下山達のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ノンフィクションの話を読むのは初めての体験でした。壮絶、そして作者の感情がダイレクトに流れ込んできて苦しくなる。
前半の部分は作者を追体験していて感情移入して話に入り込んでいける。コロナ禍当時の混乱をありありと感じられて苦しい。
がんの闘病という人生で経験したことのないことにぶち当たった患者と家族の後悔がすごくよくわかった。
そして、この本の要は終わりにある夫の闘病をそれぞれの関わりのあった医療従事者たちにインタビューし自分なりの感情の落としどころを探していく姿は非常に精神的にタフだと感じた。
この一冊を読んだことが自分の人生の役にたつ。そんな時がくるかもしれない。そう思える一冊だった -
Posted by ブクログ
最後の解説p324〜駒込病院希少がんセンター長、下山先生の文章が素晴らしかった。客観的なので状況がよくわかる。
原発不明がん、これほど最先端の医療が発達しているのに腫瘍専門医でも知らない希少がんがある事にショックを受けた。医学的なこと以外で驚く事も。
がん治療のため腫瘍内科に入院しても抗がん剤を使えない状態になったら緩和ケアに入院できるようベッドを確保しておくことが転院の条件、が本を読んでいる自分にもなかなか理解できなかった。
焦っている本人たちには到底理解も納得もできないと思う。ただ反対側から見ると加療の必要がないなら早くベッドを空けてほしいと思うだろうし…
この本を読んで原発不明がんの理解 -
Posted by ブクログ
ネタバレ東えりかさんの夫の保雄さんの約160日間の闘病の記録。医療関係者への取材も行ったノンフィクションです。
読者の私は「がん」と「癌」の違いも知りませんでした。そして原発不明がんの恐ろしさを初めて知りました。
原因不明の激しい腹痛から3か月近く入院し、検査を重ねても病名が分からず、次々と痛みと苦しみを伴う不調が現れる。なのに検査と対処療法のみで治療ができない状態が続く······。コロナ禍のためそんな夫との面会もままならず、どうすることもできずただ待つしかなかったえりかさんの恐怖は計り知れないものだったと思います。その後、転院先での原発不明がんという宣告。信じられない思いしかなかったと思います -
Posted by ブクログ
ネタバレよくこれを書いたな、と思った。家族が謎の病魔に襲われるという混乱の中で、次々に生じる問題に必死で対処しながら、愛する夫を失っていくという、本当に凄まじい数ヶ月だったと思う。そしてこれほど良くやる家族は一握りではないかと客観的には思うけれど、それでも押しつぶされそうな罪悪感を抱え、その一方で原発不明がん・希少がんに苦しむ人々に情報を提供し、社会を変えようとする。その姿勢には心打たれるものがあった。
また、最初の病院の対応に不誠実さを感じるくだりでは、患者さんや家族の不安に、私はきちんと寄り添おうとしているか、本気で解決しようとしているだろうか、と自問せざるを得なかった。
そして私はパートナーを、 -
Posted by ブクログ
ネタバレある日ジムで腹痛で倒れて病院に入院した夫。検査を重ねても原因は特定できず、状態だけが悪くなっていく。やがて告げられたのは「原発不明がん」という希少がんではないかということと、夫に残された時間が短いということ。発病から亡くなるまでの160日間の夫婦の闘病の記録と、夫の死後著者が「原発不明がん」について調べた情報をまとめたノンフィクション。
思い当たる予兆もなく、健康に過ごしていた家族が突然倒れてあっという間に状況を悪化させ亡くなる。誰にでも起こり得るけれど想像もできない事態。コロナ禍で面会もままならず、入院した病院の対応にも不信感が募る。著者の気持ちを思うととても苦しい。
ノンフィクションを普