北川知子のレビュー一覧
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ネタバレ人間は、他の人のことを心に懸けずにはいられない。“経済学の父”が、『国富論』に先立って構想した、「共感」原理に基づく道徳哲学を読み解く書籍。
私たちは、他人が悲しんでいると自分も悲しくなる。
それは想像力の働きによって、自分の身を他人の身に置き換えて考えるからだ。想像こそが、他人を思いやる気持ちの源である。
私たちは、友人に喜びよりも悲しみをわかってもらいたいと願う。
不幸な人は、共感が得られたら悲嘆を引き受けてもらったと感じる。この時、相手は悲しみを分かち合ったと言える。
私たちは自分の富を誇示し、貧しさを隠そうとする。それは、人間が悲しみよりも喜びに共感する傾向があるからだ。
栄達 -
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コスト強要戦略で旧ソ連を崩壊に導き、「ペンタゴンのヨーダ」と呼ばれた男、アンドリュー・マーシャル。1940年代以降のマーシャルの知の軌跡を辿り、国家安全保障と国防戦略に対する考え方の中核となる発想や構想に迫る。
ONA(Office of Net Assessment
軍事に限らず、より総合的な視点から正確な分析・評価を国防長官に提供してきた。ONAを世に知らしめたのは冷戦時代のソ連経済に関する評価だ。当時CIAは一貫してソ連の経済力を過大評価していた。マーシャルは早くから統計経済学などを駆使してソ連経済の脆弱(ぜいじゃく)性を主張し続けた。彼の分析の正確さは90年代のソ連崩壊が証明した。ソ連 -
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本書は、アメリカ国防総省のネットアセスメント室長として長年アメリカの軍事戦略の根本を担い続け、そのキラ星が如くの弟子?を生み出してきたことから、「ペンタゴンのヨーダ」と呼ばれた男の生涯の実績を綴ったものである。
著者も長年「ヨーダ」とともに仕事をしてきた弟子?である。
原題は"THE LAST WARRIOR"(最後の戦士)。
ただ、本書のスタンスとして、最初の「著者の言葉」では「単なる伝記ではなく、彼の知の歴史を辿ること」とある割には、しょっぱなから延々と彼の歩んできた道が羅列されているだけであり、アメリカ国防に関する機密事項のためか彼の「知の歴史」ともいうべき肝心要の -
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米国がいかに戦争を勝ってきたか、その影の立役者の人物について語られる。戦争に勝つための多大な調査や分析、技術開発などを紹介している。人類というのは、生き残ることにかけては必死で、戦争を通じてさまざまな技術を産んできた。核技術だけではなく、組織の運営、オペレーション・リサーチ、統計学の発展など、昨今のビジネス書で解説されるものが、戦争のために産まれ、戦争のために利用されていることが分かる。冷戦中に、爆撃機を配備して、ソ連に高コストの防空体制を構築させたこと。米国は低予算で相手に大きな負担をさせることを目論むところなど、攻撃兵器を防衛手段にしたり、SDI構想(いわゆるスターウォーズ計画)が自国を守
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