テアフォンハルボウのレビュー一覧

  • 新訳 メトロポリス
    管理社会に反抗する民衆の姿を通して描く社会風刺だったり、同名映画の先進性や後の作品に与えた影響の大きさからSF要素に目が向く作品ですが、私はこれを親子の物語として捉えました。世代交代を描いたお話だと強く感じるのです。親離れをしようとする息子と、自分が築き上げてきたものに疑問を感じ、未来を次の世代に託...続きを読む
  • 新訳 メトロポリス
    恋人を愛する。
    親を愛する。
    子供を愛する。
    隣人を愛する。

    様々な愛の形の物語だと思う。
  • 新訳 メトロポリス
    1927年のドイツ映画、メトロポリスの小説版。といっても単なるノベライズではなく、当時の監督が同時に発表した、いわゆるメディアミックスの走りみたいなものである。
     未来都市メトロポリス(のちの各種SFの一見未来都市だけど実はディストピア都市の原型)にて、支配者の息子を主人公に、ホワイトカラーと労働者...続きを読む
  • 新訳 メトロポリス
    機械化された社会でトップに君臨するフレーデルセン親子だが、息子のフレーダーが偶然見かけた女性マリアと恋に落ちる。その後何が起こったかよくわからないが都市が崩壊し、フレーダーは父親のヨーの宿命の相手、ロートヴァングと対決する。見事勝ったフレーダーとマリアは結ばれ、ヨーも人間らしい心を取り戻す。

    この...続きを読む
  • 新訳 メトロポリス
    本作を土台とした、芝居を観賞した記録として。

    超都市メトロポリスを舞台に、地の底で機械のように働く人々と、それを支配する立場の人間。やがて、機械人間に煽り立てられた労働者たちが暴徒化していく。

    最初のうちは労働者と支配階級を描いた社会派の話に思えたが、徐々に主人公の心の内の葛藤を描いた隠喩のよう...続きを読む
  • 新訳 メトロポリス
    映画のイメージが先行するせいか、全体に古いモノクロームの無声映画を見ているかのような印象だ。ドラクロワの「民衆を率いる自由の女神」を彷彿とさせるシーンや、手に汗握る活劇風の場面が繰りひろげられることなども一層映像的な感覚を醸成しているのだろう。物語世界は、その全編が終始一貫して人工の光に照らされた「...続きを読む
  • 新訳 メトロポリス
    映画版はサイレント特有のオーバーアクトのせいで、ややコミカルだったけど、この小説版は宗教色が濃く深淵な感じ。誰か今これをリメイクしてくれないかなー
  • 新訳 メトロポリス
    古典SFだそうです。ドイツの女流作家の手によるもので、当時その夫の映画監督によって映画にもなりました。いずれも名作だとか。私は本屋で偶然この本を見つけるまで知りませんでした。
    作品は機械に支配され行く私たちの生産活動の当時から見た未来を描いているような印象がありますが、作者曰く現実の世界がモデルでは...続きを読む