ダナ・サスキンドのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
かなり大上段なタイトルの本。だが、本書は言語教育系の子育て本でよく引用参照されているタネ本だ。
親が話しかける言葉が多いほど子どもの語彙は速く増え、あまり話さない家庭や命令・禁止言葉が多い家庭で育った子に比べ、3歳時点で耳にした語数に3000万語もの格差が生まれるらしい。
この格差は、その後のIQテストの点数やGRID[やり抜く力]にも大きな影響が出る。
(ただし、近年はどちらの尺度も再検証されつつあるが)
保護者はただ話すのではなく、話しかけ方や子どもの集中している世界に目を向けることが大切で、著者は「3つのT」という具体的な方法論を提示してくれる。
「3000万語格差」の一般化には近年疑義が呈されているが、学力の基盤である言語関連能力の格差は、親子のコミュニケーション量の差が大きく起因していることは実証されてきているようだ。(松岡亮二著『教育格差』より)
ーーーーーーー一以下、抜書きーーーーーーー一
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けれども、関係があったのは言葉の量だけではありません。命令や禁止の言葉が、言葉を習得する子どもの能力を抑えていることがわかったのです。「発達の足を大きく引っ張っていたのは、(子どもとのやりとりが)親の『ダメ』『ストップ』『それ、やめなさい』で始まった時だった。」
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これ以外にも2つ、言葉の習得と IQに影響を及ぼすらしい要因がありました。1つは子どもが聞いている語彙の豊かさ。聞いている語彙が豊かでないと、3歳時の到達度は低かったのです。もう1つは、家族の会話習慣でした。親同士があまり話さない家庭では子どももあまり話さないという結果が得られました。
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わずかな積み重ねではありますが、この「おお」や「ああ」、「お母さんはあなたを愛している」「なんてかわいいの」は、静かに、脳の無数の神経細胞がつながっていくのを促し、複雑な神経回路をつくっていきます。それが、子どもの知的な可能性を開花させるのです。
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言葉の数は重要です。でも、まずは愛情に満ちた豊かな関係が先で、それは赤ちゃんをケアする人がつくるものです。言葉の数はその次。言葉の数が多かったとしても、それが脳に良い効果をもたらすかどうかは、ケアする人が赤ちゃんにどう応答するかによりますし、ケアする人のあたたかさによります。
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数に関する言葉を多く聞いていた子どもほど、聞く数がずっと少なかった子どもよりも数学の基数原理の理解が進んでおり、ここでも保護者の話し言葉の力が裏づけられました。
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チューン・インは、「3つのT」の中でもっとも繊細です。乳児や幼児が集中している対象に保護者が気づき、適切な場合にはその対象について子どもと一緒に話すという意識的な行動です。子どもが集中していることに保護者も集中する行動、とも言えます。
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生後11~14か月の子どもを対象にした研究によると、赤ちゃん言葉をより多く聞いた子どもは、おとな向けの言葉をより多く聞いていた子どもに比べ、2歳の段階で2倍、言葉を知っていたそうです。
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トーク・モアはチューン・インと同時並行するプロセスで、子どもと話す保護者の言葉を増やすことを指します。特に、子どもが今、集中しているものやことに関する言葉です。
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一方、答えが決まっていない質問、いわゆる「開かれた質問」は、テイク・ターンズの目標に合致するお勧めの方法です。特に、幼い子どもにとって開かれた質問は会話を始めるために役立ち、会話を続けるのにも最適です。簡単な「どうする」や「なぜ」を使えば、子どもはたくさんの単語、考え、アイディアで答えることができます。
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過程を基本にしたほめ言葉をより多く聞いた子ども、つまり努力をほめられた子どもは、難しい状況になっても諦める確率が低く、その粘り強さが学校でも生活の中でも良い結果につながると研究は示しています。
