下條信輔のレビュー一覧
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すごいの一言でレビューが終われるくらいすごい。
156p
全体を通してのことだが、
認知とは、記憶とは「どうやら脳内だけで完結するものではない」という主張がこのページできれいにまとめられている。
173p
「痛みとは何か」という問いかけが深い。そしてぐっさりと奥まで刺さる。
さかさメガネで明ら...続きを読むPosted by ブクログ -
ヒトには、信じたいこと、望んでいることを確認したい欲求がある。人々の大半は、自分が平均以上に知能が高く、平均以上に公平であり、平均以下の偏見しかもたないと思っている。
「誰でも自分が優れている(まともである)という証拠を欲しがっている、はじめからそういう証拠だけを探し、それに反する証拠に出会っ...続きを読むPosted by ブクログ -
下條先生がCalTechに言ってしまう前に、最終講義がわりにこの本の読書会を開いたって覚えがある。なにか一生懸命質問したはずだが、覚えてない。当時、下條先生がディスカッションするときの「3つ質問があります」というスタイルを真似ることに夢中でした。Posted by ブクログ
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面白い。
人の行動が潜在的な、本人にとって無意識の認知過程に大きな影響を受けていることを、心理学史上の様々な実験を紹介しながら解き明かしていく。
密閉したビルの中でネズミを飼うと、ある程度まで増えた後、性的不能な個体や子殺し、同性愛などが多発し、場合によっては個体数が減少することもある。
言うま...続きを読むPosted by ブクログ -
<目次>
0.私の中の見知らぬ私―講義に先立って
1.自分はもうひとりの他人である―自己と他者の社会認知心理学
2.悲しいのはどうしてか?―情動と帰属理論
3.もうひとりの私―分割脳と「自己」
4.否認する患者たち―脳損傷の症例から
5.忘れたが覚えている―記憶障害と潜在記憶
6.見え...続きを読むPosted by ブクログ -
<目次>
0.脳と心の全体像
1.錯誤とは何か
2.脳の「来歴」―錯誤から浮き彫りにされるもの
3.心とからだと他者―連動する脳と世界
4.意識と無意識のありか―心の全体像
5.人間観と倫理Posted by ブクログ -
大学で心理学部に入ってすぐ読み、心理学に興味を持たせてくれた一冊。
実験・生理心理学の入門には最適。読み終わった後は、抽象的な人間のこころとは何なのかが少し理解できるようになるはず。Posted by ブクログ -
人は自分のことをよく知っているようで知っていない。
自由とは何なのか、前提となっている自由意思とはなんなのかというアンチテーゼが非常におもしろかった。
認知過程の潜在性・自働性がテーマ。
序 私の中の見知らぬ私-講議に先立って
この本では心的過程の潜在性というドグマの根拠と妥当性を検討する。
科学...続きを読むPosted by ブクログ -
この著者である,下條先生はすごい人だと思う.一見,単純な実験で,ここまで革新的に「意識」に対して切り込んでいける洞察力,見習いたいものだと思う.Posted by ブクログ
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人間の意思決定の自由というものは、近年の心理学、脳科学等の研究により、だんだんと怪しくなってきているようである。潜在的に、自動的に外界の情報を処理しており、自分が決断したということも、無意識が決断した結果を追認しているだけのような場合があるようだ。閾値下の自分(無意識)と閾値上の自分(意識)。この比...続きを読むPosted by ブクログ
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「人は自分で思っているほど、自分の心の動きをわかってはいない」というテーマ通り、まだ人間の心と行動についてはわかってないことが多いんだなというのが正直な感想。「〜と言われている」など断定しない表現が多かったのが印象的。
最近からくりサーカスを読んだばかりだったので、人間の意思決定が環境や遺伝子によ...続きを読むPosted by ブクログ -
大学1回生の時に、面白くて唯一出席し続けた一般教養科目の参考図書です。
卒業以来かれこれだいぶ経ちましたが、改めて読んでみたら、難しいですね。Posted by ブクログ -
意識を孤立した脳のなかの出来事としてとらえるのではなく、脳と身体と環境との密接なつながりのなかでとらえるべきだという考え方を示した本です。
著者は、意識を孤立した脳の中の出来事とする立場では、錯誤や意志といったものを取り逃がしてしまうことを、具体的な事例を通して説明しています。さらに最終章では、向...続きを読むPosted by ブクログ -
読者の興味を引く実験を多数紹介しながら、無意識のうちに生じている認知過程についての研究を、分かりやすく解説している本です。また最終章では、著者の考える「潜在的人間観」が、現代の「自由」と「責任」の概念に投げかけている、哲学的な問いについても考察が展開されています。
とにかくおもしろく読める本です。...続きを読むPosted by ブクログ -
名著再読。容易に他者がコントロールしうる「自由意志」のあやふやさ、危うさを指摘したこの本の内容も、新しい常識として広まりつつある。しかし操作する側の手法もどんどん巧妙化している。「人をどう操作するか」という視点で読んでも面白いと感じた。Posted by ブクログ
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心理学初心者にはちょっと辛かった。「大学の講義を本にした」と著者。その通りとおもった。読み返して実験、目的、得られる教訓・考え方などをまとめておきたいと思う。Posted by ブクログ
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自分の事を決めるのは自分だし、認知の過程も自覚できると思っていたが、本書を読むうちに自信がなくなってきた。
元々は、「自分で自分の気持ちをより適確に把握したい」との思いで読み始めたのだが、結局それは無理じゃないかという結論に至ってしまいそうである。(そして、ラストの第9講でハッとさせられる。)
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今や心理学にも文化系・工科系・社会学系・医学系と幅広くに行きわっている。
言葉の意味するところや表現とか集うとか伝達するとか意思疎通するとか・・・
意識無意識にかかわらずに、意志の決定はあらゆる方面につながっている。
哲学や神学や物理学が垣根を越えてお互いの分野に通じて行かないと理解不能にな...続きを読むPosted by ブクログ