ジョルジュ・ディディ=ユベルマンのレビュー一覧

  • イメージ、それでもなお

    Posted by ブクログ

    アウシュヴィッツから「もぎ取られた」4枚の写真。「イメージ」はユベルマンの中心的概念なのだが、基本的には言語と同様の構造を取る。それは「イメージ」が「すべて」を表象するわけではないという不可能性を自覚しつつ、想像不可能とも思われるような極限的状況をも想像させる力を持つということだ。ただ、やはりユベルマンにとって「見る」ことを伴うイメージは言語と異なる重要な意味合いを持つことも確かで、「黒い塊」という「視覚的刻印」がガス室の「扉」であることに気がついたのも彼の「見る」ことへの執着ゆえだろう。
    異質性や想像不可能性こそが、接近を可能にするー。共通項なき同質性が、対話可能性を開くのであろうか。
    モン

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    2025年09月26日