東京大学史料編纂所のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
東京大学史料編纂所(『大日本古文書』(家わけ文書)、や『大日本史料』などを翻刻・刊行)の42人の研究者が、具体的に自らの専門テーマに絡めた史料批判・解釈の過程をふまえて史料編纂の仕事内容を紹介した一冊である。
中身は、
1章 「文書を読む、ということ」(史料編纂書の仕事など)
2章 「海を越えて」(グローバル・ヒストリーからの視点)
3章 「雲の上にも諸事ありき」(最近流行の朝廷・天皇側の研究)
4章 「武芸ばかりが道にはあらず」(武士の実情)
5章 「村の声、町の声を聞く」(村方・町方史料からの視点)
という歴史学の主要な視点を各章ごとに設けられている。私のように歴史学を専門にした人間であれば、最近の研究動向を踏まえて読み進めることで理解しやすい。
しかし、新書という体裁をとっている割に専門外の人には不親切なように感じた。
もし分かりにくいのであれば、まず岩波や講談社の通史を読んだ上で本書を読むことをおすすめする。
個人的には、4章にある荘園領主と地頭の所領をめぐる裁判の様相や、5章にある主張する百姓(水本邦彦先生以来の自立する村落)などのような地方(じかた)に関する事例が興味深い。