日本の怪談って、どうしてこんなに美しいんだろう。
怖いというより、どこか人の業みたいなものが滲んでいて、
読むたびにその悲哀に胸がじんとする。
『小泉八雲の世界一美しい怪談』小泉八雲
まず言わせてほしい…
子供の頃に読んだ『耳なし芳一』と『雪女』、
「これどっちも小泉八雲の作品だったの!?」という衝撃。
そりゃ子供の頃、作者なんて気にしてなかったけどさ?
でも日本人なら誰もが一度は触れている物語なんだよね。 久
々に読み返したら、その美しさに息をのんだ。
平家の亡霊と夜を過ごしたことに気づく芳一。
氷のように透き通った、あの雪女の美しさと恐ろしさ。
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は、
どうしてこんなにも深く日本の怪談を愛してくれたんだろう。
異国の人だからこそ、
日本の影の部分の<美>を 誰よりも見抜いていたのかもしれない。
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本書には小泉八雲の名作17篇を収録。
そして現代アーティストたちが描く新解釈イラストが…最高。
(特に表紙の八雲を描いた橋賢亀さん…美しすぎるので見て…)
『耳なし芳一』『雪女』はもちろん、
猫好きとして外せない『猫を描いた少年』
赤子をおぶって度胸試しをした女性の末路『幽霊滝の伝説』
美しい女の正体に静かに涙が滲む『青柳のはなし』
……などなど、何度も繰り返し読みたくなる物語ばかり。
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私はホラーも怪談も大好きだけど、
最近の怪談って「どうだ怖いだろ!?」系が多い印象。
もちろんそれも大好物なんだけど…笑
でもこういう、
和の美しさ × 物悲しさ × 怪異 が三位一体になった怪談を読むと、
「あぁ、日本人でよかった」ってしみじみ思う。
静かに沁みる怪談が読みたい夜に、ぜひ。