庭山一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
いい意味で期待外れの本でした。
斜めから撮った分厚い本の写真がドンと載った広告といい、タイトルの「儲けの科学」といい、第一章の「製品が語りかけてくる」のオカルトっぽさといい、胡散臭いなあ、と思いながら読み始めましたが、中身は正統派で骨太なBtoBマーケティングの話でした。
ゴールデンウィークに読もうと思って買い込んだビジネス本の中では一番有益でした。特に製造業の人がBtoBマーケティングを包括的に学びたいときにはピッタリだと思います。
本書は、マーケティングオーケストレーションについて書かれた初めての書籍、とのことです。
マーケティングと営業(セールス)とは前工程と後工程の関係にあり、マーケティング部門は営業部門をリスペクトしなければならないとしきりに強調されています。
その他、研究・開発・生産などものづくり部門も含めたアラインメントの重要性、マーケティングのKGIである「受注」と相関のある指標(サンプル供給など)をKPIとして定義すること、全社的なデータ収集と整理によるハイジーンデータの必要性などが述べられています。
これらの課題に立ち向かうためには、全社的なマーケティングの責任者(CMO)を置き、CEOの経営戦略をマーケティング戦略に「編曲」することが必要とのことです。
本書では、上記のようなオーケストレーションだけではなく、BtoBでマーケティングを考えるうえで必要な基本的な知識が一通り得られる仕上がりになっています。DoVと呼ばれているバリュープロポジション、STP、4Pのほか、PPM、アンゾフのマトリクス、ホールプロダクトなどの基礎知識が含まれています。
さらにデマンドセンターやインサイドセールスの位置づけ、Account based marketing(ABM)とアカウントセールスの違い、代理店活用(PRM)まで紹介されています。
BtoBマーケティングの現在地がよく分かる一冊でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ以下、重要事項メモ。
マーケティング = 売れる仕組みをつくること。
企業の目的 = 収益をあげる → マーケティング戦略は経営戦略の中でも極めて重要。
マーケティングの4P
Product
Price
Place
Promotion
マスマーケティング
テレビは高額だが、情報を伝えたいターゲット一人当たりにおける単価は安い。
一般消費財のようにターゲットを特定できない商品には効果的。
3つのブランド
・企業ブランド
・製品ブランド
・ソリューションブランド
企業の最も重要な資源は、顧客情報
企業が存続できるか否かをきめるのは、市場と顧客
マーケティングの基本戦略
BtoC
カスタマークリエーション
カスタマーリテンション
BtoB
リードジェネレーション
リードナーチャリング&クオリフィケーション
リードトゥオーダー
リピート&クロスセリング
4c
Customer value
Cost
Convenience
Communication
STP
セグメンテーション
ニーズをセグメントする
ターゲティング
フォーカスするターゲットを決める
Swot使う
ポジショニング
セグメンテーション
切り口を決める。属性からor行動から
ニッチマーケットは、入り口は小さく、なかは以外に広く豊か
マーケティングはサイエンス
B to C
客数×客単価
B to C
受注数 × 案件単価
プロダクトポートフォリオマネジメント
成長市場にいるだけで、とりあえずおーけー!
