どうしてもスマホばかり見てしまう夜。
世の中はあらゆる情報であふれかえっていて、
心が少しだけ疲れてしまう日。
うすいはるかさんの紡ぐ言葉は、
そんな世界から一歩身を引いて、
静かにこちらを見つめているように感じる。
この本から滲み出るのは「ひとりぼっち」だ。
でもそれは決して「孤独」ではない。
自分から望んで手に入れた、
すこやかなひとりぼっち。
『すこやかなひとりぼっちの守り方』うすいはるか
うすいはるかさんの文章は、
Xをやっていた頃、ふとタイムラインに流れてきた。
賑やかすぎて、ときには鬱陶しくも感じる
情報の洪水のなかで、
そこだけが台風の目みたいに静かだった。
心がすっと穏やかになった。
わけもなく、涙が出そうになった。
こんな素敵な文章を書くのは、
どんな人なんだろう。
そう思って、ずっと追いかけていました。
そんな言葉たちが、まさか書籍になるなんて……!
しかもイラストは、大好きなカシワイさん。
こんなにも相性のいい組み合わせがあるだろうか。
✧
言葉とは声で、声とは息だ。
本の成分には風が含まれる。
どこへでも、どこまでも届く。
ときには過去へ、あるいは未来へ。
今は流すようにしか読まなかった言葉が、
老女となった私をふいに救うこともあるだろう。(P112)
……そう、そうなのだ。
ぼんやりと思っていたことを、
ストンと言葉にしてくれる。
押しつけがましくなく、
他人の意見を拒むこともない。
自分を大切にできる人は、
きっと他者のことも大切にできる。
そういう人は、
たとえ結婚しなくても、子どもがいなくても、
自然とまわりに人が集まるような、
かわいいおばあちゃんになるのだろう。
心が疲れてしまった日に、
お守りみたいに読み返したい。
宝物のような言葉たち。