坂本泰紀のレビュー一覧

  • アニータの夫

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    青森の公社で14億円横領してチリのアニータという女性に貢いだ事件は
    世間を騒がせ、私も記憶している。もう数十年前の事件。
    記者は、刑期を終え、しかし就職できず、生活保護で暮らすこの男、千田郁司を
    取材し、事件の詳細を改めて記している。
    そもそも何でそんな大金を青森県住宅供給公社から横領できたのか。
    そしてその金はどこに行ったのか。
    詳しく書かれている。

    職業柄どうしてもその公社の内部統制が気になる、と思ったら、
    青森県の役人の天下り先、それも腰かけ、2年しかいない、
    プロパーは課長以上になれない、利益をあげちゃいけない、
    企業体のていをなしてない。そんなところに隙があり、14億も使い込まれて

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    2026年05月02日
  • アニータの夫

    購入済み

    不思議な清々しさ

    事件の報道はぼんやり覚えている程度だったが、
    強烈な表紙のイラストとSNSでの評判が気になって読んでみた。
    ファンタジックな導入部からまたたく間に貢ぎに貢ぐ日々が描かれる。
    金は紙袋ではなくビニール袋に入れたほうがいいって
    どういう生活の知恵?とツッコミを入れつつ
    千田氏とアニータのその後の人生の見事な明暗に圧倒される。
    千田氏の妙な憎めなさがこの本の読後感を奇妙に清々しいものにしているような。

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    2026年03月09日
  • アニータの夫

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    アニータ事件の後書き。
    もしアニータが日本人ならばここまで大きなニュースになっただろうか。青森県民の恥の文化はなぜ千田氏に向けられるのだろうか。
    当時の日本社会の歪さを改めて感じられることができた。

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    2026年03月29日
  • アニータの夫

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    アニータの夫である千田へのインタビューは「自分が悪い」とは言いつつ、その一方で他責性や自己弁護も目立つ。本当のところは、特に自分が悪いとは思っていないのだろう。村八分とされてしまった故郷の青森に帰れなくなった後悔はあっても、青森の人々に対する贖罪の意識は見えない。

    千田の特徴として指摘されている要領の良さ。これは千田本人も「頭はよくないが要領はいい」と自認しており、たしかに読んでいるとそんなかんじだった。釣りにせよ将棋にせよ、コツを掴むのが上手く、それが横領にも活かされたんだろう。
    特に将棋はアマ五段とのことで、これはアマチュアではトップクラスの実力である。子どもたちに教えていたこともあった

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    2026年04月11日
  • アニータの夫

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    「アニータの夫」千田氏の回顧はどこか自己弁護的なところも垣間見えて(「津軽人の気質」とか言い出したのには絶句)、読んでいて少し怒りを覚えてしまった。加えて、「Side B」での現在のアニータとの対比があまりにも鮮烈で、何とも言えない気持ちになってしまう。

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    2026年03月28日
  • アニータの夫

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    アニータは、現在チリで、インスタフォロワーの80万人のインフルエンサーとしてのし上がっていたらしい。週に3回、インスタで車について投稿することを条件に新車を譲ってもらったことなども本書で書いていた。

    チリの中でも、彼女の評価は賛否両論で、貧しい環境の中で必死に子供を育て上げた女性の代表と肯定的に評価する意見もあれば、人を騙したり、売春してまでお金を得るのは倫理的に受け入れられない。という否定的な意見もあるのだそう。

    一方、14億円もの横領罪で逮捕された千田は、刑期を終えて出所しても過去の噂がどうしてもついて周り、職がなかなか見つからず、両親にも迷惑をかけてしまい、散々な人生を歩んでいる。

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    2026年03月22日