あざむかれる知性  ──本や論文はどこまで正しいか

あざむかれる知性  ──本や論文はどこまで正しいか

ビジネス・実用
858円 (税込)

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3.6

一般的に信じられている知識の多くはゴミであり、有害だ。一方、星の数ほどある実証科学の研究も、その質はピンからキリまで。本当に頼れる知識は、数百、数千の研究から質の高い研究のみを抜粋して、メタ分析等の統計的分析を行ったシステマティック・レビューである。さあ、これでもあなたは常識と思い込みにしたがって人生を送りますか?

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  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    社会・政治 / 社会学
  • 出版社
    :
    筑摩書房
  • 掲載誌・レーベル
    :
    ちくま新書
  • タイトル
    :
    あざむかれる知性  ──本や論文はどこまで正しいか
  • タイトルID
    :
    358616
  • 電子版発売日
    :
    2016年02月12日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    7MB

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あざむかれる知性  ──本や論文はどこまで正しいか のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    複数の論文を統合するメタ分析の手法を用いた研究を紹介している。諸説が入り乱れる食事や健康の分野についても、結論が出ているものが多いようだ。

    scienceの語源は、ラテン語のscientia(知識)、その起源はギリシャ語のskhizein(分割する)。現象を分割すると数量化が可能になり、伝達が可能になる。すなわち、科学の特徴は、検証可能性と言える。

    アーチポルド・コクランは、1972年に根拠に基づく医療(EBM)を提案し、1993年には、ひとつのテーマに関する広範な文献を重みづけを用いた統計的手続き(メタ分析)で要約して全体的結論(システマティック・レビュー)を出すコクラン共同計画を開始した。

    日本人の食事摂取基準のエネルギー比は、タンパク質が9〜20%、脂質が20〜25%、炭水化物が50〜70%で、スポーツ選手でも、国によっても大きく違わない。炭水化物制限ダイエットや高タンパク質ダイエットは、総摂取カロリーを統制した通常のバランスダイエットと効果に違いはない。炭水化物制限ダイエットの死亡率は1.3倍になっている(ただし、後ろ向き追跡の調査で、優位水準にも達していない)。食品別では、野菜や果実、乳製品で減量の効果が認められ、精製した小麦粉、砂糖、ジャガイモ、加工肉と赤身の肉で体重が増えている(ただし、総摂取カロリーは統制されていない)。

    死亡率が最も低いBMIは、高年齢になるほど高くなる。アメリカ人では25〜26、日本人では23前後が最も低い。ランニング程度の運動を行うと、死亡率が3割ほど減少する。肉の摂取量については、4つの研究で摂取量が少ないほど寿命が長くなったが、2つの研究では差がなかった。コーヒーを飲む量が1日8杯までの人は死亡率が低い(ただし、因果関係は証明されていない)。アルコール量は、1日30g(ビール中ビン1本、酒やワインで1合)までは寿命延長効果がある。睡眠は7時間が死亡リスクが最も低い。性格では、良識性が高いと死亡率が低いが、他の性格では差がない。

    幸福感は、健康状態、婚姻状態、就業状態との関係が大きいことを示す研究が多いようだ。自然との関わりも効果が大きい。

    メタ分析は結果のみを統合するものであり、論文の取捨選択という恣意的な余地もあるが、個人の医師などが書いた本よりは信頼性は高いだろう。特に、健康に関する研究については、死亡率といった客観的な数字で分析できるので説得力はある。

    0
    2018年10月31日

    Posted by ブクログ

    怪しげな健康食品が溢れているが,効果に対して正確な検証がなされているかどうかに疑問を持っていたが,本書は適格な回答書だ.盲検化されたランダム化比較試験で有意差があることを証明できることの重要性をマスコミに周知させる必要がある.ビッグファイブと呼ばれる 外向性,協調性,良識性,情緒安定性,知的好奇心のうちどの要素が優位かという第6章「仕事での間違った思い込み」は楽しめた.最後の(p160),「面接の妥当性は低いので,人を見て選ぶより,見ないで選ぶほうが合理的である」は至言だ.またp126の「長寿を保証する魔法のような食べ物や,特別な薬物は存在しない.無意味で非科学的な健康情報に振り回されないようにしたい」も大事な言葉だ.

    0
    2016年06月08日

    Posted by ブクログ

    類似のテーマの、異なる調査結果を統合する方法があるということを、この本から知ることができた。
    それを、メタ分析と呼ぶのだそうだ。
    本文の中ではどういう手法なのかの説明がなく、いらいらしながら最後まで読んだ。
    そうしたら、最後に付録としてその説明があった…。ちょっと脱力。

    効果的なダイエット方法についての研究を検討すると、まず摂取カロリーの総量についてのコントロールがなく、その方法が効いているのか、摂取カロリー量が効いているか弁別できない研究が多いとのこと。
    RIASECで知られる職業興味調査の妥当性係数を検証した研究によると、この調査はほとんど無意味という結論になるらしい。
    なかなかショッキングな話だった。
    主観的な幸福感についての検証も面白い。
    最も効果量が大きいのが健康だそうだ。
    セリグマンのポジティブ心理学への批判も出ていた。
    これはやっぱりそうだったか、という感じだったが、データを示されて納得できた。

