■ シン・ボトムアップ型データ経営とは
データ経営をトップダウンで推進すると、現場の納得感を得られず、うまく機能しない。一方、ボトムアップで始めると成果が小粒にとどまりがち。
そこで「シン・ボトムアップ型」と呼ばれる、新たなアプローチが必要とされている。
シン・ボトムアップ型の要素:
• 経営トップが目的・目標を明確に示す
• 実行手段は「現場の賢人」が設計し、小さくても具体的な成果を出す
• 成果が生まれた背景を分析し、全社的にスケールさせる役割を与える
■ データ経営型組織に求められる6つのアクション
1. 経営層のテクノロジー理解と明確なメッセージの発信
従業員が経営方針と自らの行動が一致していると実感し、報われていると感じられることが、現場を勇気づける。
2. データ経営CoE(Center of Excellence)の設置
経営者と現場の橋渡し、テクノロジーの知見共有、橋渡し人材の採用・育成
3. 実験と「計画された失敗」の推奨
Booking.comやWalmartでは、組織的に失敗リスクを許容し、実験文化を推進。
あらかじめ撤退基準を設定し、失敗時も結果と原因を分析して次の施策に活かす。
4. 権限移譲とデータの民主化
データアクセスにおける多重承認を廃止し、数クリックで適切な権限構成のもと、分析環境へアクセス可能にする。
5. 人材のアジャイルプール化
LINEヤフー社では、データ分析組織を「暴れる集団」として他部門に入り込み、人材定着と事業貢献を図る。
6. D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の推進
データ人材と事業部門の混成チームによるプロジェクト運営
相互理解のための研修プログラムや、アイデアの提案・共有の場を設ける