相原孝夫のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
人事・組織コンサルタントによる本。職場は理屈だけでは動かない。感情によって生産性も働く人達の充実度も大きく変わる。そんなことを数々の事例(良いも悪いも)や研究を挙げながら説明している。
非常に分かりやすい。新たな気付きを得るというより、自分や自分が今いる組織はどうかと改めて考えさせてくれる。例えば今いる職場で発生している問題点(ストレス、長時間労働)の根本原因は何か、解決するにはどうすれば良く、その取り組みが失敗した事例の背景など。自分はどう考えるべきかが深掘りできた気がする。
具体的に『こうすれば良い』などという回答例はなく、組織の数と人の数だけ方法論はある。 -
Posted by ブクログ
「評価」は明確基準により客観的に表すことができるようになった指標だが、どこまでいっても基準に落とし込めず主観による判断がなされる余地が残る。これが「評判」である。
日本では強すぎる自己アピールが忌避される「恥の文化」であるため、第三者である周りの人たちの声が評判を形作る。この際に用いられる情報は初めはとても小さなものなのに、人づてに拡散される。
そこで、
・自分自身への信頼感や有能感をもつ
・まわりから「できる人」だと思われることが重要
・よい評判により強化ループ
・感じが悪い=「自意識過剰」「口だけ(評論家)
」のよからぬギャップを避ける。ネガティブ発言もだめ
・逆に感じが良い=「他社 -
Posted by ブクログ
◯上機嫌に振る舞うことは社会人としてのマナーともいえる。(60p)
◯労働とは当然行うこととして、目の前にあることにまじめに取り組むことがまず基本となろう。そうした点をなおざりにしたまま、仕事にやりがいや喜びを見出すとか、仕事を通して自己実現を図るといったことを目指すことに問題はないのだろうか。(137p)
◯辛くて当たり前、すぐには意味が分からなくて当たり前なのだ。労働自体、生涯を通して行っていく長期的な営みである。人は働くことを続けて、それぞれ自分なりに「働く意味」をつかむ。(172p)
★働くことの意味を教えてくれる良い本である。問うのではなく答える。求めるのではなく与える。利己で -
Posted by ブクログ
会社、組織に属して働くということがどういうことなのか。著者が人事コンサルタントとしての経験から得た思いを述べている。評価・業績は報酬で報いたら良いが、組織での地位は徳・評判が重要であるということ。本書は会社組織での事例について述べてあるが、人間が働くということは人間社会の中で働くのだから、ここの書かれていることは会社だけでなく通じることのように感じた。日々のプロセスを大事にして、属している組織の中で必要とされる人間になることが評判を高めることとなり、それを無視して外部に向けての自分のキャリアを形成することばかり考えていては、組織の中で働く実力は付いていかないということか。