坂口涼太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
私が著者を認識したのは、何本かの朝ドラ、映画「ちはやふる」のヒョロあたり。
いちばんは「NHK短歌」に出たのを見た時かな。
自分も短歌詠むようになり、短歌詠む人は無条件に好き。世間では少数派ですから。
「涼短歌」と題して著者も短歌をXとかで発信しているらしい。
せっかくの一回やから天国も地獄も行ったほうが得やん
短歌だけでなく、エッセイ自体めっちゃおもしろく、電車の中で声をあげて笑いそうになったり、逆に涙ぐんだり。
「表現者」なのでしょうね。芝居もダンスも執筆もメイクも素晴らしいセンスの持ち主。
昨日4/9BSテレ東「あの本読みました?」にゲスト出演してて、MC鈴木保奈美と書店で本を勧め合ってた。
著者が勧めてたのは大前粟生「プレイダイアリー」
そして鈴木保奈美に紹介されて買ったのは「茨木のり子全詩集」…¥8000以上する豪華本!
「いいですか…?」ってスタッフに聞いてたから、番組経費で買ってもらえたのね。よかったね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大事に貯めてきた言葉のおもちゃ箱が開き、次々と言葉達が歌い踊りだし、パーティーを開催し、そこに一夜の物語を生み出しているようであった
エッセイは苦手で、物語ほどその人の感性が発揮されないのではないかといつも考えてしまう
そんなわたしがこの本を手に取ったのは、範疇遊泳の舞台がきっかけである
あの日、あまりにも輝いていた著者が本を出したというではないか
冒頭にと記載した通り、一言でまとめる事もできるが、まとめきれない思いが言の葉として溢れ出して、それが文章という木となり、その森を探索しているような気分であった
ここまで、自分の詰め込みたいを体現しているのに、文章としてまとまっていることに驚かされた
P171で描かれる俳優のあり方について描かれている場面では、まさにわたしが舞台が好きな理由がぎゅっと詰まっていた
観客として、安心しきって、全体重を乗っけて、劇場の中で生み出される物語の世界に溶け込み漂いたい
これを実現するには、劇作家の素敵な脚本とそれらを立体的なものにするための表現者が不可欠なのである
いま生きているという偶然を〜というP201の言葉は特にお気に入りである
出逢うべくタイミングで出逢い、別れるべくタイミングで別れる
どんな瞬間も、どれだけ否定しようと肯定しようと自分だけのものであるからこそ、全力で駆け抜けていきたい
否定しても仕方がないので、折り合いをつけて、次に全力になるための「らめ活」には大賛成だ
全部全部この目でみて、体験して、選択できる人間でありたい
出会えてよかったと思える1冊だった
次回は、この言葉達を抱いて、さらなる感性の高まりのもと、楽しめるだろう
楽しみである
舞台を、劇場を丸呑みする恐ろしいほどの表現者に出会えることを心待ちにする -
Posted by ブクログ
『ウッ!リコリータ!』が刺さりました。
(これ、わたしやん。わたしのこと書いてはるわ…)って、めりめりジャック・ニコルソンになりかけてた、いや、なってる時もあったかもしれない自分を振り返って、穴があったら入りたい気持ちになりました。
だけど、今それに気づけたから、気づかせてもらえたから、これからは今までよりも少し、人との距離感に心を配れるように努力ができる。
色んなことをあきらかにしてあきらめて、わたしも「らめ活」してLove Myselfの精神で生きていけそうです。
お涼さんの文章は、ハイテンションなときも真剣なときも、まるで言葉ひとつひとつに温度があるみたいにするする〜っと心に馴染んで、やさしいお出汁のうどんみたいで、満たされて泣けてくる感じでした。
作中で、川上未映子さんの『きみは赤ちゃん』を布教されているとありましたが、わたしは『ちゃ舞台』を布教したいと思います。
この本に出会えてよかった。 -
Posted by ブクログ
面白かった!何より楽しみながら文章を書いているのが伝わってきた。どのページを開いても面白い表現を見つけることができるくらい、ユニークな文体のお涼節が散りばめられている。帯には『クセメン俳優』とあるが、文章もクセだらけ。一文が近代文学くらい長かったり、それでいて現代のSNSとも通づる軽やかさがあったり。これでもかというサービス精神でボケまくっているので、何度も笑わされた一冊だった。
特にたとえの語彙力が半端なくて、ありとあらゆるものを純粋な心でスポンジみたいに吸収しているお方だと思う。それを自分の言葉にしているのがすごい。ダンスや演技でいうエチュードのように、変幻自在に言葉を操っていてうらやましかった。
内容も面白く、まずは生い立ちから俳優になるまでのことも書いてくれているので、坂口涼太郎さんをもっと知れたのも良かった。特に後半、「あこがれの春」の章はとても印象的。あこがれの窪塚洋介さん、藤井隆さんとの出会い、リスペクトしていたメイクさんとの別れ、ディズニーランドと俳優の仕事の距離感、川上未映子さんの本の紹介など、体重の乗った文章に心打たれた。各エピソードの最後にある短歌も、良い。 -
Posted by ブクログ
YouTubeをきっかけに坂口涼太郎さんを知り、本を手にとりました。
とてもユーモアのあるおもしろお兄さんだと思っていましたが、そのままでした。それでいて、人のことを思いやる深い広い懐を持っている方なのだとこのエッセイを読んで感じました。
おばあちゃんに対する思いであったり、子育てをするお母さん達への敬意は見習いたい素敵な気持ちでした。俳優さんでありながらユーモアもあって、文章もとても読みやすくふふっと笑ってしまうくらい楽しく読めました。素敵すぎてエッセイを書いてくださってありがとうございますの気持ちでいっぱいになりながら読んだ本でした。 -
Posted by ブクログ
俳優・坂口涼太郎さんのエッセイ。『ちはやふる』の個性的な俳優さんという印象しかなかったけれど、この本を読んで言葉の感性にすっかり引き込まれた。
特に心に残ったのは、
「せっかくの一回やから 天国も地獄も 行ったほうが得やん」
という涼短歌。
諦めることを「明らかに見る」と捉える話から始まり、坂口さん自身の人生や家族、大切な人との別れ、子ども時代のアトピーのことなどが語られる。その一つひとつに短歌が添えられ、独特のリズムで物語が進んでいく。
笑いがあり、切なさがあり、温かさがある。エッセイでありながら短歌が自然に溶け込み、坂口さんにしか書けない世界が広がっていた。
これまで読んだ俳優さんのエッセイとはひと味違う、個性あふれる一冊。「ちゃぶ台」だと思っていたタイトルが「ちゃ舞台」だったことにも納得。どんな場所も自分の舞台にして踊るように生きる坂口さんらしさが詰まっていた。
読後は、人生の出来事を「得した経験」として受け取る坂口さんのまなざしが心に残った。読んでいて元気と優しさをもらえる一冊だった。