    0
    2016年01月26日

    Posted by ブクログ

    ごく最近のメタ研究を見て、いろいろ批判する、って感じ。村上先生はおもしろいなあ。ポジティブ心理学の検討のところはいくつか論文ひろってみたい。

    0
    2021年01月05日

    Posted by ブクログ

    内容は、本や論文はどこまで正しいかという副題の通り。
    ダイエット、健康、仕事など現代の関心の高いテーマについて様々な本や論文を分析する。
    著者の本は、以前に心理テストの信憑性について論じた本を読んだことがある。この本もその系統で、世の中には信憑性の無い理論や似非科学が蔓延しているかをメタ分析を使って紹介する。
    例えば巷にはダイエット本が溢れているが、その中でも近年一般化したのが炭水化物ダイエットで、自分の周りでも多くの人が実践している。原始時代の食生活に範をとって、ダイエットの効果を説明をする本もあるが、論理が破綻しているので、内容を鵜呑みにするのは間違いの元となる。やや過激な説明も多いが、著者の分析は一般人の感覚からも的を得ていると思う。
    残念だったのは、様々な事象をデータを使って検証しているが、新書としては少し詰め込み過ぎの印象がある。欲を言えば、新書ではなく単行本で出して欲しかった。タイトルもいま一つかも。

    0
    2018年02月08日

    Posted by ブクログ

    いわゆる、エビデンスをどう読むか、
    文系にも分かるように書かれている。
    例としてあがっているダイエットの
    ウソホントも面白い。

    0
    2016年02月16日

    Posted by ブクログ

    <目次>
    第1部  真実を知るためには
     第1章  科学の営み
     第2章  研究の価値は何で決まるか
     第3章  何が判断を歪めるか
    第2部  どこまで本当なのか
     第4章  なぜダイエットは難しいのか
     第5章  健康で長生きするには
     第6章  仕事での間違った思い込み
     第7章  幸福になるには
    付録   メタ分析とは

    <内容>
    「科学」はどのように解析されていくのか?それは研究成果を論文で発表し、それを他の人が再度再現実験をおこない、同じような結果が出るからだ。このやり方(ランダム化比較試験)をメタ分析という統計技法で(これは付録にあるが、読んでもよくわからなかったが…)まとめた論文=システマチック・レビュー、これを読めば、その成果の信憑性がかなりわかるらしい。著者は「心理学」系の専門家だが、興味もあり様々な分野のシステマチック・レビューを読み、今話題の事柄を分析して見せた。
    結果は、ほとんどが「クロ」。つまり、研究として信憑性に欠けるもの。ダイエットも健康も投資も幸福論も…。ダイエットは比較的強度な運動を続けること。それは健康で長寿にもつながり、ビジネス書の理論はほぼ「思い込み」。幸福論もしかり。この分野はきちんとした研究もないようだ(出版バイアスや確証バイアスがかかった研究だった)。理系はともかく、文系(社会科学)の研究は、なかなか難しいようだ…。 

    0
    2016年01月05日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    心理学の研究者である筆者がダイエット、健康、ビジネス、投資、幸福感などさまざまな分野のシステマティックレビューを読んでまとめたもの。

    要点をまとめると以下のような感じ。

    因果関係の研究には実験群と実験群との比較の対象群(何もない)を置く必要がある
    質のいい論文は二重盲検ランダム化比較実験のシステマティックレビュー。
    肥満の原因としては総カロリーの現象以外は大きい違いは見えにくい。食べる時間(例えば朝ご飯は食べたほうがいい)やスピード(ゆっくり食べたほうがいい)というのは相関関係であって因果関係ではない可能性が高い。
    最強のダイエットはレコーディングダイエット+適度な運動ぐらいしかない。
    健康になるためには果物と野菜を積極的に食べる。煙草を吸わない。お酒は少々、心身ともに活発に行動する。
    仕事のできる人間は一般知能+良識性(自己管理能力に相当するもの)が高い人間。採用面接はあまり意味がない。
    幸福感は遺伝、収入、雇用状態、健康、教育、自然とのかかわり、宗教などが関係している。いわゆるポジティブシンキング系のことは相関関係と因果関係の読み間違いなことが多い。

    研究者が書いているため、全体として難しい。
    統計データモデルが感覚的に理解はしにくいところがある。
    各章の最後にまとめがあるので、そこをしっかり読み込み、それ以外はわかる部分のみ拾えばいいかも。

    0
    2017年07月03日

あざむかれる知性  ──本や論文はどこまで正しいか の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    社会・政治 / 社会学
  • 出版社
    :
    筑摩書房
  • 掲載誌・レーベル
    :
    ちくま新書
  • タイトル
    :
    あざむかれる知性  ──本や論文はどこまで正しいか
  • タイトルID
    :
    358616
  • 電子版発売日
    :
    2016年02月12日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    7MB

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