藤原印刷のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本は中身だけが大切なんじゃない。
手触り、重さ、匂い、デザインなどなど、すべてが合わさって、本の魅力。その辺が電子書籍では得られない充足感だ。
近年、電子書籍も一般的になり、たしかに便利ではある。しかし、「読んだ感」がない。どうしてか?よく考えていた。
この『本が生まれるいちばん側で』を読んでいて分かった。
本には、物体としての魅力があるのだ。
手触り、デザイン、重さ、匂い、どこでいつ買ったか。そんな色々が合わさって、本という物体の魅力になっている。
だから中身だけを抽出して読めるようにしてある電子書籍は味気なく、「読んだ感」に乏しいのだ。
紙の本は面倒だ。重いし、ページをめくるのに両手を使うし、注意しないと折れたり濡れたりする。
でもそういうことがあるからわざわざ持ち運ぶことに喜びを感じるし、読んでいて楽しいのかもしれない。
本はただ内容を知れればいいのではなくて、読む行為そのものの体験も同じくらい大切なのだ。
ただ”知る”ことと”体験する”ことには大きな隔たりがある。
そして本書の中で作家として紹介されている人たちはとても生き生きして素晴らしく、眩しく見える。
自分の人生における”何か”を表現し、形にする媒体としての本。本を作ることによって、何かに区切りをつけ、次へ進む。
自分もそうしたことへ憧れがある。
本を作ることは私の夢の一つだ。そしてそれを叶えるなら、藤原印刷がいい。そう思う。 -
Posted by ブクログ
本ができるまでと藤原印刷のこれまでのこと、出版してきたZINEや作り手の人たちと歩みも読んでいてこういうことができるのかという発見と、個人的には第3章と第4章がとても熱い内容で面白かった。作り手に寄り添う姿が本当に藤原印刷のあり方を象徴していると思う。
「おわりに」にある土門蘭さんの言葉も印象的だった。
『芸術とは精神の自由を担保するもののはずなのに、本を出すためには権威の判断に委ねないといけない。評価され、認められ、選ばれなくてはいけない。それはおかしいんじゃないか。自由になりたくて書いているのに、なぜヒエラルキーに取り組まれ、不自由を甘受しなくちゃいけないんだろう?』
「本を作る」ということは思っていたよりも自由で実は遠い世界の話ではないんだなと思った。自分も本はよく読む方だとは思うけど、これを読んだからにはその内「作る」側にもなってみたいなと思う。 -
Posted by ブクログ
#ヨンデルホン
#本が生まれるいちばん側で / #藤原印刷、#田中裕子(#ライツ社)
本を作る理由って、たくさんあるんだな。今まで考えたこともなかった。「注文住宅」って例えに頷き、「綴じ方」に心が揺れた。えっ、本って、めっちゃアイデンティティじゃん、塊じゃん!本当に今まで考えたことがなかった。
指示書に書かれた『はじめてのZINE』、これにはグッときた。ウルッとしちゃった。これぞ、まさしく「心刷」の真髄、いや”心髄”か。『N magazine』の話も痛快だ。"作業ではなく仕事になる"という言葉も印象深い。
この本を手に取った時に思ったことの、いわば"答え合わせ"が第4章に書かれていてスッキリ。
本づくりの答えは1つじゃないから面白い、そんなことを思った。いい話、いい言葉が多かったので、気づけば付箋のステゴザウルス。
本の中身を作るのは面白そうだと思っていたが、本そのものを作るのも、めちゃくちゃ面白そうじゃないか。読めてよかった。 -
Posted by ブクログ
非常に面白かったです!
昨年、紙に興味を持つ機会があり、少しだけ紙について調べたのですが、そこから派生して、単に書籍用の紙と言っても、青みがかった白だったり、黄みがかった白だったし、ツルツルやザラザラなど、いろんな白い紙があるんだなぁと知りました。
そもそも白でなければいけないという事もないし、紙によって印刷方法も異なるのだろうとも想像していました。
今読んでいるこの本の紙は、なんという紙で、どこの印刷会社で刷られたのか?
