ロバートジャクソンベネットのレビュー一覧
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#記銘師ディンの事件録 木に殺された男
ファンタジー世界におけるミステリは、その世界観が矛盾なく確立していないと、謎解きに説得力がなくなる危険性がある。でも本作にその心配は杞憂。骨太のダークファンタジーの舞台が用意されている。
そこに性格破綻した安楽椅子探偵と、完璧な記憶力を持ちながら、陰のある助手が活躍する王道のバディ小説の風格。
SF・ファンタジー好き×ミステリ好き×バディものが好きな自分にとっては、この上ないご馳走様なのだ。
本国では2作目が刊行済みでこの夏には3作目も発売予定。全5部作の予定とのことで、生きる楽しみが増えた。
#読書好きな人と繋がりたい -
Posted by ブクログ
面白い。大当たり!
『ハイ・ファンタジー』+『サイバー・パンク』+『シャーロック・ホームズ』+『ゴジラ』(なんだこのバカっぽい煽り文句は)
でも面白い!
神聖カナム大帝国は、雨季になると東の海から姿を現す巨獣リヴァイアサンに悩まされている。辺境の町ダレタナで政府高官が不可解な死を遂げた。司法省捜査官助手になったばかりで、見たもの全てを記憶できる“記銘師”のディンは、変人の上司アナと共に捜査に乗り出すが…。
入念に創り込まれた『ハイ・ファンタジー』の世界観。独自の技術で“生体改変”された人々が、中世ヨーロッパ風のダークな異世界で捜査し、戦い、暗躍する。SF小説やダーク・ファンタジー好きにはう -
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一応はミステリに分類したけれど、ファンタジーあるいはSFにも分類できそう。舞台は、神聖カナム帝国の辺境。雨期になると、東の海から巨獣リヴァイアサンが上陸を試みてくる。それを防ぐために帝国は三重の環状防壁を築き、さらに海岸線近くに臨海防壁を築いていた。そして人と資源を軍団につぎ込んで国を守っていた。このへんの設定は、『進撃の巨人』を思わせる。もしかすると、作者は読んでいたのかもしれない。
そして、上陸を阻止した巨獣の死体から流れ出した血がしみ込んだ土地からは、変異した植物が生えてきた。これらの植物の不思議な力を利用して、動植物を<生体改変>している。これは人間にも応用されている。主人公ディ -
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ネタバレ今年のベストがもう決まってしまった。
本当に出会えて幸せな一冊。
とにかく面白い!アナとディンのキャラクターも最高だし、世界観も唯一無二でダークファンタジーを兼ね備えているミステリなのがめちゃくちゃ贅沢。
ディンが自分の秘密をアナに明かすところは泣いてしまった。なぜだか自分が救われたような気持ちになる。
訳者のあとがきを読んでびっくり!
アメリカでは去年続編が一冊でており、今年も一冊刊行予定とか。
しかも現時点で五部作の予定らしい
早く読みたくて仕方ない
もはやアメリカ人になりたい
英語の小説を読めない自分を殴りたくなってしまう
最高の小説! -
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ネタバレ毎年、雨季になると巨獣・リヴァイアサンに侵攻を受ける神聖カナム大帝国。巨獣の撃退に多大な犠牲を払いながらも、まさにその巨獣由来の成分を用いた人体改造で超人を作り出したり、様々な動植物を改変することで生活の質を向上させたりと、薄氷の上といえども長らく文明を維持してきたその帝国で、リヴァイアサンの襲来と時期を重ねるようにして奇妙な連続殺人が起きる──といった筋立ての、ファンタジーであり、SFであり、作品世界がよく作り込まれたミステリ小説。
世界設定は当初は難解に感じられたけれど、登場人物が生き生きとしているからかすぐに物語に没入することができた。
主役のディンとアナはそれぞれのキャラクターも、ふ -
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ネタバレアメリカの作家、ロバート・ジャクソン・ベネットのファンタジーミステリ。世界幻想文学大賞とヒューゴー賞を受賞し、MWA最終候補というとんでもない作品。
