トリスタン・ガルシアのレビュー一覧

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    最初は7つの独立した短編に見えるが、最後の「第七」で全てが繋がる。哲学者でもある著者らしい、鋭く冷徹な視点で人間の限界を執拗に攻める。
    2025年最後に良い本を読んだ!

    第1話「エリセエンヌ」
    SF風に楽しめるが、過去の自分と今の自分が連続した存在ではなく、ただ積み重なった層の上に今が乗っているだけ——という存在の不連続性。

    第2話「木管」
    元ロックスターの音楽をめぐる物語。他の話に比べて少しエンタメ寄りで異色だが、やはり人間の行動は「人間の枠」から逃れられない。

    第3話「サンギーヌ」
    寓話的で読みやすい。物質と反物質、量子もつれのように、我々の目にはそれぞれ別の物質のように見える世界の

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    2025年12月29日
  • 7

    Posted by ブクログ

    おフランスの哲学者による藤子F不二雄SF(すこしふしぎ)風短編集。取り扱うテーマがあえて順不同で、胡蝶の夢あるいは高い城の男、若き日の自分による断罪、個人主義の行き着く先、信仰の行き着く先、既に確定した未来、持つ者と持たざる者のゼロサムゲーム、百万回生きた猫あるいは人生やり直し機。現代フランスのアイデンティティの危機を反映してか、登場人物は常に揺らいでいる。アイデンティティの危機とそれをもたらすテーマを様々なガジェットを用いるため、読みやすくなっているのも事実。なお、冒頭に述べた通り藤子F不二雄のすこしふしぎだなぁ、と思ったため、すべての話があの絵柄で脳内を流れていった。

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    2026年01月06日
  • 7

    Posted by ブクログ

    哲学者でもある著者の紡ぎ出す、ファンタジーともSFとも幻想小説とも読める7つの物語。それぞれは独立した短篇でなんの関連もないが、最後に収められた「第七」ですべてが繋がる驚愕の仕掛けがある。
    二段組500ページの大作で、本文は改行もほとんどないみっちり詰まった内容にめげそうになるが、あきらめないでよかった。フランスという国について知識がないと完全に理解するのは難しそうだが、単純に物語として楽しめればいいのかなと思う。
    訳者あとがきの解説(ぼやき?)もとても参考になった。

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    2025年11月02日
  • 7

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ・エリセエンヌ:精神だけが若返るドラッグ
    ・木管:不思議な楽器には過去のあらゆる名曲が刻まれ〇サンギーヌ:スーパーモデルと対になる傷を負った男
    〇永久革命:共産党を離党した老人性医師が1973年に革命が成就した世界と現在とを精神になって行き来する。
    ・宇宙人の存在:宇宙人を研究する兄とその恋人
    〇半球(ドーム):同じ原理主義思想の者同士が通信を遮断したドーム内で暮らしドームの中に更に分派のドームという分断社会。
    〇第七:何度も生まれ変わり、公務員、ノーベル賞学者、革命家、宗教家、極悪人、作家を生きる。7回目に不死性を失うが、恋人に。

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    2025年11月15日