笹木一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ無口さと顔面の怖さから鬼瓦になぞらえ「鬼の河原」と称される河原小平次同心。
彼の貸し長屋に飄々とした風変わりな坊主・蒼円が住み始めたことから小平次の日常は一変する。
蒼円はなんと、小平次が大の苦手な幽霊を見ることが出来るのだ。死者の声を聞いて未解決事件の謎を解く、心優しい強面同心と美しき坊主コンビのお江戸人情推理帖。
本当の自分を捨てることなどできない、みんな隠してそのまま忘れているだけ。本当の自分を思い出すためのものを、心に一つだけ持っておくといい。
作中でのこの蒼円の台詞が妙に印象的でした。実際に、作中で巻き起こった騒動はみな、自分を見失った瞬間に起きたことだからかと。きっとこれが話の核