神聖カナム大帝国の辺境の州で、政府の高官が体の中から樹に食い破られて死亡する事件が発生する。完全記憶能力を持つ記銘師のディンは、上司で変人のアナと調査を開始するが…
間違いなく今年度ベスト級の作品。名だたる賞の受賞も納得の作品。
読みやすさもさることながら、ストーリー展開やミステリ的な意外性もしっかりしていて、のめり込んでしまった。
特殊能力や海からやってくるリヴァイアサンなど、ファンタジーの材料でもあるが、それらをしっかりと推理に活用してい -
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家から出ない安楽椅子探偵が、助手を現場に派遣して事件の全容をつかみ、最後に関係者全員を集めて謎解きをする、殺人ミステリの王道を行くスタイルなのだが、表紙カバーのイラストが無気味で、ホラーか何かと勘違いされて敬遠されてしまいそうだ。ミステリ好きの読者はどうか安心して読まれるがいい。とんでもなく面白いことは保証する。
しかし、ただのミステリではない。まず、移動は馬、通信手段は鳩ならぬ「伝書鷹」、武器は腰に下げた剣という、西欧中世あたりを思わせる、神聖カナム大帝国辺境地帯が舞台。そう聞くと歴史小説みたいだが、雨季になるとリヴァイアサンという巨獣が深海から浮上し、帝国東部に幾重にも巡らした堡塁を襲う -
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むっちゃおもしろかった。〈ゴジラ的な巨獣が年に一度襲ってくるので、それに対抗するため、能力の改変が行われている帝国〉という世界の作り込みがすごいのと、その中で記憶する能力を極限まで高めた「記銘師」ディンが、体からいきなり樹が生えてきて死ぬというわけのわからんグロい事件の捜査に突っこまれて、あたふたしながらすごい才能を発揮していく姿が痛快。
能力の改変を受けて「記銘師」になっているのだから「才能を発揮」するのは当たり前かもしれないけど、ディスレクシアであることをひた隠しにしていたりして、ちょっとしたデコボコがあるところがいい。上司のアナも天才的な安楽椅子探偵みたいな人でクセ強。ホームズというより -
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超★5 海の巨獣に襲われる帝国、木に殺された男の謎… 重量級の幻想ミステリ #記銘師ディンの事件録
■あらすじ
舞台は神聖カナム大帝国、海に面したこの国が恐れているのは、海の巨獣リヴァイアサン。この災厄に対抗するために、人々は身体能力を改良する特殊能力を得ていた。
ある日、地方豪族の邸宅で高官の死体が発見される。彼は体から巨大な木を生やした姿で亡くなっていた。記銘師ディンと捜査官アナは、この奇妙な事件の捜査を始めるが…
■きっと読みたくなるレビュー
超★5 おもろい! 重量級の幻想ミステリー、今年必読の一冊ですね。
カテゴリ分けするとファンタジー、SF寄りになっちゃうと思うけど、謎解き -
Posted by ブクログ
ネタバレ凄く飲み込みやすい設定、分かりやすくて読みやすい翻訳、こんな楽しいファンタジー小説を買った自分を褒めたい!表紙みた感じもっと堅い感じやと思ってたのに読んだ瞬間にこれは……ってなる。今年1番面白かった!じわじわ捜査が進み、事件の全容が明かされる楽しさプラス、世界設定がどんどん馴染んでくる楽しさもあって最初から最後まで飽きることない。仕事で疲れて1ページしか読めない時でも楽しかった。この本のおかげでこの数週間仕事頑張れましたね。
ファンタジーミステリーものでこれに似た感じの特殊な世界設定、迫り来る脅威なんかは折れた竜骨を思い出しました。
主人公と探偵、他のキャラクター造形がほんと素晴らしい。 -
Posted by ブクログ
ロバート・ジャクソン・ベネットの『記銘師ディンの事件録』は、ファンタジーとミステリとSFを融合させた独創的な作品であり、その魅力は何よりも圧倒的な世界観にある。雨季になると海から巨大な怪獣が襲来するという過酷な環境の中で、人々は生体改変技術によって適応し、独自の生態系と社会を築いている。この“環境そのものが物語を動かす”構造が非常に新鮮で印象的だった。
中でも、天才的な推理力を持つアナの存在は際立っている。冷徹な論理で事件を解き明かしながらも、真実への強い執着を感じさせるその姿は非常に魅力的で、物語の核を担っている。一方、語り手であるディンもまた印象深い。完璧な記憶力という特殊能力を持つ観測