城昌幸のレビュー一覧

  • のすたるじあ

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     創元推理文庫から2024年10月に復刊された城昌幸傑作選2冊同時刊行の2冊目。親本は『のすたるじあ』(1976年、牧神社)だが、本書の半分に満たない量であり、多くの掌編が併録されている。いずれも、香り高い洋酒の、その香りのみを真空パックしたような作品で、心地よく酔わされる。墓場から電話がかかってくる『死人に口なし』(pp178-203)と、藤原編集室による編集後記によると作者の実体験だという『怪談京土産』(pp311-317)が特に味わい深かった。

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    2024年11月10日
  • みすてりい

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     これまで様々なアンソロジーで城昌幸の作品を読んではいたけれども、一冊まるごと城昌幸の本を読んだのは初めて。1963年に桃源社から刊行された作品集が、補遺・その他の短篇を加えて復刻された。江戸川乱歩による『跋』(pp265-269)はさすがの内容で、ごく短い文章で城昌幸の本質を「彼は人生の怪奇を宝石のように拾い歩く詩人である」と言い当てている。「ショート・ショートの先駆者」とも乱歩は書いており、たしかにそうなのだろうけれども、星新一と違うのは、ストーリーがなく心象のみを掌編小説に結晶させた作品も多いことだ。その不穏で静謐で美しい世界を、数日かけて通勤電車の行き帰りでじっくり楽しんだ。

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    2024年11月06日
  • 時代小説英雄列伝 若さま侍

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     半七などと並ぶ五大捕物帖の一角を為すシリーズ。
     正体不明の若さまの飄々とした生き方が今の時代だからこそなんともまぶしい。

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    2009年10月07日
  • のすたるじあ

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    約百年前〜の作品たち。
    文体に馴染むのに少しかかったけれど、徐々に慣れた。ショートショートとカタカナで呼ぶのは不思議だけれど、まあなんとも不思議な小話たち。

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    2024年12月20日
  • 菖蒲狂い

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    「若さま侍捕物手帖」から厳選した25篇を収録。
    あらすじにもある通り、確かに捕物帖の中でも「墨の老人」方式を発展させた話の作りです。素性の不明な「若さま」が事件の内容を聞いただけでフラリと解決しちゃう。

    25篇中、タイトルにもなった「菖蒲狂い」と「亡者殺し」辺りが好みですね。どれも捕物帖なのでコンパクトに纏まってて手軽に読めるのも良かった。

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    2020年11月29日
  • 城昌幸集 みすてりい ―怪奇探偵小説傑作選4

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    うーん、ちょっと古い感じは否めない。文体とか、むしろこの古さが功を奏している場合もあるんだけど、全体としては「??」で終わる小説がいくつか。もちろん、いいのもいくつかあったんだけど、のめりこむことはできなかったなあ。

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    2018年06月23日