河合純枝のレビュー一覧

  • だれか、来る

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    ノルウェーでのビジネスを始めた2023年に、ハウゲスンで生まれたヨン・フォッセがノーベル文学賞を獲得。必読となり、やっと読む機会が出来た。シンプルな構成ながら全編に潜む不安感がノルウェーの景色とオーバーラップしてくる感覚。でも、日本語訳では真意を伝えきれていないのであろう。

    解説が素晴らしい。特に以下:

    まず、フォッセが執筆に使う特殊な言語“ニーノルシュク"について触れておきたい。ノルウエーには、オスローを中心とした現住民九〇%が話す”ボクモール”(Bokmal)と西海岸で使われる"ニーノルシュク"(Aynorsk)の二つの公用語がある。なぜ二つ?ノルウェーは

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    2025年03月01日
  • だれか、来る

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    表題作。シンプルなセリフで紡がれる、彼と彼女の心の揺れ動きが見事だと思う。二人だけの家に来たはずなのに、すべてが安定しているはずなのに、どこかかからやってくる不安。それは外からでもあり、また彼ら自身の内側からでもあることが、短い会話のやり取りから読み取れる。

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    2024年10月21日
  • だれか、来る

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    タイトルとノルウェーのフィヨルドが舞台とだけで読む。
    本を開いてみて初めて戯曲と知る。しまった!
    ところが、この戯曲は読みやすくて助かる。
    情景が、舞台が、ありありと浮かぶ。

    フィヨルドの暗い海を前に、
    人は人を信じ切れない、孤独な存在・・・
    と、いうことなのかな・・・

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    2024年02月13日
  • だれか、来る

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    ネタバレ

    ヨン・フォッセの「だれか、来る」の表題作を読みました。

    戯曲です。

    彼と彼女は、とても辺鄙なところに新しく買った家の前に立ち、問答をします。

    「だれもやってこない家 おれたちが 一緒にいられる家」
    「きっと だれかやってくる」

    そして、家の元の持ち主の男が現れて、彼女と話します。

    彼は彼女の気持ちが男にあったのだと弱々しく責め立てるのです。

    彼女は一瞬いなくなります。

    そこで、彼は独白をする。

    「おれたちは二人きり いつまでも」

    そうして彼女は姿を現し、関係は修復されました。

    彼女は、家の周りにだれもいないことに寂しさを訴えておりました。彼は、彼女の姿が見えなくなると、突然

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    2024年01月07日
  • だれか、来る

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    今月、佐々木敦さんが演出される作品とのことで先に読んでみた。ゴドーのような不条理な芝居戯曲だが、わかりやすいかもしれない。

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    2025年09月01日
  • だれか、来る

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    ノルウェーのフィヨルドが舞台の戯曲。逃れてきた男性と女性が嫉妬のため相手を疑ってしまうやり取り。よくわからないところもあるけど、解説を読んだりノルウェーのような緯度の高い地域の気候や風景を思い浮かべると、作品の深い部分がにじみ出てくるような感じがする。

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    2025年05月06日
  • だれか、来る

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    2023年度のノーベル文学賞受賞者のヨン・フォッセの処女戯曲。ノルウェーのさびれた海岸の一軒家に来た男女が、ようやく二人きりになれる、と安堵する一方、だれか来る、と怯える。人間の孤独と不安を描く。登場人物は3人だけ、名前もない。セリフは少なく、大きな出来事は何も起きない。詩のような劇だ。さらに、原作は、ノルウェーの西海岸の言葉を基にした書き言葉(話し言葉ではない)「ニーノルシュク」で書かれているという。それでは、戯曲を読んで理解することは不可能ではないか。舞台を見ればなにがしかが伝わるかもしれない。上演が待たれる。

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    2024年05月31日