ケン・ジャヴォロウスキーのレビュー一覧

  • 罪に願いを

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    ★5 アメリカの田舎町、スモールタウンで繰り広げられる犯罪小説ならぬ "罪の小説" #罪に願いを

    ■あらすじ
    アメリカはペンシルベニア州、ラストベルト地帯にある錆びついた街。

    工場で働きながらボランティア消防員をする男、生まれつき顔面に疾患を持つ女性看護師、妻と娘を亡くしたガソリンスタンド従業員。底辺を彷徨い続けている彼らが、それぞれの「罪」と向き合う物語。

    ■きっと読みたくなるレビュー
    ★5 なんちゅう本を読ませるんや… 読めば読むほど辛くなってくるんだけど、陽だまりの優しさに包まれるような感覚にもなってくる。感情の揺れ幅に酔ってしまうような、そんな小説でした。

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    2025年07月24日
  • 罪に願いを

    Posted by ブクログ

    アメリカの架空の田舎町の、3人を主人公にした群像劇。
    地元出身で工場勤務しながらボランティアで消防団員のネイサンは、近くの火事で瀕死の人を助けるが、同時に大量の札束を発見し、密かに持ち去る。看護師のキャリーは、医学を信じない新興宗教牧師の父をもつ余命僅かの少女と仲良く成り、彼女の希望を叶え様と病院から連れ出す。麻薬常用者のアンディは妻の妊娠を期に麻薬を止め、ダウン症の娘を心の糧として過ごしていた。
    直接は繋がりのない3人のそれぞれの物語が哀しい。特に私はキャリーを応援せずにはいられなかった。

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    2025年07月21日
  • 罪に願いを

    Posted by ブクログ

    原題は『small town sins』、小さな町の罪だが、この罪はcrimeではない。日本人には分かりにくいが、宗教的な罪である。

    この小説には三人の主人公による群像劇となっていて、相互にあまり関係してはいない。
    火事場から大金を盗んだ消防隊員のネイサンは、誠実で真っ当な考えの妻の声に耳を傾けることなく、二人でそのお金で人生やり直すことを説得できると思っている。そしてそのお金を守るために殺人まで計画してしまう。

    そして末期ガン患者の少女の夢を叶えようとする看護師のキャリー。本人の希望とはいえ、保護者の許可がないので誘拐になってしまうのだが、少女の父親が宗教に傾倒していて科学的治療を受

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    2025年07月21日