天沢時生のレビュー一覧

  • すべての原付の光

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    サイバーパンクの皮を被ったハチャメチャごった煮エンタメ短編集。
    ディストピアな雰囲気の作品が多いけれどそれより意味不明な設定、意味ありげな造語、どこかで聞いたことのあるフレーズをないませにして物凄い勢いで突っ走るので悲壮感はほとんどなくサクサク読める。
    荒唐無稽なのにどの作品も情景が浮かんでくるのが印象的だった。
    どれも映像化向きだと思うし実写よりアニメの方がこの荒唐無稽さには向いてると思う。

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    2025年08月10日
  • すべての原付の光

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     一人の不良が発明した機械が思わぬ結末を迎える『すべての原付の光』、無限増殖を繰り返す大型ディスカウントストアを巡るサイバーパンク『ショッピング・エクスプロージョン』など五つのSF短編が収録されていて、どれも突拍子もない設定や世界観から始まりどんどん面白さが加速していくものばかりで作品が醸し出すエネルギーが凄かった。

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    2025年06月26日
  • 紙魚の手帖Vol.24

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    ネタバレ

    第16回創元SF短編賞受賞作の「観覧車を育てた人」(雨露山鳥)の全体的な空気感が良い。ただし、取材者について、取材者が下調べをしているにもかかわらず物をよく知らないところなど気になるところも散見された。小説の技術は時間が解決してくれるだろう。そんなところよりもリーダビリティや世界観の構築の仕方について感心した。他に収録されている作品については、「惑星タルタロスの五つの場景」(レイチェル·K·ジョーンズ)の掌編が出色。生の中の死、死の中の生という大きなテーマを掌編として成立させるのは見事。近年で最も印象に残った作品である。

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    2025年09月22日
  • すべての原付の光

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    SF短編集。自分SFは得意な分野ではないけれど楽しめた。それぞれ独特の世界観、入り込むのに少し時間がかかるが、結末がどこへ落ち着くのか分からないので、あれよあれよという間に連れて行かれる。特に冒頭二篇のサイバーパンク(ってやつ?)が秀逸、みずみずしい文体、しゃれた会話、SF的ガジェットや用語につけたルビが面白い。たとえばヤンキーが中学生から巻き上げた原付を語る部分。「すべてイキリ中学生から強奪(ジャイアン)したものだという。」こんなんオモロ過ぎる、翻訳不可能やろw 素晴らしい!

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    2025年08月16日
  • すべての原付の光

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    面白かったです!!
    前半
    ・『すべての原付の光』(原付で路を攻めてた中坊を転移させて神殺しをやる)
    ・『ショッピング・エクスプロージョン』(自己増殖する大型ディスカウントショップによる買物災禍、商業的終末…サンサンサン〜サンチョ〜サンチョ・パンサ〜)は既読でしたが、何度読んでも新鮮にサイケデリックな衝撃を受けます。ルビが…!
    後半の未読の作品群も、
    ・濡れタオルでしばき合う闇の大会を、こっそり流れついたヤクザたちが開催しているコロニーに「カタギ警察」のスパイ(どう考えても林家P夫妻)が入り込み、この闇競技が明るみに出てしまう。「カタギ警察」の狂気と横暴にふるえる『ドストピア』
    ・毎晩夢の世界で

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    2025年07月10日
  • すべての原付の光

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    ヤンキー、ドンキ、任侠、地元、アフリカと、なんともバラエティに富んだSF5編だった。SFっちゃSFなんだけど、ぶっとび設定に言葉遊びが楽しい前半3編と、ちょいとハードモードの後半2編のバランスも良い感じ。

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    2025年09月20日