岩間一弘のレビュー一覧

  • 中華料理と日本人 帝国主義から懐かしの味への100年史

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    ジンギスカン、餃子、シウマイなど今や日本の郷土料理化した料理。その他肉まん、ラーメン、麻婆豆腐など一般的な料理。
    中国起源から日本で普及する過程に帝国主義の時代が大きく関わっているという。
    普段口にする機会の多いメニューから歴史を考える実に良い機会。

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    2025年08月28日
  • 中華料理と日本人 帝国主義から懐かしの味への100年史

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    ジンギスカンが元々中華料理だったとはまったく知らなかった。そもそもどの中華料理もそのでき方について知らなかった気がする。しかも、戦前の歴史が隠されているものもあって驚いた。
    そういった歴史があるとは言えど、読み出した頃から、そして読んだ後も中華料理が食べたくなった。

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    2025年08月24日
  • 中華料理と日本人 帝国主義から懐かしの味への100年史

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    ネタバレ

    日本の軍国主義にも深く関わる中華料理のルーツを膨大な文献から簡潔にまとめられており、加害国側としての複雑さを感じつつ興味深く読んだ
    (加害側の意見と単純に一括りにするのも難しい)引き揚げ者が抱える満州への思いも共有されていて当時の肌感がより想像しやすかった

    個人的にサントリーの烏龍茶の広告が昔から好きだったんだけど、現実問題を直視せず理想の中国を描く点でオリエンタリズムの再演にすぎないという指摘は本当にその通りって感じ...(理想の中国を通じて自分たちの青春時代を思い出しているのもグロテスク)
    当時既にあったオリエンタリズム批判を引き受けず、傍観者として理想の中国を描くのは糸井重里的な物語消

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    2025年08月09日
  • 中華料理と日本人 帝国主義から懐かしの味への100年史

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    とても興味深いテーマだけど、とにかく帝国主義で説明し尽くそうというところに辟易しつつ、もっと違うストーリーも描けるんだろうなぁと思った。自責の念も異国文化を取り込む食欲も日常生活にあるのだから。

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    2025年10月05日
  • 中華料理と日本人 帝国主義から懐かしの味への100年史

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    日本での中華料理の広がりは、それこそ日中・日露戦争以降の日本の大陸への帝国主義に始まり、敗戦後の引揚げの方による、日本での新たな仕事としてやり易かったのではないかな、くらいに茫洋と思っていました。

    そういった茫洋とした点や、都市伝説的に広まっていた説を、膨大な文献を整理して、その由来、日本での広まり、日本に最初に紹介した人などを整理したことで、なるほどなと読み進められる良書。

    既に日本のものとして独自の進化を遂げた、ジンギスカン、ラーメン、焼き餃子などをそのルーツを帝国主義に結び付け、満州などの時代のノスタルジアと贖罪の気持ちとを喚起させる食べ物であるとするのは暴論という意見もあるかもです

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    2025年10月01日
  • 中華料理と日本人 帝国主義から懐かしの味への100年史

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    読みながら思い出したのは「つくられた伝統」という言葉。イギリスの歴史家エリック・ホブズボームとテレンス・レンジャーが提唱している概念です。古くから存在していると思っている「伝統」の多くが、実は近代以降に「発明」されたものであるというもの。社会制度についての視点だと思っていましたが毎日の味覚についても当てはまる、と思いました。そういえば湯澤規子『「おふくろの味」幻想』という新書にも重なりました。本書の面白いところはそこに日本の帝国主義とポスト帝国主義の中での日本人の心情の流れ、という論点を持ち込んでいるところ。満州事変から日中戦争を通しての中国大陸に対する加害者意識、被害者意識、そしてノスタルジ

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    2025年08月15日
  • 中華料理と日本人 帝国主義から懐かしの味への100年史

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    「日本の中華料理」のルーツを探る一冊。
    ジンギスカン、餃子、ウーロン茶などかなり意外な導入経緯が語られている。
    その良し悪しは別として、植民地支配がきっかけで日本に輸入され、華僑や日本人によって和風にアレンジされてきたものが非常に多く、知的好奇心を満たす内容だった。
    ただし論考としては繰り返しのものも多く、特に終章だけで全容がつかめてしまうのは構成的にいかがなものだろうか…まぁ読み飛ばせばいいんだけど…。

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    2025年11月09日
  • 中華料理と日本人 帝国主義から懐かしの味への100年史

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    「伝統」や「郷土文化」が、いかに「創られるか」がよくわかって、すごく面白い。

    たとえばジンギスカン料理。もとは中国・北京の料理店の羊肉のあぶり焼き。材料はモンゴル系かもしれないが、作っているのは漢族か回民(イスラム系)。それがいつのまにか日本人によって「成吉思汗料理」として満洲に伝わり、日本陸軍に広まった。チンギス・ハーンの遠征と自らの中国侵攻とを重ね合わせるかのように「宣伝に利用された」(p73)。

    日本の中華料理とは、「帝国主義が育んだ植民地料理」なのだそうだ。とても興味深く読んだ。

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    2025年09月09日
  • 中華料理と日本人 帝国主義から懐かしの味への100年史

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    個人的に面白かったのは、ジンギスカンと餃子がどうやって広まっていったかという話。今は普通に美味しく食べてる大好きな料理だけど、広がり方を知ると、満州に住んでいた人たちの感情とか、帝国主義とか、複雑に入り混じってるのだなと思った。最後の方はここまでの解説?まとめ?が多くて読み飛ばしてしまった。もしかすると面白いことが書いてあるのかもしれないし、時間を空けて最後のまとめあたりを再読したい。

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    2025年08月09日
  • 中華料理と日本人 帝国主義から懐かしの味への100年史

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    <目次>
    序章   中華料理に込められた対中・対日感情
    第1章  肉まん~近代的な食文化としての中華料理
    第2章  ジンギスカン料理~満洲名物から北海道遺産へ
    第3章  餃子~満洲の記憶とポスト帝国主義
    第4章  ウーロン茶~忘れられた台湾文化
    第5章  シュウマイ・ラーメン・四川料理」~郷土料理の創造とノスタルジア
    終章   世界史のなかの日本中華料理

    <内容>
    近代の歴史のなかの中華料理を分析していく。日本における中華料理(ウーロン茶をそう呼ぶのかは別にして)はいずれも本場の中華料理ではない。戦争の引き揚げ者や日本に帰化した中国・台湾人が、日本人の口に合うようにアレンジしたもの。そこにノ

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    2025年07月15日