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本をつくる人が増えれば、きっと読む人も増える。
そう信じて、個人の本づくりに伴走し続け、
「ZINEの聖地」と呼ばれた印刷会社が長野にある。
・表紙がダンボールでできた写真集
『隙ある風景』ケイタタ
・個人で1万部以上売っている短歌集
『100年後あなたもわたしもいない日に』土門蘭・寺田マユミ
・大学生がつくった、40ページの初めてのZINE etc…
『300年前のこと』とみたみずき
あの本もこの本も、藤原印刷だったんだ!
本書は、長野県松本市にある老舗印刷会社、藤原印刷の三代目・藤原兄弟による、本づくりへの熱い想いを綴った一冊です。
かつては教科書や専門書を中心に黒子として働いていた藤原印刷が、個人の「自分で本をつくりたい」という想いに応え、伴走し続けてきた15年の軌跡。
語られるのは、出版社も書店員も本好きもまだ知らない、印刷所にしか語れない本のこと。
本づくりの常識をくつがえす自由で創造的な取り組みの数々が紹介され、読了後には「こんな本でもアリなんだ!」「わたしでも本をつくれるんだ!」と心が動かされるはずです。
だれかのためでも、売上のためでもない。自分の衝動に従ってつくる。
――そのよろこびと可能性について、藤原兄弟が自らの言葉でまっすぐに伝えてくれる一冊です。
<目次>
【はじめに】 伝えたいのは「つくるよろこび」
【第1章】 本をつくるって最高だ!
【第2章】 人が本をつくる理由
【コラム1】 こんなことでも、本にしていいんだ とみたみずきさん『300年前のこと』
【第3章】 「できない」のない本づくりを実現するために
【コラム2】 DIYは、狂気を宿す ケイタタさん『隙ある風景』
【第4章】 「本をつくりたい」と思ったときに考えること
【おわりに】 本をつくることは、自由になること
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Posted by ブクログ
本は中身だけが大切なんじゃない。
手触り、重さ、匂い、デザインなどなど、すべてが合わさって、本の魅力。その辺が電子書籍では得られない充足感だ。
近年、電子書籍も一般的になり、たしかに便利ではある。しかし、「読んだ感」がない。どうしてか?よく考えていた。
この『本が生まれるいちばん側で』を読んでいて分かった。
本には、物体としての魅力があるのだ。
手触り、デザイン、重さ、匂い、どこでいつ買ったか。そんな色々が合わさって、本という物体の魅力になっている。
だから中身だけを抽出して読めるようにしてある電子書籍は味気なく、「読んだ感」に乏しいのだ。
紙の本は面倒だ。重いし、ページをめくるのに両手を使うし、注意しないと折れたり濡れたりする。
でもそういうことがあるからわざわざ持ち運ぶことに喜びを感じるし、読んでいて楽しいのかもしれない。
本はただ内容を知れればいいのではなくて、読む行為そのものの体験も同じくらい大切なのだ。
ただ”知る”ことと”体験する”ことには大きな隔たりがある。
そして本書の中で作家として紹介されている人たちはとても生き生きして素晴らしく、眩しく見える。
自分の人生における”何か”を表現し、形にする媒体としての本。本を作ることによって、何かに区切りをつけ、次へ進む。
自分もそうしたことへ憧れがある。
本を作ることは私の夢の一つだ。そしてそれを叶えるなら、藤原印刷がいい。そう思う。
Posted by ブクログ
本ができるまでと藤原印刷のこれまでのこと、出版してきたZINEや作り手の人たちと歩みも読んでいてこういうことができるのかという発見と、個人的には第3章と第4章がとても熱い内容で面白かった。作り手に寄り添う姿が本当に藤原印刷のあり方を象徴していると思う。
「おわりに」にある土門蘭さんの言葉も印象的だった。
『芸術とは精神の自由を担保するもののはずなのに、本を出すためには権威の判断に委ねないといけない。評価され、認められ、選ばれなくてはいけない。それはおかしいんじゃないか。自由になりたくて書いているのに、なぜヒエラルキーに取り組まれ、不自由を甘受しなくちゃいけないんだろう?』
「本を作る」ということは思っていたよりも自由で実は遠い世界の話ではないんだなと思った。自分も本はよく読む方だとは思うけど、これを読んだからにはその内「作る」側にもなってみたいなと思う。
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