激な説明も多いが、著 -
Posted by ブクログ
ボーリング氏の「知能とは知能テストで測ったもの」という定義に妙に納得する。
日本では知能検査がタブー視されがちなのか出回る情報は多くない。本書はIQに関する数々の検査や最新研究が掲載されている。
IQは何と相関するのか、学術的な検証の歴史は興味深い。19~20世紀はゴルトンに代表されるような優生論や遺伝説が有力だったが、測定法の問題を指摘し、相関係数から必ずしもそうとも言えない点を論述している。
本書自体に主義主張があるわけではなく「こんな見解もあるがこんな見解もあるよ」的な紹介ではあるものの、最新動向(2007年)を日本語で読めるのは貴重だ。 -
Posted by ブクログ
<目次>
第1部 真実を知るためには
第1章 科学の営み
第2章 研究の価値は何で決まるか
第3章 何が判断を歪めるか
第2部 どこまで本当なのか
第4章 なぜダイエットは難しいのか
第5章 健康で長生きするには
第6章 仕事での間違った思い込み
第7章 幸福になるには
付録 メタ分析とは
<内容>
「科学」はどのように解析されていくのか?それは研究成果を論文で発表し、それを他の人が再度再現実験をおこない、同じような結果が出るからだ。このやり方(ランダム化比較試験)をメタ分析という統計技法で(これは付録にあるが、読んでもよくわからなかったが…)まとめた論文 -
Posted by ブクログ
著者のかなり辛辣で直截的な物言いは、自信の表れなんだろうな、と思う。曖昧なところが無い書きぶりなので、内容はとてもわかりやすい。
世間一般で語られている俗説をひっくり返していくところなんかは「はー」「へー」の連続だったけれど、「自由意思」のところはどうなんだろう。
あの実験とあの解釈で、自由意思云々が語れるもんなのだろうか。そこはちょっと疑問に感じた。
あと思うのが、結局のところ「実験室での人間の振る舞い」なんだよなあということ。
非日常的な空間で、なんかよくわからん他人が自分を観察している状況。そこでの振る舞いは、はたして一般化できるもんなんだろうか?
などなど、いろいろ考えさせられ