更地郊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ読書系のyoutubeで進められているのを見て購入。随分前に読み終わったのに、忙しさにかまけて感想を書けずに放ってあった。残っている印象としては、仕事でうまくいかず東京から実家へと戻っていく主人公の心持ちを描いているのだけれど、とてもわずかな心の動きを丁寧に面白く書いている。
落胆とおかしみとか寂しさとかモヤモヤとした思いが落ち着いた声のトーンで伝わってきて、面白く読んだ。小さいけれど大切な感情の揺れを描写している、という感じ。ビットコインで使いきれないほどの大金を手にしてしまい、人生を持て余して逆にきつい状況にある友人の話など、すごく丁寧に人生の充実と裏寂しさの機微を見つめている作品だった -
Posted by ブクログ
ネタバレへんなの、と思いながら読んだ。面白い。
東京の何もかもがあって何も無い絶望感と主人公の空虚さがマッチしていて引き込まれた。
「まだ若いからなんでも出来るね」と言われましても僕たちは既に疲れている。
そう言ってくる大人の方がよっぽどエネルギーに溢れているように見える。
SNSのせいなのか時代のせいなのか原因は分からないけど、とにかく僕らは疲れている。
この小説の登場人物も皆、若いがそれぞれ疲れている。
主人公より若い学生も疲れている。
モラトリアムを打破するような大きなイベントでは無く、当たり障りのない、可もなく不可もない出会いやコミュニケーションの方がよっぽど自分たちを癒してくれるのかもしれ -
Posted by ブクログ
忍とのサイゼでの会食場面から始まる、地元に戻る"都落ち"までの日常。こういった社会人以降も続く閉鎖的な友人関係に憧れる。
ストリートファイターを大学時代からの共通トピックとしているものの、その他日常で巻き起こる騒動やら周辺人物との関わりもどこか温かみを感じる。こういったやり取りをして、それを最後に東京を離れる哀愁も、最後になる忍との別れも、その後の主人公・野中の生活も気になるところ。
文章としては読みやすいのに、破綻しないレベルでギャグやユーモアが散りばめられていて、作者の名前然り町田康のような趣がある。
状況は芳しくないものの、生命をなんとか維持して復活・更生したような -
Posted by ブクログ
東京の西の方に住む、鬱からの無職男野中と、その腐れ縁の友人忍。忍は内圧の分散と言って野中に毎月十万を送り、通信ゲームを一緒にプレイするように言った。
そんな生活を送っているうちに、父親の病状悪化を機に、これで俺も都落ちか、と九州に帰ることにする野中。しかし帰る前、灰色の日常の中に異変が飛び込んでくる。
最後までくだらない。めちゃくちゃドラマチックでもない。けれど灰色に少し色味が加わったような、そんな読後感。
ゲームを通じた腐れ縁、ベタベタに仲良いわけじゃないけれど、とりとめのないくだらない話変な話が出来る気のおけない関係の野中と忍。
底辺青春小説とは言うけれど、眩しかないけど羨ましい。 -
Posted by ブクログ
第49回すばる文学賞受賞作品の本書を私が読みたいと思ったのは、金原ひとみさんと岸本佐知子さんの選評に興味を惹かれたからであり、特に岸本さんに関しては、海外の作品ではなく日本のそれを推しているのが、また珍しいなと思ったことも大きかった。
物語の印象として、岸本さんのエッセイに書かれているような奇妙ながらもクスッと笑えてしまう感覚があり、それは一見、意味不明ながらも読んでいく内に「なるほど」と腑に落ちるタイトルや、『あり得ない』と思える部分と『あり得るかも』の狭間に佇む絶妙さが魅力のエピソードに潜まれた、くだらなさの中にも漂う人間味が魅力となっている。
旧友で雇用主の「忍」(27歳)の存 -
Posted by ブクログ
都落ち択って何⁉︎っと思って
本を開いたら
久々に読んでいて笑ってしまうし、
その中で微かな青春も感じ取れる
不思議な本でした。
メンタルを病み、落ち込んでいた主人公に
スト6の練習に付き合ったら10万円
くれると話す友人。
こんなストーリー初めてで読む手が止まらなかった。
そんな中で主人公が地元に帰る(都落ち)までに
起きる謎の事件とそれに対しての
主人公の行動は想像の斜め上を超えていて
笑えた。
今度からメルカリで呪物的なのを
見てしまったらこの本を思い出すかもしれない。
そして主人公と友人の友情もよかった。
こんなふうにしょうもないことで笑ったりできる
友人欲しいね。