木野寿彦のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
心身ともに疲弊して仕事を辞め、山の中の工場にて期間工として働く30歳。つくっているのはベルトの部品。一日中同じところに立ち、流れて来る製品を同じ手順でチェックするというだけの、圧倒的流れ作業の単純労働。現状に満足している人は社員を含め誰もおらず、だから、社員と期間工の間で、残業前に支給されるパンを巡る、本当にクソほどどうでもいい小競り合いが勃発する。自転車が盗まれたり、それがきっかけで女の人と知り合ったり、ほのかな恋心を抱いたり、それがずたずたに引き裂かれたり、寄ってくる期間工がいたりの一年。あることがきっかけで、退職に追い込まれる。
哀しみしかない期間工の生活を、淡々と描写している。ただた -
Posted by ブクログ
心身ともに疲弊し前職を辞めて山奥の工場の期間工になった宮田と、同じ期間工で唯一の友人である浜野のなんでもない毎日。
スキルアップなど望めず、いくらでも取り替えがきき、もはや人間での扱いですらない工場での労働の日々。不満エネルギーの解消のために他人を消費する者たち。考えることをやめ、ただ刹那的に日々を生きる姿は閉塞感しかない。
これもプロレタリア文学と呼べるのだろうか。かつて読んだプロレタリア作品は、もっと怒りややるせなさに満ちていて、それでも必死に這いあがろうとするエネルギーを感じて胸が熱くなったものだけど、この作品は登場人物にそんな熱量を感じなかった。これも時代なのかな。
自らを「降人