田中紀峰のレビュー一覧

  • 虚構の歌人 藤原定家

    Posted by ブクログ

    藤原定家について元々私が知っていたことは、

    ・新古今和歌集を選んだ
    ・小倉百人一首の元となるものを作った
    ・和歌に大きな影響を与えた重要人物
    ・父子で有名
    ・紫式部が好きで研究していた

    というくらいだったが、本書を読んでなぜ彼が重要人物だったのか少しわかった気がする。
    西行や他の歌人に比べ、定家は教育者としての側面が強く、多くの人が和歌を読めるようにテンプレートを作ったり和歌の繁栄のために尽力していたようだ。
    中でも著者の言う「定家ジェネレーター」が面白く、一句目二句目で詩的な情景や願望を描き、三句目で突然否定し、残りで救いようのない現実を描くという、これに当て嵌めれば誰でもそれなりの和歌

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    2021年03月12日