藤野知明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自分の記憶に深く刻まれたドキュメンタリー映画。
お姉さんの棺桶に論文を入れるお父さんに怒りを覚えたこと。最後のお姉さんのピースする姿に泣けたこと。
苦しむ娘と、「鈍感」で「愚か」な両親。
壮絶な家族の物語。
本当に「どうすればよかったか?」
書籍化にあたって、映画で描かれなかったことと、「どうすればよかったか」の答えが導き出されていて、映画に魅せられた観客の1人としては読まずにはいられない本だった。
いくつもあった岐路。
そのチャンスをことごとく逃した家族。
何度もお姉さんのお茶目な姿が目に浮かぶ。
あの健やかさを取り戻すチャンスはこんなにもあったのなに。
ほんの少しの親の愛情の踏み間 -
Posted by ブクログ
身内に当事者がいる立場として、本作は決して他人事ではなく、藤野監督のおかれている状況に共感しながら読んだ。
映画も観ているが、文章からは両親の判断は誤っていたのではないか、もっと早く医療に繋げられていたのではないかという監督の自責の念が、よりはっきりと伝わってきた。
姉を人として尊重し、ねばり強く向き合う姿勢には監督自身の優しさと覚悟を感じた。
一方で、身内は精神病棟への入院が長期化してしまい悪化したため、入院するかしないかの二択の話ではない気がした。(著者も実体験から十分認識されていると思うが)
現在進行形で、どうすればよかったか?どうすればよいか?と悩まされているが、このドキュメンタリ -
Posted by ブクログ
映画にはなかったお父さんが抗精神薬を勝手に飲み物に混ぜ込んでいた、という疑惑に衝撃。映画を見て、正しくはないが、娘のことを思う気持ちもあったのではないか、だからあれだけ長い間、忍耐強く自分たちだけで「治療」をしようとしたのではと思ったが、印象が大きく変わった。息子である藤野さん視点が強まっているのもあるが、現実からひたすら目を背け続け、その理由を愛情だと自分達に言い聞かせていたのか。映画でも印象的だった家族の似顔絵。医療につながる、つなげる。その解決策を家庭内の露骨なヒエラルキーが阻んでしまった。
お父さんが、単身赴任で定年まで勤め上げたことも「それはあかんわ…」となった。