眞鍋呉夫のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
中国の最も有名な兵法書の一冊である。
戦時の心構えや、兵士の士気を高める方法、人民に慕われる君主の在り方などが記されている。組織論、リーダーの心構えなど、現代人に通じる所も多く面白い。
「柔よく剛を制す」という言葉は三略を原典とするらしい。国には柔剛強弱それぞれの状態があり、それぞれの性質をよく理解することが大切だという。置かれた状況を理解し、それに対応した行動をとることで、国は栄えると言われている。日本の戦国時代の毛利家や真田家の身の処し方を想起させる考え方だ。大いに共感できる。
また、人民を愛し彼らの生活を楽にするような政策を取り、賞罰を公正にすること。また将が兵士達と同じ生活をするこ -
Posted by ブクログ
構成のみならず、文体もとても簡潔。
初心者の私でも楽しく読み進めることができた。
兵法書と名高い三略だが、その内容の大半は技術についてではない。
特に上略、中略、下略に分担される本書の最後、下略においては、いかに礼を持って賢人を招き入れるかを解いている。
これは現代のリーダーシップを考える際の「いかに人を『使う』か」といった能力と関わり深いものではないだろうか。
組織をまとめる者には成員をうまく働かせる能力が必要不可欠である。
目的遂行のための技術(パフォーマンス)だけではなく、その他の要因、特に自分を部下に当たる人々を如何に動かすかという視点をはずしてはいけないだろう。