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「なぜなら思考」は、命令ではないだけではありません。何かをする時には理由があるのだと子どもが理解していく手助けをします。「なぜなら思考」は因果関係、つまり、ある行動の結果を考え、判断する学びにもつながります。
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日本の家庭では、4つめのターン・オフが、最も重要だと考えられます。子どもがテレビの画面に引きつけられている受け身の時間を減らし、子どもと共に外へ出て、公園で体を動かして遊ぶ時間や、子育て支援センターで、手を使って遊ぶ時間を増やすことです。豊かな言葉の前提には、手や身体を使った豊かな体験があります。
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大人は、どうしても知識を伝えることを好みますが、子どもたちは、一人ひとりが保育者とは異なる志向性を持ち、異なる世界を見ている場合が多くあります。保育者が子どもと話をするときには、まず、子どもの気持ちや表情をよく見て、子ども自身が話や想像を豊かにすることができるように、話をすることが大切だと考えられます。
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Posted by ブクログ
今流行り(?)の育児本は、具体的な声のかけかたやフレーズが端的に表記してあり、それに慣れていた私は最初読むのが退屈だと思っていたが、読み進めるにつれ、一貫した主張(3つのTの重要性)について、科学や数字を基にした背景を理解したうえで触れられたのでとてもよかった。後半の、社会全体でプロジェクトに取り組む必要性もひしひしと感じ、エピローグ部分で保育者と手を取り協力する必要性に言及している部分を読んだ際は、「保育園でPTA役員を募っておりNGで回答したけど、保育者の負担軽減は、回り回って自分や周りの子どもの成長につながるのかも」と自分ごととして考えることができた。今後に役立てていきたいと思える内容だった。
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Posted by ブクログ
ネタバレこれまでさまざまな育児関係の本を読んできて、ここで述べられている考えが取り入れられていたようで、新たな学びはあまりありませんでした。
逆にいえば、この本を一冊読むだけで、乳幼児期に必要な保護者の関わりが丸わかり!であるとも言えるでしょう。
全体を通して、科学的根拠に基づいた研究成果のまとめ本という感じだったので、気軽に読める育児本ではありません。でも必ず学びになります。実践を求めて読まれる方は、高山さんの解説から読んで必要な箇所をつまんで読まれることをお勧めします。
以下、長くなりましたが内容のメモです。
・思考と学習の基礎となる部分である人間の脳の物理的な成長は、3歳の終わりまでに約85%が終わる。
・子どもが聞く言葉の量と質、それも誕生から3歳までの言葉環境が最終的な学業到達度の差につながるらしいとわかってきた。
・命令や禁止の言葉は、言葉を習得する子どもの能力を抑えてしまう。
・親同士があまり話さない家庭では子どももあまり話さない。
・言葉の量が多い家庭には、言葉の豊かさ、複雑さ、多様さといった要素も見られた。
・言葉が豊かな家庭で子どもが聞いていたのは、肯定的で、子どもを応援する意味合いのある言葉。
・3000万語は同じ言葉が繰り返し使われていることを前提とした、話されている言葉の総数。
・外国語をイメージするとわかりやすいが、知っている言葉の意味をつかむのにコンマ何秒かの遅れがあると、それだけで次の言葉の理解がかなり難しくなる。
・小学校3年はきわめて大切な時期で、単語をもとにアイディアを形づくり、知識を積み重ねる方向へ向かう年にあたる。
・耳が聞こえない人たちの不完全雇用はあたりまえで、働いていても収入は耳が聞こえる人より30〜45%低くなる。
・言葉の基本は、人間を他の人間と結びつけること。他者とのやりとりがなければふるい落としてしまう。
・赤ちゃんは生得的な非言語の「数の感覚」を持ち、物の相対的な数を「当て推量」する能力を持って生まれてくる。
・数は集まりの中にある個々の物を代表しているとわかることは、「基数の原理」と呼ばれる概念を理解したという意味。これが理解できた時、その子はさらに高度な算数の理解に向かう道筋に乗ったという大事な指標になる。基数原理は、4歳ぐらいで把握できるのが望ましいとされている。
・数に関する言葉を多く聞いていた子どもほど、数学の基数原理の理解が進んでいた。
