北川知子のレビュー一覧

  • 逆境に生きる子たち トラウマと回復の心理学
    大きな傷を負ってしまった人やその家族に合う本。大変な思いをしている時はこんな上手くいく訳ない…なんて思う部分もあったが、時間が経ってみると大切なことがしっかり書かれていたと感じる。自分たちの持っている力を信じ粘り強く、時にはストレスから距離をとり自分たちを守り、1人で抱えず相談し、健康やストレス対策...続きを読む
  • 道徳感情論
    何とも言えない満足感が得られる書籍でした。ただ中身が非常に濃いので(ページ数も700ページほどある)、正直最初の方の議論がほとんど頭から抜けつつあり、なんとか時間を見つけて2度目に挑戦したいと思います。

    冒頭にノーベル経済学賞受賞者でもあるアマルティア・センの序文がありますが、これだけでもお金を取...続きを読む
  • 道徳感情論
    他人の喜びに共感しない者は、礼節が欠けているだけかもしれないが、
    他人の苦しみや悲しみに共感しない者は、不人情として軽蔑の対象となる。
    しかしながら、相手と完全に感情が一致することはない。
    相手の苦しみや悲しみを少しでも和らげてあげたいと思えば十分である。
    誰もが胸の中に住む中立な観察者(良心)と対...続きを読む
  • 海の地政学 海軍提督が語る歴史と戦略

    地政学とは

    50年来のミリオタで、道具・兵器マニアだが、「戦略」というものを意識し出したのは、30才くらいから。その戦略策定の重要なファクターに、「地政」があり、「地政学」という学問があることは、40才くらいから知ってはいたが、関連書籍を手に取ったのは初めてなのだ。
    星五つなのはそのせいもあるが、やはり著者の...続きを読む
  • 逆境に生きる子たち トラウマと回復の心理学
    貧困や虐待、家庭の問題など複雑で深刻な生育環境の中で非常に健康で健全な成長を遂げ、優秀な成績を収め人格も立派で努力家…という人が一定の割合で現れ、彼らは「レジリエントな人」と呼ばれる。虐待について少し学ぶとレジリエンスを身につけることがその人の人生をよりよくすることに役立つ、とテキストなどによく書い...続きを読む
  • 帝国の参謀 アンドリュー・マーシャルと米国の軍事戦略
    [その思考,星条旗を支えて]40年以上にわたって米国防総省のネットアセスメント室長を務めたアンドリュー・マーシャルの働きと,その期間における米国の国防戦略をまとめた作品。「ペンタゴンのヨーダ」とも称された人物の頭の中に深く入り込む話題作です。著者は,自身もマーシャルの下で働いた経験を有するアンドリュ...続きを読む
  • 情熱教室のふたり
    学力格差とたたかう学校「KIPP」の物語というサブタイトルに惹かれてこの本を手に取りました。実際いい内容の1冊です。「KIPP」の授業を実際に見てみたくなりました。映画化してほしい作品です。
  • 海の地政学 海軍提督が語る歴史と戦略
     NATO軍最高司令官を務めたことのある著者が、豊富な経験と深い知識により世界の7つの海について語ってくれる。
    世界史が個別の国の歴史ではなく、7つの海それぞれの単位で語られると、違う角度から世界史を見ることになりとても勉強になった。全ての海に実際に行ってそこで仕事をしている経験に基づいているので、...続きを読む
  • 逆境に生きる子たち トラウマと回復の心理学
    このような本は世にたくさんあるが、この本の良いところは各章の表題になぞらえた実話の数々である。この実話があることで、本来受けたことのない境遇は理解できずに理論だけ読み進めることになってしまう読者を、きちんと境遇を追体験しながら読み深めることができた。体系だってまとまっている本とは言えないものの、子供...続きを読む
  • 逆境に生きる子たち トラウマと回復の心理学
    臨床心理士の筆者による様々なレジリエントの事例。
    みんな悩み苦しんでいる。社会に適応するということは周りに助けを自ら求めにいくことでもある。愛情を受け取ると人は成長し幸せになることができる。両親だけではなく、親戚、パートナー、友人、先輩、上司多岐にわたるそれら全て自分にとってポジティブな効果をもたら...続きを読む
  • 逆境に生きる子たち トラウマと回復の心理学
    様々な劣悪な環境に逃げ出したくなる。
    実際逃げ場はなく、スーパーノーマルという鎧を身につける過程に驚嘆。
    世の中には沢山の逆境に生きる子どもたちがいるのだなぁ。



