なんだなんだなんだ! この世界には狂人しかいないのか?!
まともな人間ってどういう人のことを言うのかわからなくなってしまうような狂気の世界。いや、今わたしたちが生きているこの世界がそうなりかけているからこそ、正常な状態がわからなくなってしまっているのかもしれない。そんな気づきたくない事実に気づかせてくれる恐ろしい作品です。
私はメルカリ的なフリマサイトを使ったことがない古い人間なのでわかっていない部分もあるんだけど、実際にどんな使われ方したのかわからないような中古?品、なかには使いかけの化粧品とかも本当に出品されているようだ。私だったら絶対に買わないけど、それこそどんな用途を目的としているのかわからないが、買う人が一定数いるから出品されているわけでございますでしょ? それがもう怖い。こんな私の感覚って昭和の頑固オヤジ並に古臭いカビの生えたものなんだろうか。出品者、購入者それぞれが異常者だと言いたいんじゃなくて、なんの疑問も抱かずに物品のやりとりができるのが逆にすごいと思ってる。……もちろん褒めているわけではないです。
それにメルカリユーザーの全員をそのように思っているわけではないですよ。転売ヤーが横行しているのもあってあまりいいイメージを持っていないのは事実ですが……。
まぁこの物語で起こっているような深刻な事態になると思ってはいないけど、自分と近しい関係の人がもしかしたら自室から持ち去ったものを人知れず売買しているっていうのはまったくあり得ない話とも言えないし、そういう可能性を示唆したという点で著者の恐ろしい着眼点が垣間見える。いやマジで実際に行われてるんじゃないの? そういうリアルさがありますよ……。
そんな薄ら寒いストーリーのなかで劇中に出てくる配信者「奇撮隊(きさつたい)」は我々に清涼感ある爽やかな風を送ってくれた。あんな空気のなかでもこのネーミングには笑ってしまった。やるじゃん。
しかし残念ながらその結末にはまったく笑えなかったけど……。
この本を読んだ後にフリマサイトをご利用する際は十分にご注意くださいね。