・「空間に関わる言葉」つまり、物の大きさや形(例:丸、四角、三角、大きい、丸い、鋭い、高い、短い)を表す言葉について、たくさん聞いた子供は自分でも言葉を話す傾向。空間認知スキルも高まる。
・努力こそが目標到達の鍵であり、「能力のなさ」ではなく「諦めること」が失敗の原因だという感覚を保護者や教育者が子どもの中に育てることが大事。
・私たちが望んでいるのは、目の前の課題を見、それがどんなに困難に見えても、どうしたら成し遂げられるかをすぐに考え始める子どもです。=グリット
・成長の心の枠組みは「知性は挑戦があることで伸びていく」と信じ、他方、固定の心の枠組みは、能力は絶対的で変わらないと信じている。
・過程をほめられる言葉の割合が高かった子どもほど、つまり、熱心さや努力を生後3年間ほめられていた子どもほど、成長の心の枠組みを持つ傾向が強いという結果。
・子どもが学業で成功するかしないかを決める重要な要因は、自己制御と実行機能(計画し、注意を向け、指示を心に留め、作業を完遂するために必要な心理的プロセスに関わるスキルを指す)
・ひとり言(セルフ・トーク)」は、将来の社会スキルの高さ、問題行動の少なさと相関している
・行動の決まりを命令ではなく静かに伝え、子どもが自分で考えて行動を決められるように促していた母親たちの子供は、3歳の時点で実行機能と自己制御のスキルが高いという結果だった。
・自己制御を育てるには、子供に選択肢を与えること。また、大人が自己制御していることを見せること。
・命令の代わりに、「なぜなら」を説明する
・子どもの意識があちらからこちらへと次々に変わっても、子どもの注意が向いているものやできごとに保護者がついていき、子どもの働きかけに対して反応を返すことがチューン・イン
・子どもとトーク・モアする(たくさん話す)には、子どもと保護者の双方向の関わりが求められる。チューン・イン同様、こちらも親子のアタッチメントと脳発達にとって不可欠です。ナレーション、平行トーク
・通常3~5歳の間で、今見ているのではない物や、今している行動ではないことに関する言葉を使い始める。これが「状況から切り離された言葉」で、知的な発達にとって重要な指標。
・テイク・ターンズが続くかは自分で単語を探す時間を子供にあげるかどうか。何?ではなく、なぜ?どうする?と聞くと、たくさんの単語やアイデアで答えられる。
・生後最初の数年間におとなが本を読んだ子どもは、幼稚園の段階において語彙がより豊かで、算数のスキルも高いという研究結果が複数ある。
・ブック・シェアリングには0歳児も含むべき。赤ちゃんは保護者の声の音色、話のリズム、触れているあたたかさに安心する。大人向けの本を朗読するのでも良い。
・本を読みながら文字を指差すと、言葉とページ上の線の集まりの間に関連があると理解する。読み、綴り、理解のスキルが高まる。
・保護者の物語は語彙の増加を助ける。本だけでなく、一緒に体験したことなどで良い。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ★感想
1か月前頃、電車で読みながら心に残ったことをノート走り書きしが、
今読み返すと字が汚くて読めない、全て忘れている、実践につなげていなかった。
↓今後は
①忙しい時には読まない
②忙しい時に読む時は、目次から読みたい(3つまで)だけを読む。
②学びをアウトプットする場面を現場生活でイメージ化→
実践、振り返り改善までが読書、として生きた知識思考にしたい。
教えてくれた著者にも失礼と思うからそうしたい。
★ノートメモ書き(引用)一部 ※生成AIの力も借りました!
社会経済的な背景によって、
子どもが聞く言葉の量に最大3000万語の差が生じるという研究結果があり、
それが将来の学力格差につながる。
乳幼児期の言語環境を豊かにするために
親や保育者の関わり方の基本原則 3つのT
①Tune In チューン・イン こどもの興味に意識を向ける。
観察(例 その子の興味の対象は何か)して、
解釈→行動のプロセスが大事
例 子どもが泣いた時、何で泣いているか観察解釈(代弁)
お互いにストレスもあるが、寄り添うあたたかい反応が大切。
人間として育っていく上で欠かせない「向き合う」力が育つ。
科学的にも最終的な安定性につながることが明らかである。
思いやり等の非認知能力に大きく影響
②Talk More トーク・モア たくさん話しかける。
・大人は子どもの言動を実況中継する、ナレーション役
動詞、形容詞を加えて、膨らまして伸ばしていく
③Take Turnsテイク・ターンズ 対話のやり取り ★最も大事
・対話の中で子どもが反応するまで待つが優先→そこからの会話をつなげる
・子ども目線になって支援を
例 国→幼児にとって文字は、ごちゃごちゃした線の塊で意味を持たないので
文字を指さして支援を
算→Aちゃんはクッキー2枚、ママも2枚、合わせて4まいだね。
ママが1枚Aちゃんにあげると・・ママは何枚?Aちゃんは何枚?