川嶋みどりのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
著者 川嶋みどりさんは、戦後から長年に渡って看護師として、看護のあり方や看護についての研究、専門職として看護師の立場、待遇の改善、そして後進の育成に携わってこられた方。
看護について、その意味や実践的な方法まで、そして現代医療の問題点についても知ることができる手軽にして貴重な書。
ナイチンゲールの言葉が各章の扉や本文中でも多く取り上げられています。
その中の一つ「自己犠牲を伴わない献身こそ真の奉仕」との言葉がありました。ナイチンゲールの偉大さに感じ入るとともにこの言葉が実現されるよう、そうした社会システムを構築できれば、本当によい社会になるのだと思いました。
書名の「看護」という文字にと -
Posted by ブクログ
すごく読みやすく、1日もかからずに読み切れる本。川嶋みどりさんという92歳の現役看護師が、看護について、日常と絡めながら紐解いている本。
日々当たり前に行っている習慣が、私たちを形作っている。その当たり前が病や事故によって侵されると、人はストレスを感じ、生命力を維持することが難しくなる。人には本来、病気から治ろうとする力、つまり免疫力が備わっており、看護は、患者の生命、生活に焦点を当て、生命の消耗を最小限にするための環境を整える視点が大切である。そして実際に皮膚と皮膚の触れ合いを大切にしたケアを提供することが、相手の心に触れるケアとなることを学んだ。 -
Posted by ブクログ
看護師歴60年の著者が、看護とは何かについて、エッセイのような語り口で述べた本。
読後感としては、ほんわかした、あったかい、気持ちいい感じ。この本自体が人をほんのり幸せにする文体で書かれている。
看護とは、人間らしく生きられるように、サポートすることなのだと思った。
息をすること、食べること、排泄、体をきれいにすることなど、普段の生活では当たり前で、できなくなったときに初めて気づく。
すべてを機械頼りにするのではなく、患者さんの様子をよく見て、経験を積んで、患者さんに適した対応をする。
それが、一番難しいこと。
対人援助職として、さらりと読めてとてもいい本だと思う。