あらすじ
第49回すばる文学賞受賞作。異形の青春小説誕生! 「本当に久しぶりに、ただただ面白い小説を読んだ」金原ひとみ氏「もっとも読む快楽を感じた」岸本佐知子氏(選評より) 上司のパワハラで退職し、アパートに引きこもっていた野中。ある時、大学時代の友人・忍から「毎月10万渡すからスト6の対戦をしてくれ」と謎の提案をされる。以来、月1のメンクリ通いと週4の忍とのオンライン対戦、そして、毎日最寄りの自販機でマウンテンデューを買ってはふらふら散歩する日々を過ごしていた。九州の実家では父親が病気で死にかけていて、母親からは早く帰るよう懇願されている。“都落ち”が近づくある日、いつもの自販機に貼られた、意味不明な文章が印字されたテープと出会う。[じゃあ一生オマトゥマヘーオマヘマンヘーっつてろよ]野中は、自分の粉瘤の血が飛び散ってしまったそれを【呪物】としてフリマアプリに5000円で出品。すぐに落札されたことをきっかけに、野中は更なる混沌に巻き込まれていく――。だるくて切実、くだらないのに沁みてくる、令和最強の“底辺”青春小説。
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病んだ27歳の再生の物語。ある意味「再生」ではあると思うのですが、スクールカーストの下の方にいて、なんとなく大学を卒業し、社会人の生活に揉まれた、はたから見るとやや冴えない主人公。そんな彼がただ現実を直視できるようになるまでの様子を描いたものとも感じました。終始ネット民的な書き口ですが不思議と爽快な読後感でした。星4つです。
Posted by ブクログ
一言でいえば”軽い”のだが、文体、表現、アイデア、テンポはまさに天賦の才だと思いました。
多くの人が経験するであろう”東京編の終わり”に向けたショートストーリーであるからこそ、共感したり、ノスタルジーを覚えたり、、、
次作にも期待したいです。
Posted by ブクログ
よかった。
私小説的な観点と大衆文学的な劇的な物語のワクワクのバランスがとても良い。
僕も都落ちになりそうなまま必死で東京にしがみついてる。エクセル職人への道を必死に歩んでいるからこそ胸にくるものがあって。
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最高に面白かった。
帯の金原ひとみのコメント通り。
出てくるワードセンスや文体、テンポ感含めて最高で楽しい読書体験だった。こういう作品に出会えるから新人文学賞の本を読むのはやめられないな、という感じ。
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ストーリーは確かにタイトル通りなんだけど、
面白すぎる!
キーになるラベルの文章も発想が面白くて秀逸かつ
実はいくつも伏線が張り巡らされていて、ちゃんと回収されているのもすごい
そして、面白いだけじゃなくてちゃんと気づきも与えてくれる
ラベルを作ってたあの2人(3人)がどうかエクセル人間になったり村八分にあいませんように…
Posted by ブクログ
宇多田ヒカルのtraveling陰謀論に始まり、ビットコインで儲けすぎたために人生のメインクエストから強制的に弾き出されたため筋トレというサブクエストだけが生き甲斐になってしまった友人と、電車に乗れない無職の、自販機に貼られたテプラをめぐる底辺冒険(?)譚。
ただひたすらに、読みやすくテンポの良い面白い文章が続く。格ゲーはわからないけれど、地方出身者の主人のが社会から脱落してしまった理由が「択」という言葉遣いのせいで、でもそんな言葉を使える方が豊かだという気持ちは私も忘れずにいたい。ネットミームでもなんでもいい、たくさんの言葉を操れるほうが豊かな人生なんだ。
Posted by ブクログ
第49回すばる文学賞受賞作。
面白くて読みやすいネオ純文学的な青春小説。
当たり前のように現代用語や専門用語や省略された固有名詞などを、何の説明もなしに多用されているところもそうだし、そういうのも含めたインターネットネイティブ世代を感じる文体を気にならずに読みやすいと感じられればテンポ良く読めると思う。
何が面白かったのかと問われるとハッキリと答えられないのだけれど、今までにあまり感じたことのない新鮮な読後感でした。
Posted by ブクログ
なんでこの内容でこんなに面白いの!?
毎日マウンテンデューを買いに行っている自販機に貼ってあった、不審なラベルから展開するごく小規模の物語。だが、非常に軽快なリズムの文章に飽きを感じることなく読み進められる。
都落ちしていった友人達にこの本を贈りたかった。人生において、気のおけない友人の存在は偉大だ。