小林英樹のレビュー一覧

  • ゴッホの宇宙 きらめく色彩の軌跡

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    『ゴッホの遺言』『ゴッホの証明』『ゴッホの復活』に続く、氏のゴッホ研究の連作。

    本書『ゴッホの宇宙』は書店でなく、何と前作『ゴッホの遺言』で著者=小林氏が贋作だと称したゴッホ作品を所蔵・展示する美術館のミュージアムショップに陳列されているのを見て、思わず手に取り、買い求めました。美術館も、なかなか粋なはからい!ヒデキィ~、良かったねえ~♪

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    2012年03月21日
  • ゴッホの宇宙 きらめく色彩の軌跡

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    ゴッホの一生を、「オランダ期」「パリ期」「アルル期」「サン=レミ期」「オーヴェール期」に分け、その時々の「弟テオへの手紙」を織り交ぜながら、彼の内面に迫って書かれています。

    ゴッホが、思いのほか暖かい人物で、人間的であり、不器用であったこと、また絵画への可能性の追求が人並み外れていたことが
    うかがえました。

    そして、彼が死を選んだことについても、「病んでいたから」とは片づけることができない、死を選ぶしかなかった彼の気持ちが
    痛々しく感じられました。

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    2011年02月12日
  • 完全版 ゴッホの遺言

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    おもしろい。
    ゴッホの人生や死をその作品や書簡から読み解き、真相を明かそうとする推理小説。
    ゴッホに興味ある人は、是非読んでほしい。ゴッホの作品やその生涯に関する新しい見方がみえる。

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    2011年01月30日
  • 完全版 ゴッホの遺言

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    現在、ゴッホの真作とされている作品に対する
    著者の主張なのだが
    読めば読むほど納得させられる。

    「贋作」を歴史的な背景や出どころの由緒正しさで無批判に受け入れていたことを。
    それを見破るくだりがまさに推理小説顔負けの面白さ。

    なぜここまで言われて美術界はまだ「真作」としてその作品を扱っているのか。
    是非、反論を聞かせてほしいものだ。

    そして著者の溢れんばかりのゴッホへの愛の大きさよ。
    個人的にはあまり印象主義は好きではなかったのだけれど
    読み進めるうちに引っ張られるようにして
    ゴッホの人間的魅力や作品自体が持つ訴求力に
    ぐいぐい惹かれている自分がいた。

    美術を敬遠する人もゴッホ好きの美

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    2009年11月04日
  • 完全版 ゴッホの遺言

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    何年か前のゴッホ展で買った絵葉書が壁に貼ってあるが、たしかに「スケッチ」は、これとはずいぶん違うなあ。言われてみれば絵心のない人でも納得できるな。ゴッホ展で、部屋の再現までしてたけど、この絵の凄さは全然わかってなかったと反省。ひろしま美術館の「ドービニーの庭」も、この本読んでから見るとまた違っただろうに。帰りに買ったんだもんなー。贋作とか、自殺の原因とか、そういうことも確かに興味深くはあるけれど、そんなことどーでもよくなるほど、ゴッホの絵は人の心を惹きつけるよね。

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    2014年07月13日
  • ゴッホの宇宙 きらめく色彩の軌跡

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    『ゴッホの宇宙-きらめく色彩の軌跡』小林英樹
    中央公論新社 2010年8月 1800円

    110ページほどの小冊子だが内容は濃い

    私にとってはパリ以前、アルル以前の油絵の色彩の美しさを発見できたことが大きな収穫

    1886年パリで印象派に出会う前から、アルルで光の輝きに魅せられる前からゴッホは色彩の画家であった

    パリに出て来たゴッホが目にした印象派の色彩は表面的なものでしかない

    それまで追求してきた「色彩そのものが表現である色彩」とは遠く隔たっていた


    「夏にかけてモンマルトル界隈、40点近くの花瓶に入った花、靴や鰊などを描く

    高彩度なものから沈んだモノトーンのものまで色彩について

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    2012年02月17日