    巻末解説より(香山リカ)

    レジリエンス(打たれ強さ、抵抗力)

    スーパーノーマルはマイナスを大幅なプラスにまで持っていける人

    ...続きを読む
  • 海の地政学 海軍提督が語る歴史と戦略
    覇権国家振り返り記的な。
    歴史経済政治地理の観点から、海戦とその背景を知ることができる。地政学の面白さは、この歴史と地形的優劣がかみ合わさることにあると思う。

    筆者の引用のうまさにも驚かされる。シェイクスピア、テンペストからの引用で始まることからわかるように、文学的要素も楽しめる。また軍司令部にい...続きを読む
  • 海の地政学 海軍提督が語る歴史と戦略
    オーソドックスな海の地政学。
    著者がアメリカ海軍の船乗りであったために、重要拠点となる港や海洋の経験による描写が良いので、学者の資料至上主義のアプローチとは異なり、ちょっとした旅行気分も味わえる。
  • 帝国の参謀 アンドリュー・マーシャルと米国の軍事戦略
    『暗流』>『乱流』からの流れで読んだ。
    「ペンタゴンのヨーダ」「冷戦のラストウォリアー」
    確かに、『ゲームチェンジャー』『概念を生み出すもの』『指針を提供するもの』だな。
    勿論、彼のシンの功績は『機密保護の壁』で全貌がわからんのだが(何処まで、彼の提供した者が実際の製作に繁栄されたのかいまいちわから...続きを読む
  • 道徳感情論
    国富論に並ぶアダム・スミスの主著。

    「道徳感情論」と「国富論」前提となる人間観が、共感的か、エゴイスティックかということで矛盾しているみたいに言われることもあるが、「道徳感情論」の初版は、「国富論」出版前だが、「道徳感情論」の第6版は、「国富論」の出版後に出ていることから、アダム・スミスとして、こ...続きを読む
  • 経済指標のウソ 世界を動かす数字のデタラメな真実
    原題が正しく、The Leading Indicators: A short history of the numbers that rule our world.
    経済統計の歴史で、欠乏の時代に作られた、GDPや失業率は現代の先進国にはマッチしていない。また、ITをきちんと使っているわけではなく、...続きを読む
  • 経済指標のウソ 世界を動かす数字のデタラメな真実
    経済指標の歴史と限界がよく分かる。

    それにしても日本語のタイトルは詐欺に近い。
    The Leading Indicators --- A Short History of the Numbers that Rule Our World が原題なのだが。
    真の姿を写していないからウソというのはなんだ...続きを読む
  • 帝国の参謀 アンドリュー・マーシャルと米国の軍事戦略
    機密に触れるのでかけないという面はあるのだろうが、結局ネットアセスメントとは何で何がすごいのかわかりにくい。彼は真実をわかっていたが政治で負けて通らなかったなどという記述が多いのも気になる。しかし本筋に関係ない部分を含め、興味深い未知の世界はいくつかあった。
  • 帝国の参謀 アンドリュー・マーシャルと米国の軍事戦略
    すごいんだろうなと思うが、よくわからなかった。コアな部分は書かれていないのか? ソ連と戦う戦力を得る方向性は必要だが、どのような戦力を準備すればソ連が防衛費過多に陥るかを分析した視点は面白い。
  • 道徳感情論
    人間は、他の人のことを心に懸けずにはいられない。“経済学の父”が、『国富論』に先立って構想した、「共感」原理に基づく道徳哲学を読み解く書籍。

    私たちは、他人が悲しんでいると自分も悲しくなる。
    それは想像力の働きによって、自分の身を他人の身に置き換えて考えるからだ。想像こそが、他人を思いやる気持ちの...続きを読む