フィリップ・スーポーのレビュー一覧

  • パリの最後の夜

    Posted by ブクログ

    シュルレアリスト、フィリップ・スーポーの小説。短編二篇と長編一遍、訳者によるスーポーと当時のシュルレアリスムについての解説が収録されている。
     タイトルでもある長編の「パリの最後の夜」は、主人公の男が、一人の娼婦を探してパリの夜を彷徨ううちに、彼女の秘密性がパリの夜の秘密性と共通するものがあると感じつつ、なお彷徨うという作品。
     ストーリーそのものよりも、作品の独特の雰囲気、小説というより詩に近いようなその雰囲気を楽しむ作品。ある種「なんかよくわからなかったけど雰囲気良かったね」と言われるフランス映画的なところがあるかもしれない。
     訳者による解説も、読み応えがあり、中々の一冊。

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    2025年08月21日