知ろうと思ってもなかなか印刷会社までは、本には書いていない事が多い。
そもそも、印刷会社で製本するのかと思っていたので、製本会社というものがあるのも知りませんでした。
食べ物は、このお肉は何のお肉で、どこ産でとか、野菜もどこの農場で作られたかと書かれている事が多い昨今ですが、本に関しては、著者と出版社名しか表に出てこない。
だけど、裏側では、編集や出版以外にも、紙を作る人、その紙を売る人、印刷する人、その印刷に使うインクを作る人、その印刷されたものを製本する人など…
たくさんの人が関わっているのだなと、改めて知る機会になりました。
この本も10種類の紙が使われています。
パッと見の色が違うので、そこは分かるけど、もしも同じ色だったら、ページをめくるその指先で、質感を意識できるだろうか?
私達は、見てるようで見れていない事がたくさんあるなぁと思いました。
動こうとする人には、たくさんの運が味方する
まさにその通り!
意外と安く作れる事がわかったから、私もいつか自分の本を作りたい!と思った時は、運と藤原印刷さんに味方してもらおう!!
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Posted by ブクログ
松本にある小さな印刷屋さんの、個人出版の本を出版した記録。
Zine作ってみたいなーと思って手に取ったけど、10万円以下の予算でも印刷屋さんに出せるのか、と驚きました。
どんな本文用紙で、どんな製本で、どのくらいの部数をすると◯◯万円です、という実例がでているのがわかりやすくてとてもいいです。(全ての本に予算がついているわけではないけど)
この本自体もページごとに本文用紙が違っていたり、フォントや文字色も変わってたりするので、自分が本を作る場合はこの紙がいいかも、この文字色よりこの色の方が読みやすいなー、と自分が作るならどうしようとついつい考えながら読みました。 -
Posted by ブクログ
●「自分のために本をつくる」という想いに応えてきた印刷会社の本づくりにかける心意気を記した本。
●本づくりの現場について知る。→商業流通とは違うけれども本づくりにおける印刷会社の役割を知ることができた。
●なぜ本をつくるのか? 「それは、本が手渡すことできる「モノ」だから、です」という言葉がとても印象的だった。「モノ」だからこその意味というのは確かにあると思う。他の印刷会社では「できない」と言われてしまうようなことも、アイデアを出して、工夫して実現してしまうバイタリティーがすごいなと感心した。営業の無茶ぶりに対応する現場は大変そうだけど。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこの間、名刺を新しくすることになり、デザインを一新したうえで、印刷会社さんにお願いして、紙から選んで、印刷した。手軽に印刷できるネット系の印刷サービスもあるけど、こだわって刷った名刺は思った以上に素敵に仕上がって、ワクワクした。
仕事柄、カタログやリーフレットなど、いわゆる“紙モノ”の制作も受けたりするのだけれど、いつごろからか印刷もまとめて受けることがほぼなくなった。
ずっと仕事をしているクライアントも、ネットサービス一択で、お客さん側で印刷を発注しておしまい。管理画面を見せてもらったら、どうやら版管理とかをする機能もあるらしく、そりゃ便利だわ、という印象だった。安いしね。
それでも紙にもこだわって作ると全然違う、というのはやっぱりどこか実感として自分の中に持っておきたいところ。
この本は商業出版ですらなく、作りたい人がお金を出して作りたいものを作る印刷だから、こだわりっぷりもすごいし、そこまでやって「もの」として出来上がるのは絶対楽しいだろうなと思う。
内容はほぼ事例集で、こういう人のこういう本をこうこだわって作りました、という話が続く。
そこまでやるかー、そんなことできるのかー、また無理難題をー、という感じだけど、いいなー楽しそうだなーという気持ちが大きい。
文章も軽くて読みやすく、分かりやすく、するする読めるけど、なんかちょっとクセがあるかも。個人的に少し引っかかるところはあったけれど、おそらく些末なもの。
自分で作るならどんな本だろう。思わず脳内編集会議を始めてしまう。テーマの次に、紙や装丁から決めるのも、ありかもしれない。