平石さなぎのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
宗教二世の意志というのはあるのだろうか?と疑問に思う。
子どもがいちばん最初に触れるのが母親であり、育つに従いその影響は大きいと思う。
だが、知らぬ間に親と距離が生まれる…それはとても悲しいこと。
気がつけば宗教施設で育ち、創父の生まれ変わり=降り子として信徒から崇拝されていた小学4年の瘉知が、転校生の渡来クミと出会ってから距離を縮めていく話である。
クミと出会うことで、知らなかった世界を知る瘉知だが、彼女は神聖な身体を持つ者として、食事や他者との触れ合いを制限されていた。
それは信じられないほど厳しいもので…。
思いっきり母と触れ合いたいし、気軽に喋りたいし、いろんな食べ物を食べたいということができない辛さはとても考えられないのだが…。
彼女に自由はないのだろうか。
ずっと2人でチャリで好きに突っ走ってほしいと思った。
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Posted by ブクログ
宗教とは何なのだろう、神様とはどのような存在なのだろう、人を苦悩から救うものであるのではないのだろうか。
この小説を読んで今までも疑問に思っていたがより疑問は深まった。
信じる者こそ救われる、信じる人を否定する気はない、信じて幸せになれればそれでいい。
この小説に出てくる神様は、神様が幸せではない。
こんな宗教があるとしたら、そんな宗教で人が救われることはない。
誰も真に幸せにはなれない。
神様は形の無いもの、それぞれの心の中にあるものでいいのではないだろうか。
誰かを不幸にして自分だけ救われる宗教なんてありえない。
癒知とクミが自分のためだけに生きる大人になることを願わずにはいられない。
とっても思い物語だった。 -
Posted by ブクログ
よかった、とてもよかった。
ラストで涙が出たのは、かわいそうだとか二人の友情だとかではなく、この先どうしたって厳しい現実が待っていると思うんだけれど、それを彼女たちもわかっているんだけれど、二人が自分と相手を信じて「今」を切り開こうとしているような、、うまく言葉にできないけれど、そんなふうに感じて胸がいっぱいになったんだと思う。
癒知の母親は、彼女の世界で娘を愛しているんだと思う。癒知も母親と同じ信仰心なら伝わったんだろうな。
環境がちがっても、母親への気持ちは二人とも同じなんだよね。
どうにか報われて欲しいけれど、、むずかしそうで切ない。
不信感や不快感は感じるけれど、ギリギリのところで、宗教を批判するストーリーが中心にならなくて、なので二人に集中して読めた。わたしはそこがとてもよかったと思う。
このあとどうなるのか気になるラストもよかった。
癒知もクミも、わたしの頭のなかに生き生きと浮かんでいた。
こんなに子ども目線で書ける作者さん、すごい。次の作品もたのしみ!
それにしても世話役森田くん、ある意味すばらしい「世話役」だった!
けれど、団体の幹部候補生としては問題だろうな〜彼のその後も気になるわー -
Posted by ブクログ
あさきょさんの本棚から
宗教二世問題を子ども目線で描いている。
小学生であっても生まれながらにして宗教の教祖としての役割を背負わされるということ自体が、人権侵害だと思うけれど…
実際こういったケースはあるのだろうな。
宗教施設の中ではその宗教のルールだけが真理であって、国の法律を超えたものなのになってしまうという現実。
闇だな…
そんな中で、クミが癒知を救うために必死に動く姿が素晴らしい。
私だったら絶対諦めてしまうだろう。
宗教二世問題について考える時、なぜ逃げなかったのかという発想になりがち。でも現実は決して逃げることなどできず、彼らにその意識すら芽生えないようにされているということを改めて認識した。
人は病気や不安な時程宗教などに救いを求めてしまうけれど、その時の判断は冷静ではないからこそ、間違えやすいという現実も、しっかりと胸に留めたい。
私はといえば、若い頃不安の塊で生きていたのに、食べ物を変えたら脳天気な毎日だ。
みんなもっとタンパク質を摂ればいいのに。
彼女達のその後はどうなったのだろうか…と気になる終わり方だったけれど、きっと道は拓かれたと信じたい。
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Posted by ブクログ
身体がゆるやかに大人へと移ろいゆく子どもたちの季節が、大人の為にオトナにならざるを得ない日々になってしまっては絶対にいけないと、そのことを強く思いながら読みました。出来ることにも行ける距離にも限りがある中で、手が届くものへ危なっかしい不器用な全力で突き進めるのは、あの頃の私たちも持っていた未熟さ唯一の特権と言ってよいはずです。大人になれば戻ることも、そこにあった宝物に触れることも出来ず、ただ惜しい気持ちを抱えるしかしようの無い子供時代だからこそ、この瞬間の彼ら彼女らには、今はまだ《「ちゃんと漕ごうって思わんでええねんで」111p》という愛情で包んだ言葉を私たちは手渡してあげるべきなのだと思います。
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Posted by ブクログ
ネタバレ全てを失ったとしても、手にしたいもの。
それは一体なんだろうか。
そもそも全てを失うという選択肢を選べるだろうか、そう考えてしまった。
クミが引っ越してこなければ癒知と出会うことはなかった。クミの母が宗教団体に入ろうとも思わなかった。けれど、クミが引っ越してきたから癒知は救われた。希望を得た。
クミは一歩踏み出す勇気を得た。
人生に正解なんて無い。一つの決断は、誰かから見たら間違ってるかもしれないけど、
当人たちからしたら最善の選択肢。
すごく大事な決断を幼くして選んだ彼女たちは強い。
個人的には森田の存在が気になる。
癒知の味方に見えるが…
なぜ彼は宗教団体に入ろうと思ったのか、
なぜ宗教に関する論文を書いたのか。
バックグラウンドが気になった。