片岡耕平のレビュー一覧

  • 穢れと神国の中世

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    「穢れ」とはどういうモノなのかについて考察してる本。

    「穢れ」とされている内容は日本各地であるていど”共通”しているが、これはどのような結果生まれたのだろうという疑問を、当時の人々がどういう状況を「穢れ」としていたのか、「穢れ」が生じた時どのような反応、対策をしていたのかについて考察している内容。

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    2020年01月01日
  • 穢れと神国の中世

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    日本史では切っても切り離せない穢れ思想。
    そもそも、穢れの話をするなら、まずはその対極にある清浄なるものはどういうことなのか。そこから始まったのでとても読みやすかった。
    中世の事案を通して展開されて行くのですが、いわゆる年表にのるような事件などの裏側では(むしろ、そここそが日常だが)どのような対応がなされていたのか、ということを探ることができます。

    いわゆる鎌倉時代の朝幕関係における、穢れという価値観から見る関係性の変化。
    やはり、承久の乱というのは、この点においても、前後で変化があったことを学びました。

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    2014年02月17日
  • 穢れと神国の中世

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    穢の中心が天皇ではなくて神もしくは神域(寺)であることを明らかにしている前半はとても分かりやすかった。天皇があくまでも神官であり、穢れる対象は神である、というのは中世史の他の本でも誤解しているものが多いように思う。天皇の相対化は中世日本の一大特徴でもあるので、その意味でもクリアなロジックに説得された感じを受けた。
     後半は日本人の中における穢への対処方法を通じて、東西日本ではなく、日本と外延部との境界が形成されていくことを明らかにしている。特に、穢多と呼ばれる人々が、自らを「外来の因習に染まって穢れた」とする通念に注目している。これは面白いけど更なる議論の余地ありか。
    中世における三国が震旦天

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    2013年04月08日