ソリューション形と非ソリューション形
なにで儲ける、どこで儲ける
RFM 分析 大切にすべき優良顧客を分析する手法のスタンダード
営業の役に立たないマーケティングに存在価値はない -
Posted by ブクログ
#庭山ABM
今までのマーケティングは営業と上手く協力できていなく、結果として売り上げに大きな貢献ができなかった。その問題を解決する為の新たなマーケティングの潮流がABM(Account Based Marketing)であり、それをとても分かり易く説明したのが本書だ。
冒頭から現状のマーケティングの問題を矢継ぎ早に挙げるので、マーケティング門外漢の私などは、よく今までそんなことにコストを掛けていたものだと思いつつ読み進めた。しかし、それは経営者の思いをマーケティングとして進めていたものの、営業がその結果を受け取って活用していなかったことが分かる。そこで営業(あるいは代理店)が望むMQLを渡す為にはどうすれば良いか、を丁重に論じているので読み進む。先ずは社内にある名刺情報を統合管理することで、既存の取引先に新たな商品を売る切り口を作成する。そして、営業が新規開拓を望むターゲットアカウントから個人情報を取得する効果的はプランを作り、取得した後はコンテンツで引きつけて新規開拓の糸口を作る。ここで重要な役割を果たすのがデマンドセンターであり、そこでのデータマネジメント、名寄せや企業属性情報の付与など正確に整理することはもちろんのこと、ダイナミックに変化する状態も重要とのことだ。
ITの世界でも迅速な開発とリリースの為にDevOpsという手法がある。これは開発者と運用者が情報共有をして連携を図り、かつ自動化を推進する。ABMにもMAは欠かせないとされている。情報共有と連携、そして自動化はこれからのビジネスの基本形なのだな。ちなみに、今までマーケティングの本は何冊か読んだことがありますが、マーケティングはこんなことしているのか、何か大変そうだけど(少なくとも零細企業には)効果はあまり無さそうというのが正直な感想でしたが、この考え方であれば、弊社でも(まぁ、素人のまねごとになりますが)試みたいと思いました。 -
Posted by ブクログ
マーケティングオートメーションをその歴史から振り返り紹介するもその効果は使い方しだいとして、日本におけるマーケィングの置かれたお寒い状況を経緯から説明し、デマンドジェネレーションの重要性を説き、そのプロセスを丁重に分かり易くと解説してます。事例も豊富で、これからの日本のマーケティングの展望を描くとても勉強になるな書です。
「デマンドジェネレーションはリードジェネレーション、データマネジメント、リードナーチャリング、リードクオリフィケーションの四つのプロセスから成り立ち、、、」等と聞いても頭の中をカタカナと?マークが飛び交ってなかなかぴんと来ませんでしたが、分かり易い説明とシステムを使うという前提が功を奏したのかやっとわかってきた気がしました。
それにしても、展示会で名刺交換しただけで、即電話やアポイントメールが来ることが多いのは、まだまだ日本のマーケティングが未成熟ってことなんですね。 -
Posted by ブクログ
日本のB2Bマーケッター古参の庭山一郎氏による著書。B2Bの歴史的変遷や海外(主に米国)と比較した日本企業の実態を知ることが出来、なかなか興味深い。セオドア・レビット氏の「ドリルを買いにきた人が欲しいのはドリルではなく穴である」という話はなるほどと思わせる。経営戦略を頂点としたマーケティング戦略含めたハーモニーが重要というのは説得力がある。
内容は面白いのだが、500ページ弱の2/3を使って日本企業のB2Bマーケティングの遅れを指摘する話なので、であれば第4部の実践的テーマをもう少し充実して欲しかったところ。特に旧シリウス・ディシジョンズ社のデマンドウォーターフォールモデルや第14章のパートナーシップリレーションマネジメントは馴染みのない話だったので実務家としての話をもう少し詳しく聞きたかった。P275の採用広告からオフィス移転しそうな企業を探す話といった生の事例がもっと読みたい。
あとBGCのPPMがGEと共同開発になってたり、護送船団方式の事例に自動車があったり、IEやOKRの後日譚まではなかったり、やや正確性に欠ける部分は気になる。とはいえB2Bマーケティング黎明期からプレイヤーとして市場に参加し、外資系企業を中心の顧客を持つ著者ならではの話は生きた事例で面白い。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ正しい知識がない故に不幸に陥るケースは後をたたない。「B2Bマーケティング」でも同様である。自分にとって関係ないと断じる前に一度開いて欲しい本である。
世界における日本のB2Bマーケティングの状況、日本企業というか日本の産業が苦境に立つ理由、デマンドセンターの重要性(日本ではあまり重要視されていなかったが実は大事)、戦争における戦略・戦術のおさらい、B2Bマーケティングに従事している人なら知っていてあたりまえのこと、等々をうまい感じにまとめた本である。
正直言うと「この本自分にあってないのでは?」と思って読み始めたのだが実にぴったりはまった。グラフィックレコーディングおよびその界隈のしごとは実はB2Bになることが多いとは思っていたのだが、MAとかは夢のまた夢と諦めていたというのもある。
ところがどっこい、著者の庭山一郎さんはやはり基本に忠実、本質を打ち出すのが得意、かつご自身が「正しい」と思ったことは譲らないという性格のおかげでビビビッとくるところが多数ある。内容というよりも著者に惚れたって感じかも。
なるほど自分のビジネスが苦境に立たされている理由がここにあるのか!と膝をうつこと多数だったのだが、中小企業、大企業問わず経営をしている人なら一度は読むべきであろう。マーケティングの正しい認識を持てるのは素晴らしいと思う。